表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/300

ホワイトガーデン温泉掘り当てました

やぁどうも、焼きそばパンの民ことカグラです。

今回はなんと、庭を掘ってたら温泉が湧きました(ガチ)。


これまでの冒険(?)で疲れた心と体を癒すには、

やっぱりお風呂! 炭酸泉! 露天風呂! そしてパン!?


セリスティアの喉の調整から、シオンの覚醒、

ミルミの超入浴テンションまで、盛りだくさんの温泉回。

パンで始まり、湯気で整う。これが、俺たちの日常──!


さあ、肩までつかってリラックスしてってくれよな

「──なあ、ここ掘ったら何か出てくる気がするんだよ」


カグラがスコップを片手に、ホワイトガーデンの芝生をじっと見つめていた。


「唐突ね……。また“スキルの予感”ってやつ?」


セリスティアは呆れたように言いつつも、横でアイスティーを飲んでいる。

さっきまでラップの自主練をしていたのだが、喉を酷使しすぎて今は休憩中だ。


「いや、なんか“モコッ”って地面がうごいたんだよな。あれ、絶対あるって。未知が」


「“未知”が庭に埋まってるって、どんな世界よ……」


シオンは遠巻きに日なたに座り、炭酸の抜けかけたジュースを片手に本を読んでいる。


「……炭酸……抜けた……意味も……消えた……」


「お前もなんか言えや」


ツッコミを入れながらも、カグラはすでに掘削作業を始めていた。


ザクッ、ザクッ。

土の中からは、わりとすぐに“それ”が出てきた。


「うお!? なんかぬるい! 湯気!? いやこれ、温泉じゃね!?」


「えっ……ほんとに湯気が……」


セリスティアが覗き込むと、確かにそこにはポコポコと音を立てて湧き出すお湯が。


「……炭酸の泡……入浴の効能……」


「おいシオン、顔がちょっと覚醒してきてるぞ!?」


 


──こうして、ホワイトガーデンに突如“温泉”が湧いた。

当然のように、カグラは即座に言い放った。


「決まりだな。“ホワイト温泉部”設立ッ!!」


 


セリスティアは頭を抱えた。


「もう、“朝飯部”のノリ忘れたの……?」


「……ちょっと待って。なんで、温泉の周りに竹垣立ててるのよ」


セリスティアは、あきれた目でカグラを見た。


「いや、“男女混浴未然防止策”だよ。俺、紳士だから」


「最初に“混浴〜♪”ってはしゃいでたの、どこの誰だっけ」


一方そのころ、湯の脇ではミルミが水着を着たまま足湯をしていた。


「わ〜!あったか〜い!これ、パン焼けそう!」


「やめろ、パン焼くな」


 


──そこに、湯気を割ってシオンが現れた。


「……“理想の温度”……42.2度……このぬるさ……整う……」


「お前……顔が……ちょっとだけ人間っぽいぞ……?」


いつになく目が開き、肩の力が抜けたシオン。

観測者モードではなく、“炭酸風呂の賢者”と化していた。


 


「ちょっと、私も入っていい?」


セリスティアがバスタオルを持って現れる。


「お、おう……竹垣の向こう側な……?見ないようにするからな……?」


「……ふーん? じゃあ、最初から“覗こうとしてた前提”で話すんだ?」


「まってそれはやばい!!ごめんなさいセリスティア様!!!」


 


そんな中──


「“混浴問題”は、この“リリィ様”が解決してあげますわ!」


「誰だよ急に出てきたの!?」


 


金髪ツインテのお嬢様が、どこからともなく登場してきた。

彼女は手に“超高性能バスタイム結界珠(50%OFF)”を掲げていた。


「……ギャグパートのくせに小道具がいちいち凝ってるな……」


 


──こうして、温泉は完全にギャグの渦に飲み込まれていくのだった。


「おい、誰だよ……温泉に“焼きそばパン”持ち込んだの……」


カグラが唖然として湯船から叫んだ。


──ぷかぷかと浮かぶ、湯気まみれの焼きそばパン。


「それはわたしの!だいじな朝ごはん!」

ミルミが全力で泳いで回収に向かう。


「お前、水着のまま突っ込むな!マナーって知ってるか!?」


 


セリスティアは湯の向こう側から優雅に声をかける。


「……ちなみに、焼きそばパンをお湯に入れると“カスケード蒸し焼き製法”になるのよ?」


「それっぽいこと言ってるけど、要するに台無しなんだよ!!」


 


そんな喧騒を他所に、シオンは静かに炭酸風呂の壁にもたれていた。


「……泡の振動……外界のノイズを遮断する……これは……いい……」


「完全に整っちゃってる!!」


 


──そのとき。


「“パンの気配”がする……!」


温泉の石垣がガタン!と崩れ、そこから謎の人影が出現する。


「パン怪獣か!?また来たのか!?」


「ちがうよ!わたしのバイトの時間だよ!」


現れたのは、トースター型タイムマシンを背負ったミライ=カミバコだった。


 


「……なんで、湯船からタイムトラベルしてくるのよ……」


「水を通してパンの未来が見えるんだよ!」


「そんなシステム初耳だわ!!」


 


──こうして、湯けむりと焼きそばパンの狭間で、

なにかが、どうにかなっていく──。


「──ととのった……」


炭酸風呂で微動だにしないシオンの姿を見て、セリスティアが呟いた。


「観測者って、整うんだ……」


「シオン=ヴァレア、“炭酸”と“静寂”により再構築中……」


「どこからログインしてるの!?この空間に!」


 


一方、奥の露天風呂では──


「ふぁぁぁぁ……極楽ぅ……」

ミルミがアヒルのおもちゃと戯れながら完全に弛緩していた。


「お前、そのテンションで“魔王の娘”とか名乗るな」


「ううん、今は“温泉の申し子”って感じ?」


「勝手に称号変えるな!!」


 


その横では、ミライ=カミバコがタブレット片手に真剣な表情で何かを解析していた。


「……なるほど。ここの泉質、“パン発酵”に適している……」


「え、なにかパン作ってるの?」


「この温泉で“時間加速発酵”させた生地……つまり、“温泉焼きそばパン”……!」


「ちょっと待て、湯治からどこまで逸れてんだよ!!!」


 


──そしてセリスティアは、湯の縁で静かにラップの練習をしていた。


「Yo…Yo…冷泉、炭酸、湯けむりリリック……語尾に温泉……って難しくない!?」


「なんで今このタイミングでラップ!?喉の調整ってそっちかよ!!」


 


湯けむりの向こうで、カグラはタオルをかぶりながらぽつりと呟いた。


「結局、俺ら何しに来たんだっけ……」


 


その問いに誰も答えず、ただ、温泉の湯だけがこんこんと流れ続けていた──。


湯上がりの風が、ホワイトガーデンを静かに吹き抜けていく。


軒下では、パンの香ばしい香りが漂っていた。


「──焼き上がったぞ。温泉焼きそばパン第一号だ」


ミライ=カミバコが、木製のトレーに湯気立つパンをのせて持ってくる。


「なんか、色つやが……いつもより……」


「ふわふわ、なのに弾力がある……パン界の革命だこれ!!」


カグラがかぶりつき、次の瞬間──


「ぶっはぁ……ッ!うんめええええ!!」


ととのいと感動が同時に襲い、白目を剥いてバスタオルごと転がり落ちた。


 


その様子を見て、観測者シオンがゆっくりと口を開く。


「……この世界は……“パンの神域”に近づいている……」


「お前、湯治でなに観測してんの!?あと白目むいてるカグラも拾ってやれ!!」


 


そこへ、再びラップの練習を終えたセリスティアが登場。


「うん、調子いいかも。次は“温泉サイファー”よ!」


「温泉サイファーって何!?こっちは飯食ってるんだけど!?」


 


ラップと焼きそばパンが交差し、ゆるくもカオスな湯上がりタイムが過ぎていく──。


だがそのとき、ふいに空の色が変わった。


ぱらぱらと、紙のような何かが舞い落ちてくる。


「……手紙?」


カグラが一枚拾い、そっと開くと──


「“焼きそばパンの神より。次なる試練は、海だ”……って、また来たよコレ!!!」


「夏編、始まっちゃう!?」


温泉のあとに訪れるのは、灼熱の海か、はたまた未知のパンか──!?


ホワイトガーデンの騒がしい日常は、まだまだ終わらない。


王都・王立魔術院、その一室。


書類の山を前に、監察官メルゼス・クローディアスが頭を抱えていた。


「……また“観測外反応”か。しかも、今度は“温泉からパンの波動”……?」


彼の背後で、同僚がそっと囁く。


「例の“焼きそばパン”騒動の余波かと……」


「なぜ我々がパンに振り回されねばならんのだ……!」


メルゼスが頭を抱えるのも無理はない。魔力観測装置が、“炭酸泉の中で神性反応”を検出したのだ。


「観測者シオンの記録も歪んでいる。“炭酸と交信”って……」


「すでに“意味”という概念を捨てた男ですからね」


 


その頃、魔王軍・作戦本部でも──


「……“ホワイトガーデンの庭から温泉が湧いた”と?」


報告書を手にしたラドリウスが、苦々しい顔で呟いた。


「バグの浸食が……自然現象にまで及んでいる。これは“神託干渉”の一種だろうな」


背後のアロマが、静かに口を開く。


「“焼きそばパンの気配”、強まっています。世界のバランスが……“炭酸寄り”に」


「……なんだその新たな属性……」


ラドリウスは深くため息をつき、天を仰ぐ。


「……世界が、本格的にバグりはじめたな」


 


こうして、パン、温泉、神託、すべてが繋がるカオスな流れの中で──


世界は、静かに、新たな“夏編”へと向かいはじめるのだった。



ここまで読んでくれてありがとう!

温泉で整うはずが、どうしてこうなった(いつもの)


今回は日常・癒し・ギャグの全部盛りでお届けしました。

「バグ×温泉×観測者」という謎ワードも誕生し、

物語はさらに混沌とした方向へ……でも、それでいいのだ!


焼きそばパンが世界を救う日も近い……のかもしれないし、

そろそろまた“誰か”が動き出す頃かもしれない。


次回、ラップバトルか、異世界転生か、はたまた別の祭りか──

まだ見ぬ混沌に、ご期待ください!


それではまた、お湯の中で会いましょう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ