第六話『夢の中』
天津猫です、予告通りに投稿できて良かったです。
では、どうぞお読みください。
第六話『夢の中』
その日、久野子百合は自分の夢の中で佇んでいた、入学して初めての授業で、全クラスの生徒達の”能力の色”を見終わり、その整理をするために子百合は普段自分の夢の中で作業をする。
「さてさて、今年の一年生はどんな色を持っているかな」
子百合の手の中には赤色の魂のような物を持っていた、これこそが”能力の色”であり、子百合の能力『幻想を覗き見る女の子』の効果でもある、本来『幻想を覗き見る女の子』は、相手の動きや感情を色として捉える能力であり、これを子百合は、能力を色として捉えるようにした。それにより、能力の強さや効果を知ることが出来るのである。そうやって、子百合が作業を始めて30分したころであった、突如、子百合を包むように能力の色が光りだした、子百合は咄嗟に目をつむる。
「(きたぁああ!!)」
実は子百合は能力の色は見るだけでなく、能力名と能力の世界、いわゆる能力世界を見ることが出来る、だが、能力の全部が全部、能力の世界があるわけではなく、本当に極まれにあるという、ガチャで言うSSRである。子百合が目を開けるとそこには、緑の草原と青空が広がっており、子百合はその広さに唖然とする、子百合は今までも能力の世界を見てきたが、ここまでの広さを見たのは久しぶりであった、そこに強めの風が子百合の背中に流れてくる、子百合はそれに気が付くと後ろを振り向いた、子百合の目線の先には丘があり、その丘の頂上には一本の剣が台に刺さっていた、その剣は正に星の輝きに負けない程に美しく、その剣は伝説の王が手にしたとさえる剣であった、その美しさにうっかり子百合は見とれてしまったがすぐさま正気に戻った。
「さすが今年の主席合格、アルメルト・ペンドラゴン、かの伝説の王、アーサー・ペンドラゴンの血を引くだけあるはね、能力世界が広いわけだわ、能力『伝説の王が振るいし希望の聖剣』まさに、規格外の能力」
子百合は能力を見終わった後、その能力世界から退出した、長居しすぎると、能力から拒絶反応つまり、防衛処置が行われ能力が子百合に攻撃をし始めてしまう、そのため、長居しすぎるのはあまり良くない、そうやって、自分の夢の中に戻ってくると、また同じ作業を開始した、ふと、子百合が次に見るクラスは子百合の大親友のクラスであった。
「雪ちゃんのクラスって確か愚か者クラスだけど、もしかしたら能力世界がある色があるかも、よーし、頑張るぞぉおお!!」
数分後
「なぁああい!…………やっぱりダメかぁ、良さそうな能力はあるけど、能力の世界がある色は無いか…………うん?まだ、四つ残ってる?良し、観てみるか!」
能力世界があるのはやはり珍しいため、中々見つからない、ましてや、愚か者の烙印を押されている愚か者クラスは無いに等しかった、だが、子百合は残りの四つの色を見てみることにした、まずは黄色の能力を見てみると、一発目から光を放った。
「(マジか!)」
光が収まると、そこには西部劇に出てきそうな町が子百合の目に映し出された、このことに子百合は大いに喜んだ、まさか、愚か者クラスに能力世界があるとは思わなかった。
「この能力世界は、あのガンマンの帽子をした、上内陽太君の能力『一つの弾丸は百の弾となる(ワンハンドレット・バレッツ)』ね、広くはないけれど、中々のものね」
子百合は陽太の評価を上げた後、退出していった、ウキウキで自分の夢の中に帰ってくると、次は赤色の能力を見てみることにした、すると、なんと赤色の能力も光出したのである。
「うそ!?」
連続の能力世界に子百合は声を上げた、光が収まると子百合が一番最初に思ったのは――
「熱!!」
まさに灼熱の世界が広がっていた、空も地面も赤黒く、周りには何千本以上、数えるのが馬鹿らしくなるほどの刀が突き刺さっていた、そして、目線の先に周りに突き刺さっている刀とは群を抜いて違う光を放つ刀があった、思わず子百合は目を見開いた、まさか、愚か者クラスにここまでの広さと力を持つ世界を見るのは初めてであった。
「これが、剣舞サヤカちゃんの能力『|究極の一太刀を追い求めた刀匠』実在した人物の名がついた能力はやはり、格が違うね」
この能力世界はサヤカの世界であった、子百合は自分の夢の中に戻った後も、サヤカの能力世界について少し疑問を抱いていたが、それを一旦置いといて残り二つの能力の色を見つめた、一つは水色の能力、もう一つは、虹色に輝く能力であった、子百合は先に水色の方に手を伸ばし見ることにした、虹色は最後の楽しみとして取っておくことにした、そして、水色の能力もまた、光輝いた。
「なるほど、ここが安倍晴明君の世界か、何だか何かを封印しているみたいな世界だなぁ」
晴明の世界は今まで見てきた世界とは違い、薄暗く、まるで何かを封印しているかのような通路が続いた世界であった、子百合が足を進めようとすると、シュン
「え!」
一瞬にして別の場所に移動させられた、子百合が困惑をしていると、後ろから何人?もの声が聞こえてきた。
「何故、主以外がこの世界に入ってこれている?」
「何の断りもなく、入ってきた不届き者だ!」
「待て、微かだが主の匂いがする」
「では、主の知り合いか?」
子百合が驚き後ろを振り向くと、全部で十二匹もの生物が子百合を見ていた、姿はバラバラであり、とくに目立つのが、白い毛並みを持つ虎、鹿の角、蛇の尾、全身を覆う鱗を持つ青い龍、亀の甲羅に蛇が巻き付いた亀、大きな赤い翼を広げた美しい鳥であった、子百合はその姿を見て四神と悟った、西の守護者:白虎、東の守護者:青龍、南の守護者:朱雀、北の守護者:玄武である。
「はじめまして、私は久野子百合と言います、安倍晴明君が通う、ソムニウム学園の教師をしています」
「なんと!主の師であるか、何用で主の世界に来られた?」
「授業の一環で、毎年、生徒達の世界を見ることになっているんです」
「なるほど、それは失礼した、だが、この世界は主と我々以外が居ると、強制的に追い出されてしまうのである」
「すみません、こちらこそ何の断りなく入ってきてしまった事に謝罪します、ではまた、機会があれば、お話をしましょう」
「うむ、では、主のたのみましたぞ」
十二匹と少し話した後、子百合は四神の言う通り、強制的に世界から退出された。
「いや~まさか、強制的に退出させられるとは、今年の愚か者クラスは豊作だね…………では、最後の虹色の能力をみることにしよう」
そう言って、子百合は最後の虹色の能力を手にした、その瞬間、他の能力とは圧倒的に光の量は多く、子百合は目をつむった、子百合が目を開けると、その世界に子百合は困惑した、何もないのである、何もないとはいっても、水平線まで広く続いている青空に、同じく水平線まで続く足元にある水面、なにより、子百合は水の上に立っているのである、ふと、目を下に傾けて見ると、そこには信じられない光景が映っていた、宇宙いや銀河が映っていた、在りえない、子百合は目の前に映る景色を疑った、水平線まで続く青空と水面、そして、その下に映るのは銀河だ、これを信じろと言うのは無理がある、子百合は後ろにも同じ光景があるのかを見ようと、後ろを振り向くと、玉座があった、それだけだ、玉座の後ろには同じく水平線まで続く青空と水面が続いているが、この世界にある、たった一つの置物が玉座である。
「何……これ?こんな世界見たことが無い、アルメルト君の世界なんか比べものにならないなんて、本当に愚か者クラスの生徒のなの?」
驚愕、子百合の頭の中はそれでいっぱいになっていた、子百合は考える、これほどの力を持っていながら、何故、愚か者クラスなのか、隠していた?、それしか思いつかなかった、そんな事を必死に考えていると声が聞こえた。
「これが、最強の能力『絶対勝利だよ」
「え!!」
後ろから声がしたので振り向いて見ると、そこには、スーツ姿の青年が佇んでいた、その容姿はとてつもなく整っており、うっかり見とれてしまった子百合であったが、何故、自分以外の人が世界に居るとのかを聞きたかった。
「えっと、あの……」
「別に何も言わなくていいよ、この世界が表しているのは、たとえ銀河が荒波なぬいを敵に回しても、その全てはなぬいより下を表しているんだけだから」
「えっ何を言いているんですか、貴方はいったい何者なんですか!」
「もう起きる時間だよ久野子百合、僕の正体はいつか分かるよ、じゃあ、起きなさい」
ピピピピピピ、ピピピピピピ、子百合は目を覚ますと目覚まし時計が鳴っており、起き上がると、いつもの子百合の部屋であった、子百合は最後の彼は何者だったのか、あの規格外の力は何なのか、そんなことを考えながら、子百合は学園に行く準備を進めながら呟いた。
「お名前、聞いとけば良かったな」
いかがでしょうか。なぬいの持つ絶対勝者の世界に居た青年の正体とは何だったでしょうか。
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