めんどくさがり、人里に出る。
「ごめんください、ここはどこですか?」
迷子の少女。僻地を頼んだし、ここから最寄りの街への距離は知らないが、外を出歩いている魔獣はこんなどう見ても戦えない少女じゃ1秒と命がもたないようなやつらばかり。人はそう簡単には来れないはずだが…
「どうやってここに来た?」
「転移の魔法陣が暴走してしまったみたいで…」
「そうか。結論から言ってしまえば僻地かつ魔境、それしか知らない。可能ならすぐに帰った方がいい。」
外でガァァァ!と魔獣が鳴く。うるさ。
少女の顔が青ざめている。
「帰る方法ってありますか…?アルト王国から来たんですけど」
恐る恐る聞いてくる。
陸は時間がかかるし護衛も十中八九囲まれるから面倒だ。
「空からならどうにでも。」
飛んでる輩もいるが全部撃ち落とせばいい話だ。
「それでお願いしますっ」
結構食い気味に頼み込んでくるな。焦ってるのか、パニックなのか。
「じゃあ、失礼。」
「ひゃっ!?」
いわゆるお姫様抱っこ。剣は持てないが魔法があるので問題ない。
風圧対策で障壁張って、人対策で透明化してと。
魔法で飛んで、適当な方角へ一直線。海だったので海岸線に沿って移動。
「到着、ひとまず人里へは帰れたぞ。」
「ありがとうございます!いつか色々とお返しさせていただきたいです!」
「義理堅いのはいいことだが、たいそうなお返しは結構だ。」
「そ、そうですか…」
俺がめんどくさそうにしてたのが伝わったのだろうか、すぐに折れてくれた。
関所に並ぶ列に加わる。
「この城壁、アルト王国のものです。」
「そうか、よかったな、それなら衛兵にでも保護してもらって家に帰れる。」
しばらく待つと自分たちの番が回ってくる。
「目的は?」
「転移魔法の暴走で飛ばされた少女を届けに。アルト王国から来たそうで。あ、俺は入らないんで。」
怪訝そうな目で見つめてくる衛兵。どうしたものか。
「これでいいですか?」
そう言って少女がブレスレットを兵士に見せると、兵士は驚いた顔をして、
「失礼いたしました。こちらで保護させていただきます。そちらの男性の方、あなたは王城までご案内させていただきます。」
もしかして、こいつ、王女か何かか?王城まで行かされるということは王族と会うということ。めんどくさい。




