任務先にいたのが最強の一般人だった件
スパイです。真面目にやってます。
でも──
そこに“焼きそばパン”が落ちてたら……話は別だ。
そんなノリで始まった今回の新シリーズ。
潜入任務、機密文書、冷凍パン帝国、
そして現場にいたのは最強の一般人(※カグラ)。
敵味方の境界線がパンの焼き加減で溶けていく、
超バカバカしいけど、どこか熱い“バグ任務”がはじまります。
今回はテスト的な第1話。
いけそうだったら、次もやります。パンだけに、ね!
諜報員クロム・フレーバーは、今回も静かに任務へと向かっていた。
舞台は帝国ヴィネガレル。世界有数のパン兵器開発国である。
「任務は、機密文書“マヨネーズ爆弾設計図”の奪取だ」
耳に仕込まれた小型端末から、上司の声が響く。
クロムは無言で頷くと、変装用のスプレーを顔にひと吹き。
──数分後には、彼はパン屋の配達員になっていた。
クロム(完璧な変装……さて、敵本部のキッチンから潜入を──)
……ぷぅうぅん。
鼻腔をくすぐる、香ばしい香り。
そう、焼きそばパンの、それはもう絶妙な焦げ加減の香り。
クロム「……これは……!」
スパイの勘より先に、パンの本能が勝った。
敵本部キッチン。誰もが戦闘服のまま、なぜかパン焼き機に群がっていた。
「焼きあがったぞー!!今日も最高の出来だー!」
「すごい……表面はカリカリなのに、なかはもっちり……」
クロム(……敵基地の空気が、あまりにも平和すぎる。パンってすげぇな)
そっと物陰からキッチンに侵入。
だが、そこには──
「──あ、このパン落としたのお前?」
そこにいたのは、ゆるく笑う青年。片手に焼きそばパン。
どう見ても戦闘態勢じゃない。だが、異様な“無敵感”がある。
クロム「誰だ、お前……」
カグラ「焼きそばパンの精霊みたいなもん」
クロム「すでに任務崩壊の予感がする」
敵幹部とパン論争
そこへ現れた敵幹部──帝国諜報部長ザール中将。
ザール「貴様、何者だッ!ここは国家機密区域だぞ!」
クロム(しまった……!)
カグラ「俺、パン拾いに来ただけ」
ザール「……帰れ」
カグラ「お、おう」
クロム(え、通った……?)
ザール「貴様、諜報員だな!?何を狙っている!」
クロム「マヨネーズ爆弾の設計図──もとい、厨房の焼成温度だ!!」
ザール「なにぃ!? お前、パン焼き理論を狙ってきたのかッ!?」
──パン論争勃発。
そこへふらりと現れる、紅茶片手の少女。
セリスティア「パンとパンの間にあるのは、バターではなく対話よ」
クロム「誰だお前は」
場面は混乱を極める。
冷凍パン帝国(フリーズ団)が空から襲撃。
フワリ「すべてのパンを0度に!これが冷静な正義!」
コゲール「カリカリもふわふわも認めん!パンは氷こそ至高!」
そこへ突撃するポメパン。
ポメパン「ぽめぽめ〜!(とける)」
クロム「君の犬、なにしてんの」
カグラ「ポメパンだ。パンだ」
クロム「だめだこの任務、もう帰りたい」
冷凍パン砲が炸裂する。
セリスティア「結界張るわ、でもパンの香りは通す」
クロム「それ意味あるのか!?」
敵も味方も、なぜかパンを焼きながら応戦。
カグラ「焼き上げろ!焼きそばパン・バグver0.01β発動!!」
──パンの匂いが、空間を溶かす。
フワリ「……あつい……でもおいしい……」
戦争は、焼きそばパンによって終結した。
基地外に脱出したクロムとカグラ。
クロム「結局、俺は何を……」
カグラ「パンを焼いた」
セリスティア「あなたの香り、悪くなかったわ」
ポメパン「ぽめぽめ〜!(勝利BGM)」
上司「……で、設計図は?」
クロム「パンの作り方、完璧にコピーしてきました」
──任務達成。国家は救われた。焼きそばパンで。
お読みいただき、ありがとうございます。
まさかのスパイものスタートでしたが──
気づけばパン論争が戦争を止め、
焼きそばパンが国家の命運を握っていました。
もはやパンこそがメイン兵器。
クロムさんのスパイ人生、たぶんもう戻れません。
セリスティアもポメパンも、さりげなく参戦。
敵のフリーズ団もぶっ飛んでました。
このシリーズ、書いててめちゃくちゃ楽しいので、
「また読みたい!」って思ってもらえたら嬉しいです!
ではまた、焼きたての物語で会いましょう。
ありがとうございました!




