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星を掴む少年  作者: 三重野 創


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めんどくさがり日本代表

「あんたってそういうとこあるのよ」

 沙羅に頼まれた用事を後回しにして、すっかり忘れていた光道。


「ごめんごめん、すぐメモでもすれば良かったんだけど」

 光道は多動なので、すぐにやらなければ別作業で抜け落ちてしまう。

 ナゴヤドームの中日×巨人戦を観るために、チケットを取る役目を任されていた。


「しょうがないわね。次のカードの時にしましょう」

 光道があまりにもドラ吉なので、沙羅もファンになった経緯がある。何をしでかすか分からない光道は、ワイルドカードだ。


「今回はテレビ観戦だね」

 光道はガッツナイターを聴くのも好きだ。同じ試合でもテレビは観客の声を絞っているように感じていた。ラジオはファンの大声援と迫力が、ひしひしと伝わってくる。


「光道もね~。コツコツと続ければモノになりそうなんだけど」

 いかんせん、飽きっぽい光道。おまけにめんどくさがりである。


「沙羅はひとつのことに熱中するもんね」

 いい意味で尻が重い。


「光道はやるのは早いのよ。あれもしたいこれもしたいヒロトさん状態なのよね」

 風呂に入るのが面倒くさいとか、部屋を片付けられないとか、そういった症状はまったく無い。


「もっとしたい、もっともっとしたい!ってね」

 光道には夢がある。とても両手では抱えきれない。


「目を見てれば分かるわ。色んなとこキョロキョロ見てるもの」

 一歩間違えば、挙動不審である。


「それ、沙羅が動画撮ってくれた時に初めて気付いたよ」

 口もよく動く。


「でもね。光道はそれでいいんじゃないかな。物事を満遍なく経験したいのよ。それがどういう順序を辿るのかっていう違いなだけでね」

 例えばテキストというのは、制作者が考える好ましい順番に綴られているだけで、読み手が頭に入りやすい順序かと言えばそうでもなかったりする。光道はこうした馬鹿正直に1ページ目から進めるのが、まどろっこしくてめんどくさくなった口である。ストーリーを追うものはそういう訳にはいかないが、個々が独立している単元なら、好きなところから始めれば良い。


「そこまで考えてなかったなあ。たださ、ランダム再生が好きなのは間違いないよ」

 法則性のないアプローチが、なぜか奇妙な一致を見せることになる。


 光道はパズルも好きだ。正攻法では解けないことが多い。昨今の世界情勢にも、こうした不思議遊戯から自分なりの解答を導き出していた。


(非道い世界の中にも、ちゃんと生き残る道が残されているんだな・・・)












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