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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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焼きそばパン、夢をみる

この話は……一体何だったんだ?笑

焼きそばパンが空を飛び、哲学とバターの宇宙に突入するなど、誰が想像しただろうか。

でも、これはパンの旅であり、ツッコミと塩の尊さを描いた──そんな回だったと思う。たぶん。

“パンの眠り”に誘われて



──その朝、パンは黙っていた。


「……パン次郎?」


声をかけても、ぴくりとも動かない。


 


セリスティア「まさか……焼きすぎた?」


ミルミ「焼きそばパン、焦げたら寝るの!?!?」


 


カグラはパンをそっと持ち上げる。

柔らかい。まだ温かい。でも──“中身がいない”。


 


アロマ(分析中)「……これは“具材意識の脱出”と推定される」


カグラ「なにそのホラー!? 中身どこいったの!!」


 


シオン「……きっと彼は、記憶のバターを塗るように、過去へ還ったのだ」


カグラ「詩的に言ってるけど意味が怖えよ!」


 


──そのとき、焼きそばパンの中から、ふわりと“湯気のような光”が立ちのぼる。


それは、まるで“パンの夢”だった。


 


「……俺は、誰だった?」


 


──焼きそばパンの“記憶”が、夢として語られはじめる。


 



 


舞台は、“具材になる前”の世界。

小麦粉だった頃のこと──

まだ誰にも選ばれていない、ただのパンの“素”。


 


彼は、夢を見ていた。


「いつか、誰かの手で焼かれたい」

「いつか、誰かの笑顔になりたい」


 


そして──ある日、出会ったのが「焼きそば」だった。


焼きそば「……よぉ、俺を挟む勇気あるか?」


パン素「お、おまえ、油まみれじゃないか……!」


焼きそば「でも、そのぶん“味がある”ぜ?」


 


そうして、ふたりは“ひとつのパン”になった。


「俺たちは──焼きそばパン!」


 


──目が覚めると、カグラたちが見下ろしていた。


セリスティア「……パン次郎、目覚めた?」


ミルミ「良かった〜!ずっと中身が抜けてたよ〜!」


パン次郎「……俺は、夢をみていた。焼きそばとの出会い。そして……別れ。」


 


カグラ「え、別れたの!?」


パン次郎「……今日、俺は“塩焼きそば”になったんだ……」


カグラ「バリエーション増えとるだけじゃねーか!!」


 


──夢とソースと覚醒の朝。


焼きそばパンはまた、みんなと朝を迎えるのだった。


焼きそばパンが目を覚ましたそのあと、部屋には妙な静けさがあった。


 


シオン「……夢を見るパン。記憶を持つパン。“食材のくせに”と笑う者もいるだろう」


カグラ「言い方が悪ぃよ!てか、誰だよパンを存在論で語ろうとするなよ!」


 


パン次郎は、しみじみと語る。


 


パン次郎「夢の中で……俺は旅をしていた。カレーパン、メロンパン、コロッケパン……皆、どこか懐かしかった」


セリスティア「えっ、それって……みんなパン屋さんで並んでた時の記憶ってこと?」


アロマ(分析中)「記憶連結反応……“総菜パン共有意識”と一致します」


カグラ「なんだその神秘ネットワーク!?」


 


──回想、ふたたび。


焼きそばパンは、ある日夢の中で**“神のトレー”**に乗せられ、

“未知の陳列棚”へと運ばれていた。


そこで彼は見た──


 


カレーパン「よう、あんたも“主食枠”か?」


メロンパン「甘い系はそっち、こっちは食事担当ね」


タマゴロール「パンにもヒエラルキーがあるのよ」


焼きそばパン「……俺は、どこに分類されるんだ?」


 


悩むパン。

“おかずなのか、主食なのか”──

自分の立ち位置に苦しんだ、記憶のパン。


 


──現在。


パン次郎「でも……俺はそれでも“焼きそばパン”でいたいんだ」


カグラ「自己肯定の結論キターーー!」


セリスティア「えらいよパン次郎……!」


シオン「分類を超えた先にこそ、“真なる自己”がある。パンにして悟りか……」


ミルミ「やっぱパンってすごい!」


 


──この日、パンはまた一つ、確信に近づいた。


自分とは何か?

“焼きそばパンであること”とは何か?


……そして、なぜ夢を見たのか?


 


その答えはまだ、湯気の向こうにある。


 

──翌朝。


ホワイトガーデンのポストに、一通の封筒が届いていた。


宛名は──


「焼きそばパン様」


 


セリスティア「パン宛てに……手紙!?」


カグラ「どこの誰がパンに文通してんだよ!!」


 


パン次郎はそっと封を切った。

中には、丁寧に折られた一枚の便箋と──


**“一枚の写真”**が入っていた。


 


パン次郎(読む)


『お元気ですか。こちらはパンの国です。

あなたの旅立ちを見送ったあと、みんなで話し合いました。

焼きそばパンは、何者なのか?

今、我々も探しています。


あなたが目覚めたら、いつでも遊びに来てください。

バゲット王より』


 


カグラ「バゲット王!? パン界に王様いたの!?」


アロマ「“パン連合王国”存在確認……かつて焼かれた者たちの、集合意識領域……」


 


──写真には、“パンの国”と呼ばれる幻想的な光景が映っていた。


ふわふわと湯気が立ちのぼる町並み、

ときおり跳ねるクロワッサン、空を飛ぶベーグル。

そして、中央に構える“黄金のトースター城”。


 


セリスティア「うわぁ……行ってみたい……!」


ミルミ「パンの国……おいしそう……」


シオン「……存在とは、焼かれた瞬間に完成するのか、それとも……」


カグラ「いや難しいこと言ってるけど、つまり“パン界編”来るってことだな!?」


 


パン次郎は、空を見上げた。


パン次郎「……旅の予感がする。次は、夢ではなく、現実として──」


 


──こうして、焼きそばパンの次なる物語の扉が、またひとつ開かれるのだった。


夜。

ホワイトガーデンの一角。月明かりの下で、パン次郎は荷造りをしていた。


 


セリスティア「ほんとに行くの……? パンの国……遠いんでしょ……?」


パン次郎「うむ。夢の続きを、現実で見なきゃならんからな……!」


カグラ「いや、てかパンだけで旅できるのか?」


アロマ「重量:94グラム。歩行速度:ゼロ。跳躍力:皆無」


カグラ「だよな!? 自走できないよな!?」


 


──そのとき。


パン次郎「だが……俺にはこれがある!!」


 


──ズドォォン!!


倉庫から引っ張り出してきたのは、

**“自律機動型トースター号”**だった。


 


カグラ「また変なの出たあああああああ!?」


セリスティア「しかもなぜか、光ってる!?」


ミルミ「乗れるの!? パンが!?」


 


パン次郎が、ズシャッと搭乗する(スロットにすっぽり入る)


 


パン次郎「では、出発する。パンの国へ──!」


トースター号「チンッ!」


 


──シュイィィィン!!


トースター号が跳ねる!飛ぶ!

パンを焼きながら、光の尾を引いて空へ!


 


カグラ「焼かれながら旅立つのかよ!!」


シオン「……熱の記憶こそ、存在の源。なるほど、これは旅であり、再誕だ」


カグラ「黙って哲学的に納得すんな!!」


 


セリスティア「……行っちゃったね……」


アロマ「空間追跡困難。パン、現在──上空3500m、秒速9mで西へ移動中……」


ミルミ「がんばれ、パン次郎……パンの国で、パンの平和を……!」


 


──そして。


トースター号は、空の彼方に小さくなり、

最後にもう一度、“チンッ”という音を響かせた。


それはまるで、焼きたての希望の鐘のようだった──。


──パン次郎、空を翔ける。


しかし──


パン次郎「……ちょ、ちょっと熱すぎるんじゃないか!?」


トースター号「……加熱レベル:超絶トーストモード、起動」


 


ボンッ!!


トースター号が光を帯び、

空間がグニャリとねじれる!


 


パン次郎「おい待て! 焼き加減設定ミスってないか!? 中までカリカリになるぞ!!」


 


──次の瞬間、周囲が“食パン色”に染まった。


目の前には、延々と続くトーストの大地。


空にはバターが溶けて流れ、

雲はすべてマヨネーズ状。


 


パン次郎「ここは……!? ここはまさか──」


 


???「──ようこそ、境界領域《トースト空間》へ」


 


現れたのは、

白衣を着た“研究者風の食パン”だった。


 


トースト教授「私は、かつて焼かれすぎて理を超えた者……“トースト教授”と呼ばれている」


パン次郎「いやパンが喋ってんのは今に始まったことじゃないけど、設定濃いなおい!!」


 


トースト教授「キミも見たようだね……“トースターの果て”の夢を……」


パン次郎「あれ夢じゃなかったの!? 現実焼かれてない!? もうカリッカリだぞ俺!!」


 


──パン次郎の旅は、

パンの国を超えて、“トーストの彼方”へ。


存在とは何か? 焼きとは何か?

トーストとパンは同一か否か──


パン次郎「……つまり、俺は“焼かれすぎて”新たな存在になったってワケか……」


 


トースト教授「その通り。焼きとは再構築、炭化とは悟り。キミはいまや“第三のパン”──」


パン次郎「なにその三段階進化!? 〇ケモンかよ!!」


 


そのとき。


教授の背後から──


???「そんなことより、塩、持ってない?」


 


──シオン=ヴァレアだった。


 


トースト教授「むっ、キミは……観測外存在!」


シオン「“焦げすぎたパン”に必要なのは哲学じゃない。“ほんの一振りの塩”だ」


パン次郎「いや唐突に出てきて何言ってんの!?ていうかどこから来た!?」


 


シオン「……“焼き過ぎ”は、“味の足し算”で救われる。そう君に教えたくて、僕は来た」


 


──シオンが、塩をひとつまみ振る。


 


パン次郎「──!!」


途端に世界が再び回転し、

焼かれた香りとともに、トースト空間が蒸発するように消えた。


 


 


──ホワイトガーデン。


「──チン!」


トースター号から、きれいに“絶妙な焼き加減”のパンが飛び出した。


 


セリスティア「あっ……帰ってきた!」


カグラ「……あいつ……本当に行って、帰ってきたのかよ……」


 


パン次郎「旅は、焼かれて終わるんじゃない。……帰ってきて、初めてパンになるんだ」


カグラ「いや何言ってんの!?焼かれてパンになるのがパンだろ!?」


セリスティア「でも……なんか、パンが一皮むけた気がするよね……」


アロマ「炭化層、削減確認。カリ:モチ比、理想比に収束」


ミルミ「おかえり、パン次郎ぉおおお!!」


 


パンは旅を終えた。

そしてまた、朝が始まる。


 


その手には、

ほんの少し、塩の記憶が残っていた。


いつか僕たちも、焦げついた日々に、誰かが塩を振ってくれると信じたい。

パンの旅は終わった。でも、また始まる。

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