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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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59/300

魔王城って、案外アットホーム?

今回は魔王軍の日常(?)回!

でもいつものように「なんでこうなった!?」な展開です。

パンの哲学、パンの戦略、パンの飛翔。

ラドリウスたちが真面目に語れば語るほど世界がおかしくなる、それが焼きそばパンクオリティ。

魔王城、中央作戦室。


広い円形のホールに、巨大なスクリーンと不穏なパネル音が響いている。


 


アロマ「……現在、焼きそばパン異常波動の影響範囲は全領域から消失。観測不能」


ラドリウス「ふむ。“あの男”の仕業か」


ミルミ「カグラくんすごーい!!さすが私の“ほぼ婚約者”~!」

アロマ「どこで婚約したの?」


 


スクリーンには、空間干渉の跡地に残された“ひとふさの麺”が映っている。


ラドリウス「これは……“世界律のほつれ”だな」

アロマ「記録によると、焼きそばパンに似た“概念結晶”が時間歪曲と重なり、局地的な現実変化を引き起こしていました」


ミルミ「でっかい焼きそばパンが空飛んでる時点で気づいてほしかったけどね」


 


ラドリウスは静かに立ち上がる。


ラドリウス「……そろそろ、“神託の断片”を回収する時期かもしれんな」


 


アロマ「それはつまり、“観測者”の再介入を警戒するという意味ですか?」


ラドリウス「否。“介入を誘う”のだ。こちらから、仕掛ける」


 


魔王軍が動き出す。


その目的は、世界の主導権でも、征服でもない。

――“観測から外れた者”たちの可能性を、測るために。


 


ミルミ「ねえねえ、バイト作戦またやろうよ! 次こそ給料出るやつ!!」

アロマ「前回の支払い、全員スライムで渡されたからね……」

ラドリウス「スライムは通貨と同等だ。……食べなければ」


 


彼らの目的は、常にズレているようで、どこか核心を突いていた。


魔王軍――それは、

“正義でも悪でもない”視点から、世界の構造を測る存在。


 


そして今、彼らの次なる実験は――“日常の核心”を揺らすこと。

静かすぎる世界に、ちょっとだけ“ノイズ”を落とすように。


魔王城・地下実験棟。

そこでは、異常存在を解析・保管するためのプロジェクトがひっそり進行していた。


アロマ「“観測外因子No.001・焼きそばパン”……安定封印中」

研究員スライム「プルプル……(美味そう……)」


 


ラドリウスがやって来る。

静かな歩みとともに、保管カプセルの前で立ち止まった。


ラドリウス「“焼きそばパン”という名を持ちながら、もはやこれは……食ではないな」

アロマ「はい、時空変質物。属性分類:概念バグ。分類コード:YSP-∞」


 


すると背後から──


ミルミ「おーい!見て見てー!魔王様がバグパンに耳つけて寝てる〜!」


魔王(仮眠中)「……ン……うま……」


アロマ「いや、なんでこの状況で安眠できるんです?」


 


ラドリウスはふと目を細め、モニターに表示された数値を指差す。


ラドリウス「これは……世界律に“外部揺らぎ”が……? いや、これは違う……“誰か”がこちらを見ている……」


 


その瞬間、カプセルの中の焼きそばパンが“ゆらり”と震えた。


アロマ「反応!?……誰か、空間干渉してます! この座標……!」


ミルミ「もしかして、カグラくんじゃないの!?」


ラドリウス「否……これは“別の観測外個体”だ。奴とはまた違う“気配”だ」


 


──魔王軍は気づき始めていた。


カグラ=シノノメ以外にも、“この世界をバグらせる存在”が

ゆっくりと、その足音を響かせているということに。


そして、それが再び“焼きそばパン”と交わるとき──

物語は、より深く、意味不明に沈み込んでいく。


魔王軍会議室。

ラドリウス、アロマ、ミルミ、そして……“見慣れない椅子”が一脚。


その椅子に座っていたのは──


???「やぁ。呼ばれた気がしたから、来てみたよ」

アロマ「誰ですかあなたは」

???「ああ、ごめん。名乗ってなかったね……シオン=ヴァレア。ただの通りすがりの“観測事故”さ」


 


ラドリウスの目が鋭くなる。


ラドリウス「……また現れたか、“君”は」

シオン「“また”か。“現れた”か。“君”か……あいかわらず、意味の圧縮率が高いね、ラドリウス」


ミルミ「わー!なんか哲学っぽい人来た!!」


 


アロマは即座に情報照合を開始。


アロマ「照合不能……過去の観測者記録にも該当なし。彼は本当に“外側”の存在」


 


ラドリウスは静かに言う。


ラドリウス「……ならば、“彼”と一度会っておくべきだったな」


 


シオンは微笑む。


シオン「“焼きそばパン”に触れた者たちの行き着く先……君たちも気づいてるだろう?」


「それは、世界の“素材”に干渉する力だ。“設定”でも“属性”でもない、“記述そのもの”へのアクセス」


 


ミルミ「ねぇ、それってつまり、すごくヤバいってこと?」

シオン「だいたい合ってるよ」


 


ラドリウス「この男……ただの狂人ではない。だが、完全な理解もできない」


アロマ「……観測不能のまま、存在している。つまり“意味を持ったままバグっている”……!」


 


静寂が落ちる。


 


そして、シオンはポケットから──

焼きそばパンを取り出した。


 


シオン「これは、彼からもらったんだ。“君の世界ではまだ発売されていない”って、笑いながらね」


 


全員「……誰だよその“彼”!!」


 


──混沌とする魔王軍。

焼きそばパンを巡る“存在論バトル”は、さらに深みへと突入する──。



魔王軍・戦略ブリーフィングルーム。

ラドリウスは深い溜め息をひとつついた。


ラドリウス「……つまり、焼きそばパンとは、“媒体”だ」

アロマ「はい。“世界記述の干渉用トークン”として……」

ミルミ「お腹がすいてきた!」


 


シオンは椅子をくるっと回し、後ろ向きに座りながら言う。


シオン「君たちは、“食”として焼きそばパンを見ている。でも、あれは“記憶のかたち”なんだ」


ラドリウス「記憶?」


シオン「そう。“あの味を知ってる”と、人は思い込む。……それは、最初から刷り込まれていた記述かもしれない」


アロマ「……もしくは、あれこそが“記憶の残響”」


 


シオンは立ち上がると、天井を見上げながらポツリとつぶやいた。


シオン「そろそろだ……“彼”が、焼きそばパンに手を伸ばす頃だ」


ミルミ「だれ!?カグラくん以外に“選ばれし者”いたの!?」

アロマ「まさか、別次元の……!」


 


そのとき、魔王軍の全センサーが異常反応を示す。


アロマ「来た!座標は……えっ、そこ!?」


ラドリウス「我々の……すぐ横だと?」


 


──部屋の隅。

誰もいなかったはずの場所に、パン屑が落ちていた。


そのパン屑から、世界がにじみ出していた。


 


シオン「“彼”の世界はもう限界なんだ。だから今、干渉が始まる」

ミルミ「ねぇそれ、怖いやつ!? ワクワクしていいやつ!?」


アロマ「……どっちでもありません。完全に未知数です」

ラドリウス「すべての始まりは……カグラ・シノノメ。そして、そこから分岐した“不在の観測者”」


 


アロマ「……どうします?」


ラドリウス「決まっている。我々は――」


 


ラドリウス「焼きそばパンを焼く」


全員「結局そこかよ!!」


 


──混沌と哲学、そしておやつの時間。

魔王軍は今日も、誰よりも真剣にパンと向き合っている。



場所:魔王軍カフェテリア《黒きキッチン》

時間:戦略会議兼おやつタイム

議題:どの焼きそばパンが世界に最も干渉できるのか


 


アロマ「まずは基本の“ふわふわコッペ式”……甘さと塩気のバランスが秀逸です」

ラドリウス「否。“カリッとバケット式”こそが、硬派なる真理」


ミルミ「私はね〜“もちもち白パン式”がいいと思う!包み込む優しさが、ね!」


 


シオン「……つまり、“世界の干渉力”とは、“パン皮の種類”に依存する、と」


全員「それを真面目に議論してんだよ!!!」


 


アロマ「ちなみに、“黒パン式”は不人気でした。歯が折れる」

ミルミ「“うっかり固すぎパン”は、世界観が割れるからやめよーよ」

ラドリウス「我々の次元が割れたのは、あのときだったな……」


 


──そのとき、焼きそばパンが突然“飛んだ”。


シオン「やはり……“意志”を持ち始めている」

ミルミ「パンに人格が!? 友だちになりたーい!!」


 


焼きそばパン「(ヒュオオオ……ブワッ)」←空間をねじ曲げながらホバリング


アロマ「……このパン、音速を超えました」

ラドリウス「初速0から音速、バグですね」

シオン「今ここに、“パン型超現象”が成立した」


 


そこへ、サブキャラで忘れられていた魔王がコーヒーを持って登場。


魔王「……今日のパンは焼き加減が甘いな」

全員「いや誰だよ急に出てきて講評すんな!!」


 


──こうして、焼きそばパンを巡る“戦略会議”は、

もはや戦略でもなんでもないまま閉幕した。


 


でも、彼らは本気でパンのことを考えていた。

パンを通して、世界を観測しようとしていた。

パンこそが、“この世界にとっての真理”だと──(錯覚していた)



魔王軍・天井裏秘密作戦本部(通称:パン棚)


ラドリウス「……さて、本題に入ろう」

アロマ「今までは余興だったと……?」


シオン「すべては、パンの“目覚め”を待つ時間稼ぎだった……ってことでいいんじゃないかな」


 


──そのとき、部屋の中央に浮かぶ“焼きそばパン”が突如発光。

空間が裂け、異次元ゲートが現れた。


 


ミルミ「出たー! 異世界パンゲート!!」


ラドリウス「座標不定。“観測者不在世界”に接続……!」


アロマ「その先にあるのは……“パンを知らない世界”? まさかそんな──」


 


ゲートの奥から──


???「……焼きそば……? なんですかそれは……?」


 


現れたのは、異世界の少年。

表情は冷静、だがどこか寂しげで──


ラドリウス「……君は?」


???「俺の名前は、クラウス=テンペリス。“無パン世界”から来た、ただの転校生です」


 


全員「いや転校生って何!?」


 


クラウス「こちらでは……“パン”という概念が、存在しているようですね……」


シオン「それどころか、うちでは日々、パンが世界に干渉してるよ」

アロマ「もはやパンがバグ。バグがパン」

ミルミ「ようこそ!パン地獄へ!!」


 


ラドリウス「……ならば、君にも教えてやらねばなるまい。この世界の“最強のパン”を」


 


──そのとき、パン棚が唸った。


ガタン!!


全員「!?」


 


──ゴゴゴゴ……


崩れ落ちるパン棚の奥から、“封印されたパン”が姿を現す。


アロマ「っ……あれは……!」


ミルミ「パン・オブ・パン……!」


ラドリウス「焼きそばパン……超越種、“エンドレス・トリプルカーボン”!」


クラウス「なにその脂質ヤバそうな名前!?」


 


──そして今、世界は再び“パンによって”揺れ動く。


この日、魔王軍は静かに確信した。


**「この物語の半分くらい、パンでできている」**と──



お読みいただきありがとうございました!

バトルも伏線も全部吹っ飛ばしてパン棚で世界を語るこの回

次回は日常に戻るか、また何かとんでもない方向に進むか……

でも間違いなく、どこかで“パン”は出てくることでしょう。


それでは、また次の回でお会いしましょう!パンッ!

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