めんどくさがり、仲間ができる。
「…ん、ここは?」
目が覚めた天使の少女が聞いてくる。
「ここがどこかと言われると、あなたが召喚された場所、くらいしか言えませんね。ちょっと暴れたのでボロボロですけど。」
「あなたがわたしを救ってくれたのはわかる。ありがとう。」
精神攻撃を受けてからは意識が混濁していたはずだが…
「どういたしまして…さて、あなたは神界に帰るんですか?」
「…あなたについてく。」
「いいのですか?あなた、魔法神の直属のようですし、戻らなければいけないのではないですか?」
記憶を漁った結果出てきた情報である。
「いい。わたしが欠けても、代わりはいる。あと、あなたについて行きたい。」
詳しくは見てなかったのでその辺は知らなかった。
「ならいいです。まあ、衛兵を呼んでここからおさらばしましょう。」
「ん」
衛兵に知らせて寮に戻る。ちなみに捕らえた奴は心をきっちり折ってあるので全部吐いてくれるはずだ。
「学園の寮です。私についてくとなると、そこに住むことになりますかね。」
「分かっている。あと、敬語はなしでいい。」
「ならそっちも敬語はなしで。あ、名前は?」
記憶とか漁った限りじゃ出てこなかった。
「ない。神界では名前は神々以外にはない。だから、つけて。」
名前か…
「…ルナ、とかどうかな?」
「いい名前。ルナ、ルナ…」
噛みしめるように何度か名前を呟くと、こちらを見て、顔を綻ばせる。
「ありがとう。あなたの名前は?」
「レイ。よろしく、ルナ。」
「こちらこそよろしく、レイ。」
この世界で初めての仲間といったところか。
「さて、早速寮に向かいたいけど、羽、隠せる?」
「…できた。」
「ならよかった。」
飛んで、窓から部屋に入る。
寮には制度上余程の事情がないと部外者は住めないし、見つかった時のためにも、あの王女にくらいは話を通しておく必要がありそうだ。
ということはというわけでもないが、とりあえず、ルナの汚れを取って、服を着せなければ。
服くらいの質量なら魔法で作れるし、この部屋にはすぐに俺が汚れを浄化する魔法を設置した。あと、匿う関係で防音も。
デザインとかはからっきしなので、俺のと同じようなのを作る。
下の下着は全然作れるのだが、上の下着は複雑で作りにくく、断念した。まあ必要なさそうではあるが…
「着てて痛かったりしないか?」
「ん、大丈夫、ありがとう。」
「眠い…寝ても、いい?」
「いいよ。」
「…寝ないの?」
「睡眠が必要ない体なんだ。」
「そっか。」
それだけ言うと、ルナは眠りについた。
起こしてしまうと支障が出るし、寝た方が良さそう。
自らに睡眠魔法をかけて、睡眠の要らない体を強引に眠らせる。
効果が切れるのを日の出くらいにしたから、寝坊の心配はないだろう。




