10.街で買い物をしてみたくなった
先日ティオに身の回りの食器とかテーブルクロスとかの新調の提案を受けた。
前世ではなく、この世界に来てから贅沢をしてみたいと思った事に繋がった。
「ご主人様、お出かけですか?」
「ああ、街に買い物に行くのでティオも付いてきてくれるかな」
「はい、何を買われるのですか?」
「ああ、前に言われた食器とか日用品とかだよ」
「それでしたら、私に言って頂ければ魔道具を使って直ぐに・・・」
「いあー、天気もいいし折角なので見て買おうかなと」
仕事も今日は入れていないし、気分転換になるだろう。
魔道具は便利だけど、基本的に「最適」を求めるようにプログラミングされたものが殆どだ。
ふらーっと立ち寄った店で気に入るものがあればそれは絵になる。
「ご主人様、支度しますので、少々お待ち下さい」
普段の買い物はティオに任せてあるので、街の事にティオは詳しい。
流石に高価な転移魔道具を普段の買い物に使うのはもったいない。
祐一の「エリクサー症候群」は完治していない。
手際良くティオが身の回りの食器などを購入していく。
どれも祐一の好みの柄だったり色だったりする。
ただ、どれも庶民レベルで祐一は考えた。
「ティオ、この店に行ってみないか?」
「えっ、ここは高級で知られる食器の専門店ですよ?」
「うん、仕事でも名前ぐらいは聞いたこと有る」
前世でいう所のブランド品のイメージだ。
まあ、予算もあるし此処ぐらいは背伸びしても良いだろう。
店内にて
「イメージしていた店と違ったなぁ」
そりゃ、そうですよね。
高級店ですから食器もオーダーメイドが多い訳ですよね。
「展示品は少なく、商談スペースらしき場所が多く取られていた。
オーダーメイドする手もあったが、今日の趣旨から違う気がして店から出た。
店を出て大体の用事は終わり帰ろうと思った時、ふとある店のディスプレイが目に入った。
「これだ!」
祐一が品定めした物はコーヒーカップというよりはマグカップに近かった。
特に目立った装飾はないが、自分向きの柄と色だった。
値段も普通よりはちょっと高いけど問題無い。
「すいません、あのディスプレイのカップ買います。2つ!」
「えっ」
隣のティオが小さく声を漏らす。
もちろん自分向きという事もあったが2つ並んでディスプレイされていたのだ。
ティオと一緒にコーヒーでも今度飲もう。
ティオには「2つ買ったら割引」「一つは予備」まぁ、適当に理由を考えよう。
ティオSide
「今日のご主人様はイキイキしていました」
「人生を愉しむってこういうことなのでしょうか?」
「私もちょっと我儘言ってみようかしら?」




