ピノピアノ
「冬こそアイスを食べたくなるんだ」
夏でも存分に食べている光道。
「こたつでアイスは背徳の味だわ」
篁学園は中高一貫だが、勉強に身が入っていないと、制裁を科される。進級前、沙羅と光道は仲良くこたつで勉強していた。
二人が青リンゴアイスをほおばる。
「和菓子で作ってもいいんだけどね」
アイス最中は北伊勢の名物だ。
「あかぼしは手広いなあ」
洋菓子のご用意がある。
「赤福氷もあるんだから、考える余地はたくさんあるわ」
県下のトップランナーに負けん気を見せる看板娘。ケンカは良くない。
「安永餅でもへんば餅でも出来そうだよね」
和パフェという先駆者がいる。
「まあね。雪見だいふくみたいにするのもアリだわ」
赤福の中身がバニラでもいいだろう。
「作者が軽い気持ちで書いた雪見コーヒーが、じわじわ浸透してるみたいだよ」
雪見ぜんざいも是非試してくれたまえ。
「コーヒーアイスも汎用性が高いわ」
雪見だいふくもそうだが、平成をなんなく通過した昭和からのベストセラーは、そら恐ろしいモノがある。
「コーラセマンは一向に復帰する気配がないよ」
「パティーナみたいなスティックアイスで、コーヒー味があったような気がするけど」
これが意外と無い。
「ピノでもたまに出るけど、期間限定なんだ」
食べると足が速くなる?
「ピノはバニラチョコで確固たる地位を築いてるわね」
「一気に食べなくて良いのも、人気の秘訣だと思うよ」
一気に食べるんですけどね。
「形を色々変えて出すのもアリね。あたしも自作しようかしら」
お茶の子さいさいだろう。
「ちょっと考えたんだけど、ピノピアノってのはどう?」
語感は良い。ハロプロファンならマノピアノを知っているが、真野恵里菜と上白石萌歌は似すぎだ。
「あ~、白鍵をバニラで黒鍵をチョコにするってこと?」
以心伝心、味ごころ。
「うん。ま、1オクターブ分くらいが手頃かな」
高いドは除く。
「白鍵が7で、黒鍵が5ね」
「そうだね」
光道が絵描き道具を取り出す。ドとド#。レとミとレ#。ファとファ#。ソとソ#。ラとシとシ♭。この5ピースを封入させる。
「黒鍵のところなら、摘まみやすいわね」
ピース同士がくっつくおそれがあるので、仕切りは必要だろう。
「ピックで刺してもいいんだけど、この形を活かしたいよ」
「パッケージも鍵盤図になりそうだわ」
他の楽器でアイスにしやすいものもありそうだ。
「他にはカップアイスでドラム型を考えてるよ」
どら息子とは言わせない。




