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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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パンがしゃべる世界線って、バグじゃなくて正式仕様なんですか?

パンの焼き加減って、本当にムズいよね。

焦げてもダメ、生焼けでもダメ、でも焼きすぎると個性が死ぬ。

……って、これ何の話だっけ?


今回の敵(?)は、焼きそばパンをジャッジしに来た謎のパン監査官。

いやマジで誰だよ。なんでそんなパンにストイックなんだよ。

もはや焼きそばパンの扱いが、完全に哲学とか宗教の域に入ってきました。


そんなわけで、今夜もノリと勢いでお送りします。

──そのとき、時空が“カリッ”と音を立てて割れた。


まるで焼きたてパンの表面を割ったときのような……

香ばしく、でも異常な感触だった。


 


「また来た……っ!」


セリスティアが杖を構える。


だが、現れたのはどこかシュールで、しかし圧倒的な威圧感を放つ存在だった。


 


「パン監査官《バルミューダ=エアレイド》、参上。」


 


「バルミューダ!?めっちゃ高そうな名前来た!!」


 


現れたのは、全身スーツにパン型のエンブレムをつけた男。

頭にはトーストスロットのような飾り、背中には熱風を巻き起こすジェットファン。


そう、彼こそが“パンの焼き加減を監査する者”。


 


「全世界のパンを均等に、完璧な焼き加減で統一する……それが我の使命」


 


「いや、個性なくなっちゃうじゃん!?」

「てかパン監査官って、思ったより独裁者寄りぃぃぃ!!」


 


バルミューダの手には、“焼き加減調整装置”なる謎の機械。


「貴様らのパンは、焼きムラが多すぎる……全て“標準中焼き”に修正してやる……」


 


「うわー!パンの多様性が失われるー!!」


「いま、パンで人権っぽいこと言ったよね!?」


 


そのとき、“超次元焼きそばパン・Ω”が反応した。


ソースがじゅわっと蒸発し、空間をねじ曲げる熱波が放たれる。


 


──焼き加減戦争、開戦。


 


「いくぞ……“超高温・裏面パリパリモード”!!」


「焼きムラを、焼き返せえぇぇぇぇぇ!!!」


 


空と大地が焦げるような戦いが、いま始まる――!!!


「……貴様、パンを……焦がしたな?」


低く、重たい声だった。


パン監査官《バルミューダ=エアレイド》は、黄金に輝く鉄仮面の下から、焼き加減を検知するレーザーを照射してきた。


「焦げ率3.2%。中は生焼け。評価、不可」


「パンにそんなジャッジある!?」


 


しかも、背中にはパン型のパラボラアンテナが背負われており、空間から“パンの香りの粒子”を検出してるっぽい。何その職人魂、怖すぎ。


「この世界において、パンは文化であり、秩序であり、すなわち法だ」


「パン法って何!?」


「焼きすぎは暴力、生焼けは甘え。すべてのパンに、最適解を──」


 


ビシィッ!!


謎のレーザー測定器を構えるバルミューダ。


「この焼きそばパン、焼き直しを要求する」


「やめろォ!! この焼きそばパンには! 思い出が詰まってんだ!!」


「感情は、焦げ目の言い訳にはならぬ」


「お前、マジでパンに厳しすぎない!?」


「我は幼少より、パンの焦げと向き合ってきた……」


回想が始まった。


「かつて、我が母は言った。“あなたのパン、ちょっと硬いね”と……!」


「地味に傷ついてんじゃねーか!!」


「その日から、我はすべてのパンに“真実の焼き加減”を求めるようになったのだ……!」


「重い、パンに対してストーリー重すぎる……」


 


セリスティアがぽつりと呟く。


「この人、パンにすべてを捧げてきたタイプの人間なんだね……」


「うん、つまり敵だね!!」


 


カグラは、潰れかけの焼きそばパンを両手で抱え込んだ。


「焼き加減はな、自由でいいんだよ……!」


「──愚か者」


バルミューダの背後で、炎のようなパンオーラが燃え上がる。


「ならば力ずくで、その思想を焼き潰す!!」


「焼き直し・強制起動!」


バチバチバチバチッ!!!


空間が歪み、巨大なオーブントースター型の魔導兵器が召喚された。


「その名も──《ヘルズトースターMk-II》!!」


「焼き直しにしてはスケールでかすぎるだろ!!」


 


全長5メートル、炎属性の魔力でパンを一瞬で炙る仕様。


「さぁ、全焼してもらおうか……貴様の信念ごと!」


「やめろー! 俺の焼きそばパンに手を出すなあああ!!」


 


カグラの“全属性無効”が発動し、ヘルズトースターの熱波を完全にシャットアウト。


「……あれ? あったかいだけで、全然効いてない」


「ぬっ……!? 我が熱波が……熱波が通らぬ……!!」


「つまり──パンを焼く熱が通らないってことは、もう“焼き加減論争”に意味がないってことだな」


「そ、そんな……ッ!」


「もう終わりにしようぜ。お前の焼き加減も、尊重する。でもな──」


カグラは、潰れた焼きそばパンを高々と掲げた。


「俺のパンは、これで完成形なんだ!!」


「潰れてるではないか……!!」


「潰れてるからいいんだよ!! 思い出が圧縮されてるんだよ!!」


 


セリスティアが小声で呟く。


「潰れてるのはたぶん、さっきの爆発のせいだよ……」


 


バルミューダは、その言葉に膝をついた。


「……敗北だ。貴様の“焼きそばパン観”……完璧に貫かれている……!」


「うん、よくわかんないけど勝ったっぽい!」


──後日。


「ねぇカグラ、バルミューダさん、パン焼いてくれるようになったね」


「うん、すっげえウマい」


「でも、全部“ジャストミディアム”で焼いてくるの、ちょっと怖い」


「そこは変わってねぇのかよ……」


 


白の庭園に、また一人、パンと向き合いすぎた仲間が増えた。


「今日も焼きそばパンがうまい。それでいいじゃないか」


「うん……あ、でも今度は“蒸しパン戦争編”とか起きたりして」


「やめろ、死亡フラグになる!!」



最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。


今回の物語、いかがでしたでしょうか。

ギャグに振り切ったお話ではありますが、「焼き加減」という

ちょっとしたこだわりの中に、“らしさ”や“違い”を込めてみました。


次回も、ゆるくてバグった冒険をお届けできればと思っておりますので、

よろしければ、引き続きお付き合いください。

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