靴の丸鶏
「靴ってこんなに高かったっけ?」
足にフィットするスポーツブランド。光道も出来ればこれを履きたいのだが。
「モノがいいのは分かるんだけどねえ」
高校生の普段履きとしては、気軽にチョイス出来ない。
「あの名古屋発の靴専門店とか、ああいう形式の店が廃れたよね」
ルコックを試し履きする光道。
「大手の子会社になったみたいよ」
CMのお姉さんのシャウトが印象的だった。
光道は安売りの服が好きではなかったが、大して安くないぞと思い始めていた。
「校則で靴選びが制限される中、どんなのを買うかってのがセンスを問われるね」
高価なものを履いていったら盗難に遭うのがオチである。校則がやり玉にあげられるが、秩序のためにある程度の自由は制限されるものである。
「K-SWISSとかKaepaとか、中高でしかお目にかかれなかったりするわね」
大人が履くにしても、あまり売られているのを見なくなった。
「中学はともかく、高校になったらもっと派手派手のを履きたくなるよ」
制服には革靴が無難だが、高校生に買える価格帯でオシャレなものはとんと見当たらない。
「スニーカーってことね」
ウン十年前は派手な色を使っているだけでセンスを感じないものも見受けられたが、昨今ではそのあたりが研究され尽くしている。
「コンバースはまだ色々やれると思うんだよ」
ハイカットよりもローカット派の光道。
「コットン素材なのがいいわよね、コンバース」
春日野さくらも赤いコンバースを履いている。
「そうそう、夏場裸足で履くのが気持ちいいんだよ」
ローカットなら脱ぎ履きしやすい。
「洗濯も楽よね」
汚くなってきただけで捨てられる可哀想な靴もある。
「僕はインフルエンサーたちのそういうとこを見たいかな。買った物をちゃんと大事にしてるかとか」
金に物を言わせて商品紹介をするスタイルは多いが、そうして集めた物がその後どういう扱いを受けているのか。袖も通さず捨てられていやしないか。
「食べ物を大量廃棄したり、ペットを飼うだけ飼って虐待するような悪魔には毒饅頭を食らわせてやりたいわ」




