とんとん相撲
「待ち時間って退屈よね~」
スマホの登場で、昔に比べて待つのは苦にならなくなったはずだ。
「スマホ見てれば時間は潰せるけど、個々が違うコトしてるってなんだかね」
やや熱っぽいので、漢方薬局で調合してもらっている。
「体育館の集会とか、親指上げる遊びよくやったわ」
このゲームの名称は、全国バラバラである。
「グリンピースもやったなあ」
ネットではグリン・チョリン・パリンが多勢だが、篁学園周辺では違う掛け声である。検索すると、なぜかCreepy nuts がヒットする。
「見てよ、あそこ」
フリースペースに遊び道具が転がっている。
「アレは小さい子供が遊ぶとこだよ」
「いいじゃない、この際」
沙羅の子供は間違いなく活発になるだろう。
「うわ、こんなの僕も欲しいよ」
最新式の玩具が取り揃えられている。非電源式のパズルゲーだ。
「古いのもあるわよ」
とんとん相撲である。
「薬局の人の自作っぽいね」
九州場所の真っ最中だ。
「かれこれ50年前にブームになったらしいわ」
ドラえもんにも登場した。
「力士も色んなタイプがいるよ」
こういう小物の陳列から、その店の人となりがあらわれたりするものだ。
「取組しましょう」
沙羅は金髪の大型力士を手に取った。
「僕はこのウルフを、と」
厚紙なのに、肉体美が表現されている。
右手を上げ左手を下げて作ると、がっぷり四つに組めるようになる。
《のこった!》
十六連射の光道とピアニストの沙羅との対決は、優勝決定戦くらいに盛り上がった。
《浴びせ倒し~》
「負けたわ~」
プロポーズは、住もう?
「紙細工の半分半分を変えたのもあったけど、いまさっき別のを見つけたんだよ」
あしゅら男爵が好きなのはよく分かったが、登場しすぎである。光道が力士を土俵に立たせた。
「味噌カツが食べたくなるわね」
豚が横綱を締めている。
「とんとん相撲だからね」
名古屋場所は土俵でなく、コメ兵か。




