異次元朝飯部(モーニング・パラレル)〜並行世界はごはん派でした〜
今回の話は、「パンvsごはん」という定番テーマから、
気づけば宇宙戦争→朝飯哲学バトルにまで発展しました。
毎回バグとギャグが増していきますが、
そのぶん“なんでもアリ”の自由度も高まってきてますね。
その朝、ホワイトガーデンの庭に“異物”があった。
「……おい、なんか変なのあるんだけど」
カグラが焼きそばパンを片手に指さす先。
そこには、巨大なふすま扉が立っていた。いや、和風の引き戸である。
どう見てもホワイトガーデンの雰囲気とミスマッチだった。
セリスティアがのんびり近づき、トントンと扉を叩く。
「こんにちはー……あれ、誰もいないの?」
「いやいや、“誰かの家”ってノリじゃねえだろコレ! なんで朝からふすまなんだよ!!」
ミルミは扉の前でぴょんぴょん跳ねている。
「ねーねー! 開けちゃおうよ! 向こうにはきっと黄金のメロンパン畑が……!」
「メロンパンが育つわけねーだろ!!!」
そんなこんなで、
結局──開けた。
──ゴォォォォ……
開いた扉の向こうには、ほのかに炊きたてごはんの湯気が漂う世界が広がっていた。
「……なんか、あったかい」
アロマがぽつりと呟く。
ミルミは勢いよく飛び込む。
「わーい! ごはんの匂いだー!! あ、でもあたしパン派なんだけどなー」
そして、みんながその扉をくぐると同時に──
扉が、バタンと閉じた。
「……って閉まってるし!? またこれか!?」
「もしかして……閉じ込められた?」
カグラは焼きそばパンをギュッと握りしめる。
「やべえ……こいつ(パン)が……この世界に怯えてる……」
扉の向こうは、
ふしぎなほど整然とした庭。竹垣。縁側。そして──
「朝飯部」の立て札。
ただし、そこにこう書かれていた。
【朝飯部(ごはん絶対主義)】
──嫌な予感が、口の中で米粒のように広がっていく。
「お待ちしておりました、我らが“ごはんの国”へようこそ」
そう言って現れたのは──
もうひとりのセリスティアだった。
……ただし、
髪は結ばれ、落ち着いた黒の袴姿。
表情はいつものほんわか天然とは正反対、冷静沈着。
口調も、どこかビジネス丁寧寄りだった。
「……セリスティア……さん?」
カグラが首をかしげた瞬間、
「いえ、私は“セレス”とお呼びください。こちらの世界の朝飯部部長です」
「いや誰だよ!!」
そして背後には──
“ごはん派”のメンバーたちがぞろぞろと現れる。
・ミルミ(こちらの世界) → 着物姿でおしとやか。「パン? そんな……庶民の……」
・アロマ(こちらの世界) → 超おしゃべりで、食レポがうるさい。「ツヤツヤッ!モチモチッ!」
・シオン(こちらの世界) → 満面の笑顔で、米に人生の意味を見出す。「炊き立てこそが存在の真理だよ」
「いや全員、人格が逆ゥーーーー!!」
戸惑うホワイトガーデン側のメンバーたち。
なぜか“並行世界の朝飯部”はごはん絶対主義で、
パンという概念すら異端らしい。
「ごはん以外の主食を許すと、宇宙の均衡が乱れるのです……」
「わかる。パンは“混沌”の匂いがする」
「米は魂。麦は──雑音。」
「お前らなんなんだよ!? パンの存在を否定する哲学者って何!?」
──だが、並行世界の“セレス”は続けた。
「我々は、あなた方の存在に興味があります。
“パン”とは何なのか。なぜあなたたちはそれを愛するのか」
「……え、なんか議論の流れになってる!?」
その瞬間、パン次郎が急に立ち上がる(物理的に)。
「聞き捨てならぬ!! パンに謝れ!!」
「お前も来てたのかよパン次郎!!」
──そして始まる、
並行世界の“ごはん派”と、我ら“パン派”の朝飯を巡る全面バトル。
「パンで世界は変えられる!!」
「米でしか救えない未来がある!!」
「ツナマヨおにぎりには勝てない……って言いたいのか!? 焼きそばパンを前にして!?」
──事態は、思った以上にめんどくさい方向へ動き始めていた。
「──というわけで、“朝飯バトル”を開催します」
並行世界セレスが優雅に言い放つと、
目の前に巨大な朝食スタジアムが出現した。
「えっ!? バトル!? ガチ!? 朝飯で戦うの!?」
ステージの中央には、黄金の食卓。
掲げられた旗には、
【ごはん派 vs パン派】
〜この宇宙にふさわしい主食はどちらか〜
「スケールでかすぎるわ!!」
解説席には、なぜか第三勢力のシオンが座っていた。
「ふふ……主食とは、“存在の根源”だ。
この闘いはすなわち、宇宙の意味を問うセッション。私はただ、見届けよう──パンか、米か」
「解説向いてねぇよ! 哲学すんな!」
対戦形式はこうだ。
•第一試合:スピード対決(どちらが早く完食されるか)
•第二試合:創作性対決(どれだけ自由な具材を受け入れるか)
•第三試合:宇宙的調和(もはや意味不明)
先鋒として、ミルミ vs ミルミ(ごはんVer)。
ミルミA「よーし!うちの“ピザパン with ドリア焼き”をくらえ〜っ!!」
ミルミB「ふふ……こちらは“たまごかけ納豆ごはん with うめぼし銀河”です!」
「“うめぼし銀河”ってなに!?」
──バチバチと火花が散る中、
セリスティア(オリジナル)はうずうずしていた。
「ねぇ……あたしもやっていい……?」
「いや、お前どうせまたバグるからやめとけって!」
「えっ? ……やっていいってこと?」
「違うっ!! そうは言ってな──」
そして彼女が繰り出したのは、
「“魔導式ホイップあんぱん with たくあんパルフェ”!!」
「世界観が崩壊してるゥーーー!!!」
観客の宇宙人たちもざわつき始めた。
「ワレワレ、理解デキナイ……」
「ゴハンハ……ナンダッタノカ……?」
シオンはボソリと呟く。
「混沌の果てには、すべてがパン……」
「意味わかるように言って!!」
混迷する“朝飯宇宙”の未来。
バトルの行方は、果たしてどっちだ!?
「──第二試合、開始!!」
司会のアロマが冷静な声で告げると、ステージが回転し、**“創作性対決”**のフィールドが出現した。
そこには、巨大な朝食クラフトマシンがうなりを上げていた。
「参加者は、ありとあらゆる具材を使って“もっとも主食にふさわしい奇跡の一皿”を生み出してください」
「奇跡ってなんだよ!」
ミルミは真っ先に駆け出す。
「任せて! あたしのセンスで世界救っちゃうよ!!」
シュルシュルと回転するクラフトマシンに、
彼女が放り込んだ具材は──
・チョコチップ
・たくあん
・バター
・スライム(!)
・希望
「なんで最後、概念混ぜた!?」
一方、セリスティア(バグり中)はというと、
魔法陣を展開しながら叫ぶ。
「これが私の最終奥義──“パンバビロン・ラブシュート”!」
ボーン!!!!
爆発音とともに現れたのは、
**愛と爆発物とマーマレードで包まれたカレーパン(泣いてる)**だった。
カグラ「……泣いてるよこのパン!? なにがあった!?」
審査員のシオンがスプーンを構える。
「“食とは何か”──哲学に答えはない。だが……この“マーマレードと哀しみ”には、何かが宿っている……気がする」
「宿ってるのはバグと後悔だよ!!」
そのとき──
ステージの上空が光に包まれ、
巨大な茶碗を背負った謎の老人が降臨した。
「ふむ……騒がしいのう。朝飯とは、静けさと共にあるものじゃ……」
「誰ぇぇぇぇぇ!?!?」
そして彼は、ごはんを一口食べると、
カグラのパンを見てこう呟いた。
「焼きそばパン──その身にすべてを巻き込みながら、なお焼きそばを支え続けるその覚悟……。儂は、好ましいと思うぞ」
──評価された。
パン陣営、大歓喜。
セリスティアはガッツポーズ。
カグラは頭を抱える。
「なんで勝ってんだよ!? 勝因がわからねぇよ!!」
──空が割れた。
最後の試合を前に、天を覆うように巨大な影が現れたのだ。
「な、なんだあれ……!? 空が……」
「いや、あれ“茶碗”じゃねえか!?」
現れたのは、超巨大ごはん型宇宙戦艦。
その姿はあまりにも堂々としていて、見た瞬間に“米粒の意志”を感じるレベル。
通信が入る。
「こちら、並行世界“白米主義連合”……これより、主食バランスの調停に入る!」
「調停ってレベルじゃねーぞ!! 兵器やないか!」
セリスティア(ギャグモード継続中)が叫ぶ。
「だったら、こっちは“トースト型迎撃システム”で応戦よ!!」
「迎撃システムなのにバターしみてる!!」
そこから始まったのは──宇宙朝飯戦争。
トースト型小型艇が飛び交い、
おにぎりミサイルとクロワッサンレーザーがぶつかる。
ミルミ「わーい! 朝ごはんが光ってるー!!」
アロマ「戦況、カリカリベーコン中隊壊滅……」
カグラ「何やってんだ俺たち朝から!!」
そのとき──哲学者シオンが立ち上がる。
「……食とは、空腹を満たすためのものではない」
みんなが静まりかえる。
「食とは、存在の共有。感情の再定義。意味と意味の間に生まれる、“温度”だ……!」
彼が手にしたのは、ふつうの、焼きそばパン。
「おれは……これが好きだ」
宇宙が、止まった。
ごはん派、パン派──全員が、手に持った朝食を見つめ直した。
ミルミ「……そっか……どっちでもいいんだ……!」
セリスティア(ギャグバグのまま)「トーストにごはんのせてもいいじゃない……!?」
カグラ「それはやめとけ」
そして──ネメシス撤退。
戦いは終わった。
──朝日が差し込むホワイトガーデン。
焼けた屋根、蒸気を吹くポット、爆発した冷蔵庫の残骸。
宇宙戦争の名残を残しつつ、朝は、何ごともなかったように始まっていた。
カグラは、あくびをしながら焼きそばパンにかぶりつく。
「……結局、なんだったんだ昨日の戦い……」
セリスティア(ギャグバグは自然治癒)も、スプーンを持ったまま悩んでいた。
「記憶の大半が焼きそばパンで上書きされてる……でも、なんだか楽しかった……」
「もう治ったならやめてくれよ!? パンバビロン砲だけはやめてくれよ!?」
ミルミは、おにぎりに焼きそばを詰めていた。
「パンとごはん、仲良くしちゃえーってことで、焼きそばライスボール完成〜!」
「いや、それほぼ炭水化物の暴力!」
アロマ「……観測結果:食文化とは、情報戦でも戦争でもなく、好みとノリで変化する現象と判明」
カグラ「まとめるな!」
そこへ、シオンがまた現れる。
「……哲学的に言えば、食の本質は選択だ。そして──“焼き加減”だ」
「またそれかよ!」
結局、その日も。
朝飯部の活動は混沌としつつ、
最後は全員で“なんでもあり焼きそばパン”を囲んで終わった。
──パンは自由だ。
──ごはんもまた、自由だ。
それが、今日という一日を作っていく。
──朝のひとときに、パンと笑いを添えて。
焼きそばパンは、たぶんもうパンでもごはんでもない“概念”になりつつあります。
カグラのツッコミもだんだん悟りに近づいてきてますし、
この調子で次回も、“朝から笑える、でもちょっと意味深”な話、またやってみましょう。
さて、次はどんな朝を迎えようか。
“朝飯部”、次回も登場するかも……!?




