20.アロマテラピーをしてみたかった
この世界にも「香浴」と呼ばれるアロマテラピーに似たの文化があった。
アロマテラピー自体は前世で興味はあったが沐浴を少しかじった程度だった。
集中力を高めたり、リラックスしたりと用途はほとんど同じだ。
但しここは異世界。
アロマテラピーに使う植物の葉や花、製法は祐一が知っている情報と違う。
植物の葉や花の種類や名前が違うのは当然だが中には茎や根の部分を使う物もあるらしい。
製法も前世の記憶でかすかに覚えている「水蒸気蒸留法」「圧搾法」などは無い。
作り方は至って単純、そう魔道具である。
毎回の語りになるが、前世の記憶を応用して画期的な魔道具を作ったこともあった。
今回は使う側になるわけだが。
毎度恒例のプロンテラ商会より以前購入した道具一式。
「仕事明けだし、疲れが取れてリラックスしたいな」
魔道具を操作して希望を入力していく。
材料はあらかじめ魔道具に一定量が入っており好みに合わせて調合してくれる仕組みとなっている。
「ご主人様、これはラベンの香りに近いですね」
ティーセット一式をもってティオがやってきた。
「流石だね、ティオも一緒に休憩しよう」
「はい、ご主人様」
「ご主人様の住んでいた世界でも香浴はあったんでしょうか?」
正体をティオに打ち明けてからティオからすれば異世界に興味を持ったようだ。
もちろん二人の秘密なので口外しないように釘は刺してある。
「ティオも香りを変えて良いよ」
「そうですねー。ではこの おまかせ にしましょう」
魔道具からちょっと甘い匂いが漂ってくる。
ん?甘い匂い・・・
「!」
直ぐに魔道具を停止させて換気をした。
「ご主人様、どうされました?」
「えーと、この香りは媚薬というか惚れ薬のような・・・」
「!!」
ティオの耳が赤い気がするが気のせいだよね。
しかし、この魔道具の「おまかせ」ってどういう・・・あっ。
そこで祐一は思い出してしまった。
魔道具が現在の状況を分析して最適の香りを提供するプログラムを作成した魔整士の事を。
「ぐぬぬ」




