A4を3分で!
「もう喋る内容考えた?」
学園内で、少年の主張・少女の主張コンクールがある。先んじて、クラス内での発表が行われる。
「テーマはフリーだったね」
自由なようでいて、そのほうがやりにくいという生徒もいる。
「肩肘を張らずに、気軽な話でOKってことらしいけど」
沙羅は話すのも好きだし、聞くのも好きである。
「この前さ、政治家さんがテレビで持論を述べてたんだけど、持ち時間を大幅に超えちゃったんだよ。話の内容も大事だけど、こう、決められた枠の中で上手くまとめる力ってすごく大事だと思うな」
自分のチャンネルならともかく、制限時間があるし、出演者はあなただけでは無いのだ。
「これ、ホントにそう。アナウンサーさんは、何分って枠と話す文字量との対応が、的確なのよ」
そのあたりのトレーニングがまったくされてない方も見受けられるが。
「1分間に話すスピードの目安は、300文字が理想って言われてるね」
原稿用紙一枚分を1分でこなそうとすると、早口になるか。
「A4を10.5ptで書くと1440文字だったわね」
沙羅は隠し事でもしてるのだろうか。
「まともに行くと5分掛かっちゃうけど、改行や余白も残したとして、3分でまとめられるといいんじゃないかな」
ptを0.5大きくするだけで、大胆なページの使い方になる。フォントでも差が出る。光道と沙羅はググって調べているのではなく、文書作成ソフトで実際に書いて見ているので、この辺の数字に明るい。
クラス全員が発表するのに、3コマ分は見ておいたほうがいいだろう。
「時間オーバーする人を見てると、そういう計画性も無しにダラダラ喋ってる印象を受けるわ」
雑談はこの限りでは無い。
「テーマは自由だけど、発表する体だから、フリートークって訳ではないもんね」
三重野作品はひとつのエピソードが、だいたい原稿用紙2枚分である。
「こういう癖付けって、時間と空間の使い方が上手くなる気がするわ」
A4の紙1枚目にびっしりと書かれ、2枚目に署名と連絡先だけがはみ出ていたりすると、もったいなく感じる。
「全体の持ち時間から、これぐらいのことは出来るって見定めだね」
講釈を垂れているが。
「ただ、あんたも人のこと言えないわよ。ひとつやると次から次へとやりたいことが沸き起こって、アップアップになってるもの」
「ゲームも強制終了する仕組みが必要かも!」
プツン・・・・




