27.知識を深めたかった
「祐一様、仕事は終わったのでは無いのですか?」
いつもならくつろぐテーブルで祐一は勉強していた。
「今、この世界の歴史について学んでいる」
「前に大人買いされた本ですか?」
「うん、向学の為にね」
「前世で魔法は空想だったからね、その魔法の歴史は気になるよ」
「祐一様、逆に私は魔法が無い世界で良く生活出来たと感心ですよ」
ティオが飲み物を持ってきながら問いかけてきた。
「この街にも俺みたいに魔法が使えない者が居るだろ」
「不自由は有るだろうけどなんとかやっている」
この街を例に挙げてティオに説明していく。
「しかし、色々と本を読んだけどやっぱり分からないな」
魔法。
体内から発生するという事は前世でいう「気」みたいなものなのか。
魔法を使える、使えない。遺伝的なものか、ある日突然使えるものなのか。
電気と同じく目では見れない。
当たり前に定着しすぎてあんまり研究されていないのが実態かな。
今日はこのぐらいにしておこう。
次に手に取ったのは宇宙の本だった。
祐一の生活が安定した後、親友の博一とも話した内容だ。
「この世界に隕石が来たらどうするか」
この世界には魔法の技術がある、前世の記憶と整魔士としての能力を発揮すればどうか?
祐一と博一は来てほしくない隕石落下について一つの対策を講じた。
祐一は落下する隕石に対処する方法を探す。
博一は落下する隕石を探すシステムを構築すると。
この世界で宇宙の認識はあるが危機管理の面では遅れている。
膨大な質量の隕石が落下すれば、この世界は間違いなく滅ぶ。
幸い、現在の所は大丈夫だが未来は分からない。
祐一も博一も守るべき存在が有る。
出来る事はしたい。
「ティオ、すまないコーヒーをもう一杯頼む」
「はい、あまり根を詰めないでくださいね」
それから数時間、宇宙について学んだが大した収穫は無かった。
「やっぱり、魔法の力で壊す方法が無難かなぁ」
「まぁ、ティオの言う通り根を詰めてもしょうがない」
本を閉じて片付けに入る。
「あの、祐一様」
「ティオ、どうしたの?」
「私だけでなく、この世界の事まで考えてくれて素敵だと思います」
ああそうか。
ティオだけでなくこの世界が守りたいと思えるぐらい好きになっていたのか。
「まあ、世界を救うとか柄ではないが・・・」




