13.閑話 この世界について
ある休日の午後。
ソファーでくつろぐ祐一はこの世界について考えてみた。
「つくづくアニメか漫画の設定だよな」
剣や魔法があって街もいくつもある。
人間やエルフをはじめ、様々な種族が暮らしている。
魔法で空を飛ぶ事も出来るが、鉄道も通っている。
次にこの世界に無いものを考えてみた。
まず、魔王が居ない事だ。
当然魔物やモンスターの類も居ない。
冒険者組合といっても実際は何でも屋だ。
観光案内に家の修繕工事から公共事業みたいなものも請け負っている。
遺跡の探検や希少物の採集あたりが唯一冒険者っぽいぐらいか。
そして誰もが一度は夢見る魔法だが実際の使われ方は
「燃料」「電池」「エネルギー」あたりの表現が近い。
魔王やモンスターが居ない時点で攻撃魔法ははっきりいって需要がない。
一部の機関や魔法の深淵を覗きたい者が研究しているぐらいだ。
治療魔法にしても結局は整魔士が作った治療用の媒体を使うので結局は同じだ。
化石燃料や電気といったものがこの世界には無い為、魔法が置き換わっている。
鉄道、船舶、飛行に類似る物の動力がすべて魔法だ。
魔道具を使うに当たっては魔法を使える者が直接操作する事が最も効率が良い。
転移魔道具などは消費する魔法量があまりに多い。
同じ場所に転移する場合でも、使い切りの転移魔道具より魔法を使える者が操作して転移した方が魔法の消費量は少ない。
そして消費量が少ないという事はコスト、つまり安いという事だ。
そこで、転移を生業とする職が生まれる。
なので魔法が使える者は自分に見合った職業を選べるという事だ。
「運転手」「宅配」「発電」「研究」「清掃」「病院」
魔法が使えない者はどうだろう。
結論から言えばうまくやっている。
共存という言い方がしっくり来るだろうか。
各協会で職員として働いたり魔整士になったり。
学校の先生や料理人になる者もいる。
コーヒーの香り。
ティオが来たようだ。
「今日はここまでにしよう」




