4.メイドが家にやってきた
契約から数日が経ち今日はメイドが来る日だ。
祐一の住居兼工房は街のメイン通りから少し離れた所にある。
前世の感覚では3LDKの二階建てで一階が工房、二階が住居となっている。
一人で暮らすには広いが一戸建てで二階は祐一のちょっとだけ贅沢である。
呼び鈴が鳴る。
「本日より住み込みメイドのティオと申します」
「ティオさんだね、僕は折下祐一。よろしく頼むよ」
んー、予想通りに不愛想だ。
身なりは普通、エルフっていう割には耳はそんなに長くないな。
まあ、いいさ。
「早速だけど、先ずは情報の共有と確認。契約内容と齟齬があれば言ってね」
そういって魔道具を出す。
もちろん自分には使えないけど。
これもだいぶ儲けさせてもらった情報魔道具。
魔力を持つものが触ると様々な情報が魔道具を通じて本人に伝わるという物。
冒険組合では討伐クエストの情報を入れて冒険者に渡したり、商業組合では契約確認等に使われている。
魔力が無いと全く使い物にならないのがネックだがこういった物すらこの世界にはなかった。
情報魔道具には、「依頼内容」「工房兼住居の間取り」「ティオの部屋」「食事の時間」「家事の内容」「報酬の受け渡し方法」
とにかく必要な情報が詰め込まれていた。
「確認しました、問題ありません。契約を締結します、ご主人様」
うーん予想の通り愛嬌はないが初日だし、緊張しているのかもしれない。
少しずつ慣れてくれればよい。
ティオがやってきて3週間が経過した。
メイドとしての仕事に何の問題もなかった。
相変わらず愛嬌?愛想はないけど。
でも、決してロボットではない。
古くなった調理魔道具の新調を提案したり、今日は寒いと感じていたら夕食にシチューが出たり。
メイドとしてのマニュアル対応かもしれないが、いい契約が出来たと満足していた。
「あのー、ティオ」
「なんでしょう、ご主人様」
「うちで働いてくれて有難う、毎日助かっているよ、これからもよろしく頼むよ」
「!」
「・・・はい。」
んっ、少し表情が柔らかく見えたけど気のせいかな。
だよね、こんなベタ展開があるわけ無いよね。




