バブソング探して
光道は、篁学園創立者の曾孫である。現在は、祖父が理事長を務めている。
「沙羅、部活終わり何時だっけ?」
沙羅は体操部に所属している。光道はひとつに絞れないので、無所属だ。ただ、運動部から応援を頼まれることはよくある。
「6時くらいかな。汗びっしょりになるから、お風呂に入っていくわ」
篁学園はシャワーだけでなく、和風呂も設置されている。といっても、一坪ていどのサイズだが。4人くらいなら同時に入れる。
「それがいいよ」
付き合っている訳でもないのに、一緒に帰る約束をする光沙羅コンビ。
「旅館みたいでお気に入りなのよね~」
夏合宿の時も、寝泊まり出来る設備は調っている。篁家の苦労の賜である。
「バブも入れれるからいいよね」
一回につき、3個までである。
「夏用のバブもあるものね」
学校で入浴してその日は家で入らない生徒もいるが、沙羅には考えられなかった。風呂キャンセル界隈などもっと信じられない。
「そうそう。ちゃんと濁るしさ」
肌荒れ体質には向いていないが、入浴剤に凝るのもいいものだ。
菖蒲湯や柚子湯が有名だが、枇杷の葉、柿の葉、イチジクなども健康効果がある。
「篁学園の周りは自然がいっぱいだから、温泉気分だわ」
猿が浸かることも?
「湯の山温泉ほどじゃないけどね」
松の葉を湯に浮かべる文化もある。
「湯上がりに水羊羹でもどう?」
あかぼし製菓の商品は、篁学園の購買でも買える。
「気が利くわね」
自社商品でも飽きが来ない。
「じゃ、僕も一汗かいてくるよ」
篁学園への途上には、急坂がある。そこでよく光道はダッシュしている。
あっという間に見えなくなった。
「あんなに足速いんだから、サッカーか野球をやればいいのに」




