21.異世界のおもちゃを作ってみたかった
「ティオ、ちょっといいかな」
「はい、ご主人様」
「仕事で子供向けのおもちゃを作ってみたんだけど試して貰いたい」
「分かりました、何をすればいいんですか?」
身構えるティオに対してテーブルの上に魔道具を置いた。
それは祐一が前世で子供の頃に何度も遊んだ「黒ひげ危機一髪」に似ていた。
おもちゃの剣の差し込む所はボタン式になっており、飛び出す黒ひげ海賊の部分は魔法の疑似花火が出るようになっている。
「えいっ」
『ホワワーン』
「わぁ、お花の花火ですね。こっちは・・・」
『ホワワーン』
「こっちは動物ですか」
そう、このおもちゃには外れが無い。
ランダムに疑似映像の花火が見れる仕組みだ。
もちろん、火事の心配等の安全性もバッチリだ。
ティオの反応だとこれは成功だな。
「ちなみにご主人様、異世界ではどんなおもちゃだったんですか?」
「さすがティオ、見透かされていたか」
「懐かしくて似たような物を試作したけど試してみる?」
「はい」
ティオに本家の「黒ひげ一発もどき」の扱い方を教える。
あんまり驚かせてもいけないので最後はどうなるかも教えておく。
興味本位で飛び出し口付近に顔を近づけて怪我をした悲しい人を知っているからだ。
「では、いきます」
ティオがおもちゃの剣を刺していく。
数本刺した所で。
「ビヨヨヨヨン!」
勢いよく黒ひげ海賊のおもちゃが飛び出してきた。
「ご主人様、今度は交互にやりましょう」
「いいよ、楽しもう」
しばらくティオと前世版の黒ひげ危機一髪もどきを楽しんだ。
「ご主人様、一つよろしいですか?」
「ご主人様は何故わざわざ魔道具のおもちゃにこだわるのですか?」
「このままでも十分楽しいおもちゃだと思いますが・・・」
言われて気が付いた。
稼ぐだけなら魔道具にこだわる必要はないと。
「それはね、自己満足だけどワクワク感かな」
「折角魔法のある世界なんだから色々と試したいというか」
「いい年になっても遊び心、探求心、子供なんだろうね」
「ご主人様、その考えは素敵と思いますよ」
仕事も遊びも愉しむ。
ティオに共感されてうれしい祐一であった。




