麦わら一味
「そのコーディネートは無いでしょう」
沙羅にファッションチェックを受ける光道。
「やっぱ派手かなあ?」
インディゴブルーのジーンズは良いが、赤シャツが絶望的に浮いている。
「赤はよっぽどのオシャレ上級者じゃないと、着こなせないわ」
沙羅はこういうが、篁学園のブレザーは臙脂色である。
「おまけになんなのよ、その麦わら帽は!」
光道がありったけの夢をかき集めるのは、今に始まったことではない。
「どっちかっていうと、釣りキチ三平リスペクトなんだよ」
それなら赤のロンTに白シャツのレイヤードのほうが相応しかろう。
「ま、分からないでもないわ。あたしも日傘より帽子派だもの」
傘の不自由さは、ながら作業が発生した時に明らかになる。
「三度笠もいいんだけど、さすがに時代に応じてカスタマイズが必要かな」
つばの広い帽子は世界中にたくさんある。こういう多様性なら歓迎だ。平治煎餅もお忘れなく。
「夏だし麦わら帽が無難といえば無難ね」
夏は麦わら帽で冒険、冬はウシャンカで防寒だ。
「果琳のフルーツジュースがサマーになるよ」
ストローハットをかぶってね。
「話が飛ぶわね。あれはイオンが出来るまでみんなが待ち望んでいたものよね」
ふたりとも果物好きである。人間だもの。
「フルーツサンドも海外で脚光を浴びだしたよ」
フルーツバスケットを持って出掛けよう。
「和菓子にも昔からあるんだけど、ここ数年フルーツを積極的に取り入れるのがトレンドね」
鳥取には梨の和菓子がある。
「その内、柿の出番だね」
星の形にして遊んだり。
「でもね、フルーツは洋菓子のほうに軍配が上がるかな。あたしもケーキに目が無いし」
ケーキを嫌いな人がいて?
「夏バテに甘い物が効果的なんて論文が出たらなあ」
塩やカレーのほうが効きそうだ。
「やっぱりスパイス系じゃない?」
「僕は七味より一味派だね」




