12.親友と親睦を深めたかった
街の喫茶店で祐一はある人物を待っていた。
とある事情の為、ティオには仕事で整魔協会に行くという事にしている。
「おまたせ、祐一」
「相変わらず、待ち合わせの時間の5分前到着だな」
振り向くと黒髪にスーツ姿のビジネスマンが立っていた。
「まぁ言うなって。前世からの呪いと思ってくれ」
そう、この人物こそ祐一の親友。そして同じ転生者だ。
藤田 博一 39歳
彼との出会いは転生して整魔協会で働くある日の事だった。
整魔協会で打ち合わせが終了し帰ろうとした際に彼に呼び止められた。
「同じ転生者ですか?しかも日本人ですよね」
「あなたもですか?」
もう使うことが無いと思っていた日本語を聞く、そして話せる。
そこからはお約束だが、情報の共有と今後の生き方について。
そしてお互いの生活が安定した今は、親友となっている。
彼も祐一と同じく前世の記憶しか引き継がれていなかった。
彼は整魔協会の職員として、祐一と同じように前世の記憶を使いそこそこの地位を確立した。
祐一の事は納品されたプログラムから前世の転生者と思ったとの事だった。
現在、祐一が仕事で納品しているプログラムもすべて博一を通している。
博一の方でうまく納品者の誰なのか分からないようにしてもらっている。
あまり目立ち過ぎると色々と面倒だから祐一にとってもありがたかった。
その代わり、利益の一部も博一に流れているがここは安全マージンだろう。
ちなみに博一はこちらの世界で結婚をして既に2人の子供が居る。
完全にこちらの世界に溶け込んでいるし、人生を満喫している。
で、話は現代に戻る。
「この間納品分も結構収益でたぞ」
「あーあれか、博一なら元ネタ分かるでしょ」
「それもそうだな、聞くだけ野暮だったな」
定期での近況報告と雑談がメインだがお互いにとっては大切な時間だ。
それから小一時間ぐらい話し合い、今日の定例会が終了した。
「「であ、また」」
整魔協会に戻る博一を見送り、祐一も帰宅する。
「親友・・・どの世界でも良いものだな」




