11.最高の夢をみてみたかった
「遂にこの日が来たか!」
定着しつつあるセリフを発しながら祐一がある魔道具を出した。
なんとこの魔道具は最高の夢を見せてくれるらしい。
説明書によると使用者の願望を満たしてくれる夢を見られるとなっている。
「豪遊生活?国王とか英雄になる?んーなんだろう」
イマイチ予想がつかないが、まあやってみるか。
「ティオも使ってみる?」
「ご主人様、また2つ買ったとかですか?」
「いあー、今回はレンタルなので金額は一緒だよ」
「そうですか、ではお言葉に甘えて」
あれっ、今日のティオはあっさり受け入れたな。
なんかウキウキな気がするけど。
良い事でもあったのかな?
ソファーに座り、テーブルの魔道具に2人で手を添えると淡い青い光が包み込んだ。
「・・・」
「・・・」
気が付くと祐一は自宅のソファーでくつろいでいた。
ティオがコーヒーを持ってくる。
先日購入したマグカップを使ってくれている。
「今回の仕事は早く片付いたからしばらくはゆっくりできるよ」
「それではまたいつものセリフが出るのですか?」
ティオはコーヒーを祐一に渡し、半分期待、半分諦めの様な声をかける。
「そうだね、次は・・・」
ティオとの何気ない会話が続いた所で、ゆっくりと視界がフェードアウトしていった。
最後にティオの声がかすかに聞こえた気がした。
「・・・」
「・・」
視界がはっきりしていく、今のが夢だったのか?
想像していたイメージと違っていた。
これでは日常と変わらないではないか。
そこれで祐一は気が付いた。
「そうか、この日常が望んだ願望という訳か」
だとしたらこの魔道具は必要ないな。
レンタル期間はティオにでも使ってもらうかな。
そういえばティオは?
隣に目を向けるとちょうど夢から覚めたようだ。
「・・・!」
「ティオ、どうだった?実は俺の方は・・・」
「えええ、ユウイチ様・・・あっ、ご主人様、失礼しました。ちょっと用事があるので部屋に戻ります」
慌てた様子で部屋に戻っていた。
「あっそうだよね」
人の夢を詮索するのは野暮ってものだよね。
後で謝っておこう。
それにしても「ユウイチ様・・・初めて呼ばれたな気が・・・」
ティオSide
「はあ、咄嗟の事で慌てました」
「あの魔道具は危険すぎます」
夢の内容を思い出すだけで自然と顔が赤くなる。
「でも、現実になってもいいかも」
小さい声で呟くティオだった。
※ティオの見た夢はご想像にお任せします。




