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星を掴む少年  作者: 三重野 創


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焼きラーメンを、あきらーめん

「ウチの食堂って充実してるわ~」 

 篁学園が学食に力を入れているのは、成長期の躰に潤沢な材料を提供するためである。


「僕もメニュー会議に出ることがあるよ」

 その会議にも料理が出る。


「あんたの息が掛かってるのは、メニュー一覧を見たらすぐ分かるわ」

 光道の好きな料理は、沙羅も大概好みである。


「街の洋食屋さんがだんだん少なくなってることに危機感を覚えてさ。その辺のメニューも取り入れてもらってるよ」

 ラーメン店はほっといても増えるが、確かに洋食店は貴重である。


「そうなのよ。オーソドックスなオムライスが食べたいって時があるのよね~」

 沙羅は載せるだけの卵より、ちゃんと包んで巻いて欲しい派だ。


「洋食屋さんって言ってるけど、カツ丼もあったり炒飯も食べれたり、うどんも用意してたりするから、仕事量が凄まじいよ」

 昭和テイストの洋食店店主は、みんなミスター味っ子に引けを取らない。


「総合料理店の趣きよね。どことなく大昔のドライブインの香りがするわ」

 沙羅が現代的なフードコートを避けてしまうのは、客席が落ち着いて食べれる設えでないためである。


「昔ながらの店は視線も遮れるように座席がちゃんと考えられてたよね。腹が膨れりゃそれでいいなんてのは、礼儀の軽視にも繋がるんじゃないかな」

 何番テーブルというラベリングが配膳ミスに繋がるので、色分けテーブルをレストランに提唱したこともある光道。


「言葉以外で礼を示す方法もあるものね」

 やたらめったら口だけで説得しても、上手くいかない。多くの無言の行動が、調和を齎す。光道は大きく二度頷いた。


「焼きそば・焼きうどんは前から篁食堂にもあるんだけど、焼きラーメンを採用することになったんだよ」

 試作品が目の前にある。


「へ~。つけ麺はわりかし普及したけど、焼きラーメンはまだこれからって感じね」

 ラーメンは好きだが、つけ麺は食べないという人もいる。


「ラーメンの汁問題ってあるじゃん? 健康のために残す人がいるけど、コンビニでカップラーメンを作った時にまあまあ悩まされるんだよ」

 ちゃんと汁の処理をしていればいいが。


「捨てれない場合は飲むしかないものね」

 シンクにそのまま捨てると、排水管は確実にダメージを積み重ねていく。何倍にも水で薄めている人も多いと思うが、残り汁を沸騰させた後、片栗粉で固める方法もある。


「焼きラーメンはこの問題をクリア出来るんだ。それとさ、物によってはラーメンの味を超える瞬間があるんだよ」

 チャーシューやネギ、たまごも載せられる。


「初めて食べるけど、美味しいわ!」

 沙羅が美味いといった料理は、必ずヒットする。


「ラーメンは種類が豊富だから、焼きラーメンも伸びしろしかないよ」

 伸びてはいけないのだが。


「コンビニの麺類って言ったらパスタが優勢だけど、男性陣が望んでるのはこっちでしょうね」

「アラブのお国にも、焼きラーメンは受けると思うよ。なんなら、ひとっ飛びしてくるよ」

 ラーメン・つけメン・僕イエメン。 








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