梨食いねぇ
「梨は皮ごとに限るね」
丸齧りでお構いなしの光道。
初秋の黄金月が梨に見えてくる。欠けたることも梨と思えば。
「ワイルドだけど、やめ時が難しいわね」
果物ナイフの扱いはお手の物の沙羅。
「確かに、齧りだしたら全部食べないといけない!」
三重も梨どころである。
「だからホントは剝いたほうがいいのよ」
せめてカットだけでもすれば食べやすい。
「梨スイーツもあるけど、洋梨を載せてることが多いね」
和梨と言っても良いほど、洋梨の生産地が日本に移されてきた。
「そうなのよねえ。和梨はちょっと芯があるから」
試してみてもいいと思うが。
「梨ジュースなら和梨を使ってるよね」
ペットボトルの梨ジュースより、出来ればフレッシュジュースを飲みたい。
「禁断の味よね」
果糖ぶどう糖液糖以外で甘みをつけて欲しい。
「ガリガリくんの梨も人気だけど、夏になるとグミとかそんなのも出て来るよ」
最高の桃と梨を求めて、山梨へGO!
「あたしもガリガリ君大好き」
当たり棒は洗浄して乾かしてからでないと交換できないルールが出来た。駄菓子屋で食べた直後に交換する光景が見られなくなる。
「梨大福は行っとこうよ」
フルーツ大福が数年前からブームだが、美味いモノと美味いモノを合わせたら、もっと美味くなって当たり前といういちご大福理論がある。
「すでにやってるわ。梨は北伊勢の梨を使ってね」
どの程度入れるのかも重要だ。
「抜かりないね」
光道はすでに忘れているが、以前も同じことを沙羅に言っていて、看板娘が実行したまでである。
「ミッチー、まだまだ暑いわね~」
沙羅の母・穂希である。
「こんにちは~。わっ、それは!」
今の世代が友人の親をおばさん呼びすると、出入り禁止になる。なにか良い呼称は無いだろうか。
「お母さん、ありがとう~」
穂希は梨パフェと梨のショートケーキを人数分運んできた。穂希の元々の専門は、洋菓子である。
「プロミネンス禍はスイーツのお店もイートイン出来なかったわよね~」
沙羅はまだ穂希の味を越えることが出来ていない。
(あやうく虫なんか食べさせれられるところだったし、非道い時代だったよ)
虫食いねぇではシャレにならない。




