封印、ぺりっと。チートって言うな、パンだよ
焼きそばパンの在庫処分市──そんな軽いノリで始めたはずの今回でしたが、
気づけばパンが世界を席巻し、神がしゃべり、在庫に自我が宿り、
誰も彼もが“パンの存在”について語り出すという、
地味に哲学的(?)な展開になってました。
焼きそばパン、もう主役食ってるよね。いや、食われてるか?
ホワイトガーデンの朝。
朝飯部の面々は、まったりとパンやごはん、味噌汁や謎のスムージー(byアロマ)を囲んでいた。
セリスティア「今日は焼きそばパンに卵焼きをのせてみました〜!」
ミルミ「うまーい!でも、これほぼ“パン入り卵焼き”だね!」
アロマ「……栄養バランスは……まあ、ギリギリ合格圏内」
カグラ「……お前ら、どんどんパンから離れてないか?」
そんな和やかな朝。
突然、空が黒く染まった。
ゴゴゴゴゴ……というお約束の効果音と共に、
空間の裂け目から、巨大な“トースターの化身”みたいな敵が現れた。
???「パンに非ずは、排除する……我こそは、パン秩序管理AI《BAKEMAN-02》……」
セリスティア「またそういう名前っぽいの来たー!?」
カグラ「焼きたてAIかよ……てか、前のBAKEMANっていたっけ?」
ミルミ「初耳〜!」
アロマ「“02”から先に出すのが最近のテンプレです」
BAKEMAN-02の目(トースターの焼き目)から、ビームが放たれる。
地面が焼かれ、建物が蒸発。まじで強い。
セリスティア「なっ、なんで急にこんな強キャラ感……!?」
ミルミ「でも私たち、これまで結構すごいこと乗り越えてきたよね!?」
アロマ「それはギャグ補正という名の“未知の力”によるものです。今回、それが通じない」
BAKEMAN「ギャグ、無効──笑い、遮断──我、秩序を是とす」
その言葉通り、ツッコミもギャグも効かない。
みんなが押されるなか──
カグラは、静かに立ち上がった。
「……あー……だる……」
彼は、ジャージのポケットから、
シールで封印された焼きそばパンを、そっと取り出した。
セリスティア「カ、カグラ……それ……!」
カグラ「封印、ぺりっと」
──シール、剥がす音。
世界が、反転した。
空間がねじれ、
すべての色が焼きそば色になった。
BAKEMAN-02「……高エネルギー反応……確認……これは……焼きそばパンか……!?」
アロマ「観測データ改ざん……!? 空間構造が、焼きそばパンに書き換えられていく……!」
カグラは、ただパンを片手に立っているだけ。
なのに、重力すら味方していた。
セリスティア「な、なにこれ!? カグラくん、急にチート系主人公化してるよ!?」
ミルミ「でも目が死んでるよ!?」
カグラ「うん。眠い」
彼が一歩踏み出すと、
BAKEMAN-02の巨大なトースタービームが放たれる──!
しかし、それはカグラの前で「パン粉」に変わって散った。
BAKEMAN「焼き、効かぬ……!? 我が焼きは、全パン対応……!」
カグラ「全属性“無効”……って言ったろ。焼き属性も……無効だよ」
──パン・ストーム・インバース発動。
カグラの手から放たれた焼きそばパンが空中で分裂し、
宇宙の法則を書き換えながら、BAKEMAN-02を包み込む。
アロマ「……空間収束、完了。BAKEMAN-02、焼きそばパンに変換されました」
セリスティア「え、パンになったの!?」
ミルミ「パッケージまでされてるよ!? “ピリ辛味”だって〜!」
カグラ「……うん、終わったなら寝るわ。おやすみ」
そう言って、芝生にごろん。
セリスティア「いやいやいやいや! もうツッコミが追いつかないって!!」
数時間後──
ホワイトガーデンに平和が戻ってきていた。
セリスティア「カグラくん、あれから本当にぐっすり寝ちゃったね……」
アロマ「爆睡中です。心拍、安定。脳波、ラーメン……あ、夢見てますね」
ミルミ「何ラーメン食べてるのかな〜」
テーブルには、焼きそばパンに変換された“元・BAKEMAN-02”がずらり。
セリスティア「ねぇ、これ……食べていいのかな?」
アロマ「人格情報は焼却済み。完全に無害なパンです」
ミルミ「いっただっきまーす!」
──ぱくっ。
ミルミ「おいしっ!? なにこれ!普通にピリ辛焼きそばパンとして完成されてる!!」
セリスティア「この再現度……ちょっと悔しい……!」
アロマ「AIがパンになる時代……来てます」
とそこへ──
カグラ(寝言)「……焼きそば……二玉……マヨ抜きで……」
ミルミ「カグラくん、夢の中でも注文してるよ!?」
セリスティアは、そんなカグラの寝顔を見つめながら、
そっと焼きそばパンを半分に割った。
セリスティア「……チートでもなんでもいいけどさ……」
「たまには、私もカグラくんを“守れる”存在になりたいな」
アロマ「はい、記録しました。恋愛フラグ、微妙に上昇」
ミルミ「ふふっ、がんばれ〜セレスちゃん」
──平和な、夏の昼下がり。
焼きそばパンの香りが、風に乗って広がっていく──
──夜。
静まり返ったホワイトガーデンのキッチン。
そこにひとり、カグラが立っていた。
カグラ「……やっぱ、夜中って腹減るよな」
冷蔵庫を開けると、光が漏れて焼きそばパンがズラリ。
カグラ「うわ、焼きそばパンしかねぇ……ってかこれ全部“俺が倒した敵”だよな……」
ミルミ(寝ぼけ声)「ううん……それ、戦利品だよ……ふへへ……」
カグラ「寝言までパンに染まってんじゃんか……」
──と思ったその時。
???「……選ばれし者よ。焼きそばパンに頼りすぎるな」
カグラ「またかよパンの神!」
神「おぬしの力は、もはやパンの領域を超えておる。第二形態に進化すべき時──」
カグラ「いやいやいや、進化とかいいから普通に寝かせて」
神「……だが我が宿命が──」
カグラ「おやすみ!」
バタン(冷蔵庫閉)
──翌朝。
セリスティア「おはようカグラくん! 今日の朝ごはんはピリ辛焼きそばパンだよ!」
カグラ「またそれかよ!」
アロマ「ちなみに今、パンの在庫残り872体」
ミルミ「ぜんぶ食べようねっ」
カグラ「胃袋バグるわ!!」
──その日の午後。
ホワイトガーデンに、ひとつの張り紙が貼られた。
【焼きそばパン市 開催中】
〜在庫整理、たまにギャグ〜
※喋るパンに当たることがあります。ご了承ください。
ミルミ「やったー!これでみんなに焼きそばパンのすばらしさを広められるね!」
セリスティア「……広めるの? なんかもう、避けて通れない運命になってない?」
アロマ「この在庫量、普通の胃袋では“観測外”です」
──そしてその後。
王都・魔王軍・その他の第三勢力にまで、
「ホワイトガーデン製・焼きそばパン」の噂が広がっていく。
■ 王都・王女セリスティア推薦!
■ 魔王軍四天王ミルミ認定!
■ シオン「……パンは……存在と無の狭間にある」←???
カグラ「なに勝手に公式レビュー始めてんだよ!!」
そしてさらに──
謎の勢力「このパン……“神喰らいの器”か……」
???「封印が……解かれた……!?」
カグラ「パンがまたヤバい方向に使われてるーーーッ!!」
セリスティア「でも、焼きたてって……幸せ、でしょ?」
──世界の命運は、またしてもパンに託された。
──王都某所、異端審問局。
黒いローブの幹部たちが、焼きそばパンを前に静かにざわめいていた。
幹部A「……このエネルギー反応、まさか“彼”が再起動したのか……?」
幹部B「いや……これは“焼きそばパン第7形態”……伝説の“マヨ入り”では……?」
幹部C「マヨ……だと……!?」
──そのころホワイトガーデンでは。
カグラ「なぁ……俺たち、そろそろパンから離れないか?」
ミルミ「ええっ!? パンは逃げないよ!?(たぶん)」
セリスティア「私は好きだよ? でも最近ちょっと……重いかな、色々と」
アロマ「焼きそばパン、現在在庫:36体。うち12体が自我に目覚めています」
カグラ「だからその自我が怖いんだってば!!」
──そこへ、神の声が再び響く。
神「……パンは……次なる進化を遂げるであろう……」
カグラ「もうパン神、黙っててくれ……頼むから……」
──そして、焼きそばパンは空を飛んだ。
超音速で。
王都、魔王領、第三勢力、そのすべてを巻き込み──
焼きそばパン、ついに“世界流通”へ。
【エピローグ】
──カグラのモノローグ。
「……俺は、ただのパンが好きだった。
でも、気づけばパンに追いかけられる人生になってた」
「それでも、まぁ……」
「焼きそばパンがあれば、なんとかなる……のかもしれないな」
──完。
途中からどんどんバグが加速して、
「パンって何……?」「神って誰……?」と、
本来の世界観がパン粉まみれになりました。
でも、そういう回もまた良き!
次はもうちょっと日常に戻そうかな……?たぶんね。
それでは、また焼きたての次回でお会いしましょう!




