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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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宇宙の中心で、焼きそばパンを焼く

みなさん、おひさしパン!

今回はついに宇宙規模でパンが戦う回、

名付けて――「パン神vs焼きそばパン」宇宙決戦編!


「ここまで来ると、何が始まって何が終わったのかわからない」というあなた、

正しい感想です。


焼きそばパンに神の一撃が飛ぶ、

空に浮かぶパン大陸ができる、

そして世界中にパンが降る……


うん、たぶんこれ、昼メシ回です。

──宇宙、それはパンを巡る戦場である。


 


「……って、ナレーションが重いんだけど!!」


セリスティアのツッコミが木霊するなか、空間は既に戦火のただなかにあった。


無数の宇宙船が光の矢を交錯させ、レーザーの波にまぎれて巨大なベーグル型の艦船が堂々と浮かぶ。


「我ら、銀河パン連邦は警告する! 地球パン保守派よ、焼きが甘い!」


「甘くてなにが悪いんだ! 焼きそばパンはソースの焦げ目が命なんだよ!」


 


──そう、これは「焼き加減」をめぐる銀河規模の宗教戦争だった。


 


カグラは宇宙服のヘルメットの中で、いつもどおり焼きそばパンをもぐもぐしていた。


「うーん、やっぱり宇宙でも食うならこれだよな……重力ないと麺こぼれるけど」


セリスティアは隣でホバーボードに乗っていた。


「っていうか、なんであんたが真空空間でパン食べてんのよ。常識という概念は?」


「うちのパン、常識の外で焼いてるからな」


「どこの超常現象パン屋よ!!」


 


その時、艦内モニターに緊急信号が表示される。


《観測者連盟からの通信:コード・パンターゲン発動》


 


セリスティア「……なんか、またろくでもない事態が始まる気がするんだけど」


カグラ「パンの香りが濃くなってきた……」


「パンの香りで危機を察知すんのやめて! それ嗅覚じゃなくてバグ!」


 


──銀河戦争、焼きそばパンの香りとともに加速する。


──数時間後。宇宙艦隊は一時停戦し、謎の信号の発信源を包囲していた。


 


「これは……巨大な……パン?」


セリスティアがぽつりと呟く。


宇宙の彼方、惑星サイズの“何か”が、ゆっくりと光の中から姿を現す。


それは、まるで──


 


「……アンパンだった」


「いやデカすぎるだろ!? 星じゃん!?」


 


巨大アンパンの表面には、無数の古代文字とバターの筋が刻まれていた。

中心には、うっすらと“顔”のような模様すら浮かぶ。


 


「……あれ、動いてないか?」


「いや、動いてるわ。あれ生きてるわ。完全に生命体よ!」


 


──その瞬間、艦内に直接語りかけるような“声”が響いた。


 


「……パンを、忘れたか……」


 


カグラ「……だれ?」


 


「我こそは、“始まりのパン”──パン祖《パネウス=サクレ》なり」


セリスティア「パンの神来ちゃったわよこれぇぇぇ!!!」


 


パン祖の声は続く。


 


「かつて宇宙をひとつにした味……それが“焼きそばパン”だった。されど、そなたらは分裂を選び、カレーパン、メロンパン、ナン……異なる焼成へと走った」


 


「パンとは……ひとつなり」


 


その言葉とともに、宇宙空間に“パン重力波”が発生。

すべてのパンがふわふわと漂い、統合されていく。


 


セリスティア「……やばい、焼きそばパンが吸われてる!!」


カグラ「俺の昼飯がぁぁ!!」


 


──このままでは、すべてのパンが“ひとつ”になってしまう!


果たして宇宙に多様性は残るのか?

焼きそばパンの運命は!?




「やばいやばいやばい! 吸われる! 吸われるってば!!」


カグラが両手で必死に焼きそばパンを抱きしめながら叫ぶ。


だがその手の中で、パンはふわふわと浮き、まるで「使命を果たす」とでも言うように勝手に飛び去ろうとしていた。


 


「ちょっと待て!! お前まで行くのかよ!!」


「……あれ、なんかパン、自己意思持ってない?」


セリスティアの言葉どおり、焼きそばパンはくるくると空中を旋回し、

まるで“嫌だ”とでも言うように、パン祖《パネウス=サクレ》の重力波に逆らっている。


 


「これは……抵抗している?」


「そうだよ! 焼きそばパンは他のパンとは違うんだよ!!」


カグラが叫ぶと同時に、焼きそばパンから謎の光が発せられる。


 


──それは、焼きそばとパンの融合が生んだ、宇宙最古のバグ。


 


「なに? なにこのデータ……!」


アロマが解析を試みるが、パンが発する“旨み波動”が演算フィールドを妨害してくる。


「読み取れない!? なにこの、えげつないソース成分!!」


 


そして焼きそばパンは、他の吸われかけたパンたちを“巻き込む”。


「焼きそばパンが……仲間を取り戻してる……?」


 


──パンが、逆流した。


焼きそばパンを先頭に、全宇宙のパンたちがパネウスの重力を振りほどき、ひとつ、またひとつと反抗を始めたのだ。


 


「……うそ……パン、目覚めてる……!」


「パンが、自由意志を持ち始めてる!?」


 


セリスティアが顔を引きつらせたそのとき──


 


パネウスが怒りの声を轟かせる。


 


「分裂は罪……パンは、ひとつ……!」


 


──空間が裂ける。


いま、パンをめぐる宇宙の戦争が始まろうとしていた。



「我が名は……パネウス=サクレ。

焼きたての時代より眠りし、パンそのものを統べる者──」


 


空間に響くのは、低く、重く、そして妙に腹が減る声。


彼の姿は、もはや“パン”の定義から外れていた。

金色に焼き色のついた外殻、無限に広がる耳(※パンの耳)、

中央には巨大なバゲットを斜めに背負い、額には“穀”の字が浮かぶ。


 


「いや、なにその……宗教画みたいなデザイン」


セリスティアが引きつった笑いをこぼす。


 


だが次の瞬間──空が割れた。


いや、“宇宙パン棚”が姿を現したのだ。


 


「見よ、これぞ真なるパンの秩序──

宇宙全域のパンを“等配”し、いずれ全てをパンと化す!」


 


パンディストリビューション・システムの起動。

宇宙のあらゆる星に“パン”を転送し、文明をパン文明へと塗り替える狂気の機構が発動する。


 


「……あかんてこれ。ガチの宇宙バグやん」


セリスティアが即座に結界を展開し、周囲のパン転送を阻止しようとする。


 


「ダメだ……! パンが、すでに私の結界を“具材”として取り込んでる!!」


「そんな都合のいいバグあるかー!!」


 


しかし──


そこに割って入る影があった。


 


「……焼きそばパンよ……いまこそ、世界をバグらせよ」


カグラが、ついに“アレ”を起動する。


 


《???スキル》:焼きそばパン共鳴・Ver 0.01β


 


焼きそばパンが空中で光を放ち、パンの神の演算を上書きし始めた。


「なにをする……! パンの秩序が……バグっていく……!」


「知らん! こちとら、ソースの味しかしらん!!」



「……演算が……く、崩壊する……!」


 


パネウス=サクレの身体に、無数の焼きそばパンがめり込んでいく。


黄金のバゲットの輝きが鈍り、かわりにソースの香ばしさが空間を支配しはじめた。


 


「焼きそばパン……まさか、パン界における特異点……?」


セリスティアの目が点になる。


「これもう完全にパン対パンの戦争でしょ……」


 


そのとき、空が裂けた。


裂け目から現れたのは、惑星サイズの――究極焼きそばパン。


宇宙に浮かぶその巨体は、具がはみ出し、マヨネーズが天の川のように流れていた。


 


「……あれ、俺が一昨日コンビニで落としたやつだな」


「落としてそのまま宇宙行ったの!? どういう物理よそれ!」


 


そしてその巨大焼きそばパンが、まさかの変形をはじめた。


 


──そう、人型に。


 


「我、統合されしパン。名を《ヤキソ=パン=グレイヴァ》と申す」


 


なぜか名前がいきなりロボっぽい。


しかも左腕から高周波焼きそばブレードを展開し、敵性パン(=神)に斬りかかった!


 


「うわ、マジで戦ってる!? パンが! パンがパンと戦ってる!!」


 


パネウス「パンに刃向かうパンがあるか!!」


ヤキソ「パンは自由な存在。定義を縛るな!」


 


宇宙で交差する焼きそばソードとバゲットブレード。


真のパン神決戦が、いま始まった。


 


そして――カグラは。


「おれ……正直、そろそろ飽きてきたかもしんねぇ」


セリスティア「パンの根源に届く寸前で言う!? 空気読んで!!」



パン対パンの戦争は――終わった。


 


バゲットの神・パネウス=サクレは、最期の言葉を遺して消滅した。


 


「……焼きそば……挟んだだけで……なぜ、ここまでの力が……っ……!」


 


カグラは頭をかきながら言った。


 


「知らん。……でも、うまいじゃん? 焼きそばパン」


 


セリスティアは呆れた顔で、宇宙に漂う巨大な焼きそばパンの残骸を見上げた。


「これ全部……パンでできてるのよね?」


「世界の半分くらい、パンだな」


 


まさかの空に浮かぶパン大陸。


 


空の一部が「ふわっ」と揺れ、カグラの頭上に影がさした。


 


──ゴトンッ!


 


「うおっ!? パン降ってきた!」


 


焼きそばパンが、空からふわふわと降り注ぐ。


まるで祝福のように、宇宙からパンが地球各地へ舞い降りていった。


 


「なんか……これって、もう世界終わったんじゃない?」


「いや、始まったんだよ。**“パンの時代”**が」


「やめて。その言い方めちゃくちゃ嫌な予感しかしない」


 


そうして、地上にはパンがあふれ、


人々は――昼飯を浮かべて空を見上げる時代に突入する。



おつかれさまでした!


ここまでパンが世界を動かす物語、見たことありますか?

ない? ですよね!


今回は「パンの神が宇宙から来て、焼きそばパンとガチバトル」という、

もはや編集部に送ったら怒られそうな話を全力でやりました。


でもね、楽しかったんですよ。


焼きそばパンって、やっぱり最強なんだなって。


次回もたぶん、まともには戻らないです。


ではまた次回!

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