19.大人買いをしてみたかった
「ご主人様、プロンテラ商店よりお荷物が届きました」
「有難う、梱包を解くのでそこに置いてもらえるかな」
「ご主人様。いつものセリフは無いのですか?」
ティオがいつもと違うので聞いてきた。
「そうだね、今から梱包を解くから見れば分かるよ」
そういって中から出てきたのは本。本。本。
「何かの魔導書とか仕事用の本ですか」
「それもいくつかあるけど普通に読んでみたい本かな」
百冊は超える本の中には歴史本、生活本、料理本など多種多様だった。
中には百科事典ぐらいの厚みの本もあった。
「これが 大人買い というちょっとした贅沢だよ」
「大人買い?」
「これを見てみて」
そう言ってティオに整魔士の本を見せる。
整魔士の歴史①~⑩
整魔士入門 初級編 中級編 上級編
整魔士の仕事 上巻 下巻
「きれいに揃っていますね。全部読まれるのですか?」
ティオが感心したように頷く。
「読むつもりだけど、徐々にかな。今日はこうやって手元に集める事が目的というかちょっとした贅沢だからね」
「なるほど、そういう愉しみもあるんですね」
「いろんな本を揃えたからティオも好きに見ていいからね」
「ご主人様、お勧めの本は有りますか?」
ティオが期待している?眼差しで祐一に問いかけた。
「そうだなー、これとかは」
手には『出来る!愛想ある振舞い方』の本があるがこれを渡すときっと物理か魔法攻撃の予感がする。
それに本人が傷ついてもいけないしな。
それに愛想が無い所がティオの個性と最近は思っている。
無難に料理の本や日用本あたりを探す祐一に一冊の本が目に留まった。
旅行の本か。
俺はまだ行っていない所もあるし、ティオと二人で行くのも悪くないな。
「今度一緒に行くので行きたいところ探しておいてね」
そう言ってティオに渡した。
「ご主人様、ちょっとだけ贅沢な旅でいいんですよね?」
「分かってきたじゃないか」
思わずニヤリとしてしまった。




