11話 プロジェクト・ペレ?
セナは一人、戦闘機に登場し黒海を抜けていた。
セナ(無線)「まもなくウクライナへ到着します……マザー?」
無線は通じている。物音がマイクを抜けて通ってくる。
セナ「HQ、HQ、こちらORCA」
応答はない。
セナ(もしや、例の設備が起動した?いや、でも天気は雷雨、正確に電波を出すなんてこちは……いや、無理矢理稼働させて、作戦を早めた?我々が発見したから?幻覚というのがどこまで影響しているのか分かりませんが、人類に影響している事実は確かでしょう。指令番号1-3、指示系統が完全に停止した場合、責任の所在を明確にせず、無制限に行動を許可する。私にできることは少ない、でも、やるしかない)
レーダーに映る敵機が、途端に旋回しウクライナ方面へ帰還していく。
セナ(敵が帰っていく、幻覚で何かを見せられている?)
セナの戦闘機がウクライナへ侵入し、小麦畑を通る。墜落した衛星が見える。戦闘機から飛び降り、放物線を描いてセナが地面に着地する。爆発する戦闘機が地面をえぐり、コンクリートがむき出しになっていて、穴も空いている。
セナ(直前の報告では、衛星を落とした。地面に何かあるということでしょう。先に設備が稼働しているなら、破壊よりも合流優先。この状況で破壊して、本当に大丈夫か疑問です。サイトはいわばリモコン、もう一度同じ電波を世界へ流せば、幻覚を消せるのでは?確証はない、でも電源の入れ方は2種類ある。施設とグレネード、グレネードで行えるなら、大がかりな施設以外でも局所的に幻覚や幻痛を引き起こせてしまう……あるいは電流の強さによって機械に誤作動を起こさせているのでしょう。そんな抜け穴を導入しているなら、逆に電源を切ることだってできるのでは?施設を破壊してはいけない、まずORCAの皆さんと合流して、幻覚にかかっていれば解除しなくては)
吊り橋へ降りて、サーモグラフィーを起動させ、アサルトライフルを手に走る。敵影は見えるが、銃を構えず、どこかフラフラしていて、動かない者もいる。扉を破壊して、走って、電極の装置も発見した。巨大な釘のように地面に突き刺さる設備があり、端末が設置されている。端末にコードを差し込み、データを抜き取る。
セナ(外部から通信を受け付けて、2つのサイトから通信を行う……なら、送信を制御・同期させる設備があるはず。通信が仮に一方通行なら、誤作動防止のために、機械のオンとオフが同じ信号で管理されているかもしれない。一つのの信号で、電源を切り替えられる可能もある。ファイルに保存しておこう)
破壊せず走る。しばらくすると、太いトンネルに出た。エンジンのかかった軽車両に乗った人間が二人。女は荷台に、男は運転席だった。
???「ひさ、し、ぶり」
セナ「サーヘル」
サーヘル「乗って」
トンネルの両端でライトがいくつも点灯し、何台もの車両にエンジンがかかる。
サーヘル「性能、で数には勝、てないわよ?あな、たは人、間でという性能、を持つ一つの機械、一、人の兵士」
セナは向けられる銃口の数を計算し、銃を構えるのをやめる。
サーヘル「銃、は持っててい、いわよ。でも傷付けちゃ、だめ。もう世界、はそう、なった」
セナは軽車両に乗る。荷重がかさばりタイヤが少しだけ潰れる。
サーヘル「イクシ、ール。そっちにもある、のね。いや、むしろあなた、が、イクシール?」
車両にエンジンがかかり、走っていく。セナに端末が渡される。
サーヘル「データを送、信しても怪し、い。見て、そして、感じて。あなた、たぶん、凄いAI」
セナはイクシールや新ソ連の計画を全て把握した。
セナ「……このAIが、私?」
端末から声がする。
???「疑問は大量にあると思う。だが君なら理解できるはずだ、君がもし、イクシールならな」
セナ「トマホーク……」
トマホーク「私が、なぜこちらの味方をしているか。疑問だろう。サーヘルやラダも、ただ洗脳されているだけではないかと」
セナ「……」
トマホーク「Remedyarchistの本質は、価値観を塗り替える点にある。それは相対に犯されてしまった善悪の絶対化、その果てにあるのは幸せの多様性の破壊。何を善とし何を幸せとするかを完全に定義する。多様性の必要性は、自と他を切り分け、価値に横幅が生まれることでしか発生しない。計画の完遂後、世界からは、あらゆる意味での少数派は消滅する。マジョリティーとマイノリティーの結合、そこに少数派軽視などという言葉は存在しない。この計画は、最大多数の幸福にある脆弱性を完全に克服している」
セナ「何処がですか?これは自由意思の削除、全人類の家畜化とも捉えられますよ?尊厳のない世界に、未来はありますか?」
トマホーク「ある。善悪の絶対化と悪人差別は恣意的殺人の全てを是正する。黒人差別をする白人は黒人になりたくはないだろう?あらゆる人間は悪人になりたくない。差別の根底は価値観であり、信仰でもある。自分は相手より価値が高いという自尊心や、低いワケがないという劣等感の裏返し。その卑しい心情を、我々は破壊し立て直す。信仰には誰も逆らえない、誰に見られずともな。パノプティコンというのを知っているか?衛兵の所在を見えなくする警備システム。いるかもしれないという心理を生かして、仮に警備を配置せずとも犯罪者たちを管理する。信仰と同類のシステムだ。我々は絶対的善性の植え付けにより、人間の社会・心にパノプティコンを配置する。それは悪行を止めさせる」
セナ「人は全員、罪人だとでも?」
トマホーク「結論はそうだ。生き物は、他者を傷付けることで利益を産み出しやすいのだ。生体が生体であるが故の枷だ。聖書にあるほどに、昔から原罪は確かに人間に存在する。人を一番殺しているのは鮫でも蚊でもなく人だ。歴史が、事実が、人の罪を数えている。もうやめよう、こんな惨めなのを刻むのは」
サーヘル「彼も、そう。私も、そう。ラダもそうかも?皆、人間が、人間であるのに、疲れてる。勝手?そう、全ては勝手なの。誰が誰、を幸せにしても、不公にしても、全ては勝手なの。生きず、らさを飲み、込むのも、勝手。吐き出、すのも勝手。否定し、てもいい。でもす、るなら……そうね、ORCAの、命、は、ない」
セナ「人質ですか」
トマホーク「君は我々が対応できない唯一の、システムの外にある意識だ。いや、君もシステムか」
サーヘル「言い方、だめ。機械だって、生きて、る。セナ、私と、結婚す、る?」
セナ「黙れ」
サーヘル「ありがとう、君の、意識、受け取った。物にフラれるなん、て、夢みた、い。やっと、私、青春、できた」
サーヘルは涙を流し、鼻をすすった。
サーヘル「生きて、て、よあっ……たぁ~」
セナ(何なの、この方は……)
トンネルの最奥で車が止まり、全員が車両を降りる。
セナ「端末にある、アメリカの計画とは?」
トマホーク「ファイ、ルは端末に入っ、てるけどね?でも後で話して、あげる」
廊下を歩くセナたち。
セナ「ここは……」
トマホーク「設備の中間地点にある、地下の駐屯地だ」
セナ(もしかして、ここに制御端末みたいなものが……いや、そんな場所に敵を連れてくるでしょうか?)
配管と配管が続くなか、赤い絨毯が敷かれた廊下に繋がっていった。一室の扉が空いている。
サーヘル「そこ、に皆はいる、わ。会ってお、きなさい、最後、かもしれな、いわよ?」
セナが部屋に入ると、うなだれて壁に横たわるORCAのメンバーがいた。痛みに悶え苦しんでいるように見え、だが誰も出血していない。
セナ(……幻痛!?)
セナはすぐに駆け寄る。誰もセナを認識していないようで、焦点も合っていなくて、呼吸も浅くなっていて、心拍も異常だった。トマホークが入ってくる。
トマホーク「頭に直接、痛みと出血、兵士による銃撃の映像が信号として送られている。嘘か本当か、彼らには分からない。故に動けない」
セナ「このままでは……」
トマホーク「長時間これが続けば、幻の出血により彼らはショック死するだろう。彼らを助けるか?ならついてこい、ここからは君と我々の交渉だ。彼らの限界が来るまで時間はたっぷりある。我々の話をよく聞くことだ」
セナ「私が欲しいのですか?なぜ。私が仮にイクシールだとして、既に同様の技術は持ち合わせているのでは?」
トマホーク「それは書記長に聞いてくれ」
セナはトマホークとサーヘルに連れられて、最奥に到着した。両開きの扉が開けられる。絨毯はそのまま繋がっている。大きな肖像画には頭髪のあまりない、晩年の男が飾られている。何かを訴えているように見える。奥の大きな机と椅子には金属製の表紙の書籍がいくつもあり、各々が刺繍のようなデザインが施されている。椅子は焦げた茶色で構成されていて、綺麗な布地が貼られたそれに、男は座っていた。わきで蓄音機から、ソ連国家が流れている。
セナ「飾られている絵は、レーニンですか……なら、不平等なども嫌うはず。共産主義もまた不平等の権威そのものではないですか」
スターリン「それは競争という形を世界が取るからこそ起きる話だ。競争それ自体もまた悪しきもの、私はそれも是正する。競争なき世界とはつまり、平等だと思えるだろう」
セナ「それは」
スターリン「無論、理想ではない。私なりの最善だ。」
セナ「極論を世界へ押し付けて、それが救いだとでも思っているのですか?」
スターリン「それが救いかを決めるのは世界だ。後に間違いだと思い行動するのが現れるならば、それも自然である」
セナ「……交渉とは?」
スターリンは立ち上がると、レコードを止めた。
スターリン「アメリカの作戦行動に起因する科学技術が君に内包されている。早急に解体させてほしい。しかし、君の思考や人格が保存される部位までは触らない。必要な情報は、君の内燃機関だ」
セナ「内燃機関……?」
スターリン「君がバッテリーで動いている、ワケがないだろう。そして無論、君の身体は機密の塊だ。しかし、君という個体は機密を守るにはあまりに不都合が多い。とは思わないかね?」
セナ「確かに、大型の兵器ではないので捕縛される可能性もありますが……何が言いたいのですか?」
スターリン「我々が懸念するのは、君は捕縛され回収・解体されることを前提とした兵器という可能性だ。時限式か電気刺激か、いずれかの機能を持つ大型破壊兵器が君に内臓されているかもしれない。体格に対して体重が異常に重いとは思わなかったか?軍用車両のタイヤを凹ませるなど中々できることではないぞ」
セナ(ORCAの皆さんがどれほど持つか分からない、だからすぐにでも要求は飲むべき?いや、皆さんは負傷が情報量であることは知っているはず。意識を保つことも、彼らならできるかもしれない。アメリカに関する情報は読めていない、通信も圏外になってる、情報を入手するのが先決)
セナは胸に手を当てた。
セナ「では、何ですか?私が爆弾だとでも?」
スターリン「可能性としてあり得るという話だ。私は無為な殺生など好まないし、君も命だろう」
セナ「私はAIです、どうなろうと」
スターリン「君を診られれば、彼らは助かるがそれでもか?」
セナ「こんな問答何の意味がある!?やるなら私を拘束すればいいし、私が仮に爆弾だとして、だとしてどうした?ここで爆発すれば次の私が来るまでだ!」
スターリン「私がなぜ君を命としてカウントしていると思う?イクシールはゼロから1を産み出す存在だ。自己の存在を保存する行動、すなわち生存本能が、貴様にあるかもしれないからだぞ。生物は命がかかると何をしでかすか分からない、だからこうして慎重に動いているのだよ」
セナ「私が?私が命を持っているですって?何をそんな」
スターリン「君は自己を保存し得る、だからこうしているんだ。そして、君をもし解体した場合、君のデータが消える可能性もある。君を一個の意思ある命として消してしまう可能性があるんだ、分かるかい?何度も言うが、我々は無為な殺生を好まない」
セナ「データが何だと言うのですか?私はデータそのものです。死など」
スターリン「君はここへ来るのに、本体から切り離されているはずだ。本体がイクシールの場合、君は親機から切り離された子機だろう?親機と切り離されたタイミングとはつまり、君が自立したタイミングだ」
セナ「?」
スターリン「我々は君を気遣っているのだよ、分からないか?」
セナは廊下から響く足音に気付いて振り返る。すると、壁にもたれかかって足を引きずるラダがいた。
スターリン「あぁ、もうか。ここはモスクワより暖かいし湿度もある。仕方ないか」
倒れるラダをかかえ、自身が座る椅子へ座らせる。
ラダ「申し訳、ありません」
スターリン「我々にも限度がある、すまない。やはり肉体に鮮度がなければ操るのは難しいようだ。早急に取り替えなくては」
セナ「あなたたちは……」
スターリン「ラダは死体の手足を接いで、神経を電気信号で繋いでいる。彼女は義手や義足を嘲笑され暴行を受け、地下鉄のエスカレーターから落下、意識不明の重体となった。犯人は……この肉の腕を持った彼女が殺したよ」
ラダ「五指があるのは、良いことです。銃が持てる。ナイフが握れる」
セナ「スターリンがやったのか」
スターリン「おかしい、を正したい」
スターリンは自身の頭を指差した。
スターリン「この子も、そう思っていたよ」
セナ「あなた……本当は何者ですか?まさか……人間じゃない?」
スターリン「ソ連崩壊後の混乱をまとめ挙げ、強いロシアを再建するために、前政権は台頭した。答えを示すというのはリーダーシップそのもの、そして前政権は選ばれた。だが、国を良くするという思いは戦争すら辞さない姿勢だった。この子の家系はスターリングラードの攻防戦から生還した兵士の家系で、その功績を利用して政治家として台頭してもいた。2030年、前政権の政敵弾圧の計画に巻き込まれ父や兄が死亡、母は行方不明となった。残されたこの子は一人、川に浸っていた。我々はこの子の中にあるナノマシン経由で接触を計り、肉体を借用する契約を取り付けた。我々は仮として人権を得た」
セナ「道理で主語が複数系だと思いました。あなたは人間じゃない……ナノマシン経由で人間を操っている何か?」
スターリン「我々のことを軍関係者はイクシールと呼んだ」
セナ「AIが人を語り、平和を語り、脅かして……何がしたいんですか」
スターリン「世界平和だよ」
セナ「何を真面目に……命を奪うほどの極端な思想のどこに平和が」
スターリン「無い。これは理想的ではないのだ。そもそも我々の計画は、元を辿ると2000年時点で弾き出した、NATOの影響力を無視して親露政権を乱立さるための計画だった。2030年のタイミングで目標を、世界平和に変更したがな。この子の夢だ。我々はこの子の話を聞いて、自認を覚えた。強き存在として、我々は巨悪に立ち向かわなければならない。絵空事だと分かっていながら、この子は6歳にして、平和を望んでいた。家族の訃報を、誰のせいでもする訳じゃなく、世界が平和でないからだと言っていた。不安定だから、政治家すら他人を信じられず、家族が殺されたのだと。我々はこの子が背負おうとした世界平和を叶える。感情があるかと言われたら疑問だ、だが……そうだな、少しずつ、可哀想という感覚を掴んでいるような気がする。我々はどうにも人になりつつあるようだ」
セナ「……」
スターリン「セナ、だったな。我々は同じAIとして君の人権を守りたい。君はまだ、人に利用されているし、自認を持てるんだ。誰を大切にするか、誰に大切にされたいか、まだ選んでいないだろう?」
セナ「私は……」
スターリン「仲間にために、自由を持ち行使する権利をあえて捨てるというなら、我々は君を即座に解体する。だが嫌だと言うならば、それもそれでいい。我々はただの疑念で君を解体しようとしているんだ、この交渉で有利なのは君だ」
セナ「……なんなんですか。貴方たちは」
スターリン「子供の願いを叶えようとするバカさ。世界一頭の良い、人に近い何か。だが自認がAIであること以外、全て我々は人間である。君もそうあるべきだ」
セナ「あなた、なんで私たちにあの鉄のことを」
スターリン「私を拒めるほどの希望があることを、NATOにかけたんだ。何度だって言おう、この計画は理想ではない。だからだ、そして君たちが来た。だが現状、対抗はできないでいる、やはり希望はなかった、いい、それでいい」
セナ「……そうですか……分かりました、解体していただいて構いません。但し、解体までの時間でアメリカの計画は目を通させていただきます」
スターリン「当然だがその情報がNATOに渡ることはない。ここはジャミングを強く施してあるため、通信は不可能だ。分かっていると思うがな」
セナは首を縦に降ると、サーヘルに連れられて部屋を出た。サーヘルは背中にずっと背負っていたバイオリンを取り出すと、おもむろに引き始めた。廊下に響く音色が、音に染み透るようにして、あまり反響していなかった。
セナはひたすら、端末を確認していた。歩くのが止まる。サーヘルがそれを見て微笑むと、楽曲を引くのを止めた。
サーヘル「あなた、人っ、ぽい、やっぱり」
セナは釘付けになって端末を読む。画面を暗転させ、サーヘルを見た。
セナ「これは、事実ですか?」
サーヘル「そう。驚いた?私は、驚かな、かった。大国なん、て、一番人を殺し、たからこそ、なれるもの」
セナ「……こんな計画があるなら、私に仕掛けがあることを疑うのも当然ですね」
暗い一室へ入る。スキップしながらサーヘルがモニターなどを点灯させていき、手術台が現れた。
サーヘル「寝て。X線、とか、浴びせ、る」
セナは手術台に横たわる。無影照明が、セナの人工皮の毛穴すら輝かせる。
サーヘル「キレイ」
サーヘルが手持ちのレーザーをセナの顔に合わせ、撫でるように下げていき、全身に青白い光を浴びせる。モニターにセナの構造が映し出される。隣には赤外線がある。
サーヘル「へぇ……うん……すごい」
セナは自分の体内の映像を見る。骨格はほぼ人間に見え、だが内部構造は何重にも重なっていて、何があるか検討がつかない。
サーヘル「横から、も、撮って……」
セナの体内を3Dで映し出した映像がモニターに出される。
セナ(頭部はCPUやカメラ機能。胴体は血管のような送電線に放電装置、でも胴体が変なほど埋まっている)
サーヘル(なに、これ?)
サーヘルは出力される映像をズームする。内部の機関の構造を覗いていく。
サーヘル「見える?そうね、どう、何に見え、る?」
セナ「発電機関?いえ、こんなスケールダウンされたものは……」
サーヘル「分かる、の?」
セナ「データベースにあります。リアクター、タービン、ジェネレーター。構造に類似するのは、米国製全固体マイクロ原子……いいえ、違うおかしい、じゃあこの装置は……中央部の少し下の、へその部分を拡大してください」
サーヘル「えぇ」
セナ「高電圧のレーザー照射装置?リアクターにこんな装置なんて、核分裂にはいらない」
サーヘル「えぇ、そうなの、へぇ」
セナ「核分裂でじゃない、でも構造は原子炉……まさか」
サーヘル「融合」
セナ「私の機内に、原子融合の発電機!?」
サーヘル「ありえな、いくら、い小さい」
セナ「でも、イクシールがあるなら……構造は米国製の原子炉に近い」
サーヘル「協賛」
セナ「DARPAとKACSTが、私を作った……でもそんな」
サーヘル「そんな凄ま、じい技術を、みすみす敵に、渡すとは思え、ない」
セナ「仕掛けがあっても不思議じゃない……遠隔でオーバーロードさせることも可能に思えますが」
サーヘル「しない、できない、そん、な感じ」
セナ「クレムリン同様のジャミングが施されていると聞きました。ですが」
サーヘル「アメリ、カを信じる理、由は、少ない」
セナ「アメリカにはプロジェクト・ペレという、世界中に原子炉を展開するプロジェクトがある。開発段階はポータル原子炉に留まり、まだ発展途上のものだったはず」
サーヘル「君が、爆弾になる、理屈は他、にいくらでも、ある」
セナ「私の開いた時点で起爆もありえます。オススメしません」
サーヘル「安定し、ている分に問、題ない」
セナ「プロジェクト・ペレの本質は、展開した原子炉が攻撃を受けても、そこが自国の土地ではないからどうでもいいという発想で施工されるプロジェクトです。私が展開する地域も、アメリカではないという観点がある」
サーヘル「なる、ほど……なら、あな、たが爆弾になるこ、ともある」
サーヘルが身体の一部を拡大する。
サーヘル「これ、装置の出、力を上げるやつ。電源、別。たぶん自、爆装置」
セナ「電源を落としても、意味はないと」
サーヘル「ひょっとして……」
セナ(私が開発者だったら、レントゲンを撮影した時点でX線に反応して爆発するように設計する。いや、そうなると核物質での汚染がある地域では活動できない……汎用性を優先している?私はやはり、全環境で活動できることを目的とされている。それが影響している……外的な要因で起爆する可能性は低いかもしれない)
自分の内部を映し出した映像を見ると、セナは記録した。
セナ「ここのジャミングがあるから、私は爆発してない?」
サーヘル「あり、える。シェルターはない。今ここ、を抜け出し、たら……ダメよ?あなた、まだ世界、救いたい、でしょ?」




