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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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バグを直しても、焼きそばパンは焼く

パンによってバグった世界、

それを修正するために集まった識者たち──


だが、そこにいたのは……

焼きそばパンを食べながら寝落ちしてる本人だった。


今回のテーマは「修正」と「混沌」、そして

**「どうしてこうなった」**です。


ギャグは止まらない。バグも止まらない。

でも、焼きそばパンだけは焼き続ける。


ふわふわした気持ちで、どうぞお楽しみください。

「……というわけで、演算の齟齬が広がっています」


真顔で告げたのは、観測機構の“眼”ことアロマ。

その視線の先、半円形の魔導ホロスクリーンに表示されているのは、世界の現在進行ログ──


その大半が、焼きそばパンだった。


「カグラさん、あなたのせいで“因果律の主語”が全部パンになってるんですよ」

セリスティアが青筋を立てながら言う。


「どーでもいいけど、“主語”って何だよ……ってか、パンうめぇ」

カグラは床に寝そべりながら、焼きそばパンを一口。もぐもぐ。ごろごろ。


「……君のせいで、時間軸がパンでできている」

シオンが重々しく言った。


「時の流れって、焼くと香ばしいんだな」

「その発想がバグだわ」


 


世界の中心ホワイトガーデンの会議室に集まったのは、

観測機構、魔王軍、王国、第三勢力、それと……カグラ。


本来ならあり得ないメンツの共演だが、

“世界が焼きそばパン化する”という緊急事態の前では、全勢力が一時停戦せざるを得なかった。


「もはや、パンを食べると記憶が上書きされるレベル。

このままでは“文明”そのものが“ランチ”になる……」

シオンの言葉に、誰もツッコまない。もう慣れた。


 


「……パッチを適用します」

アロマが立ち上がり、魔導式の修正プログラムを展開した。


「このバグは、パンを起点とした存在拡張干渉。

パンをパンとして保ったまま、干渉構造を初期化します。理解できましたか?」


「ほとんどの読者が理解してないけどやってくれ」


「じゃあ、“パン以外のもの”をパンじゃない状態に戻すってことで」

「うん、なんとなく分かる気がする……気がするだけ」


 


──世界の修正は、静かに始まった。


だが、カグラが黙っているわけがなかった──


 


「ん? このコード、ソースにソース味って書いてある……

……ちょっとだけ、味見していいか?」


「やめろォォォォ!!!」


 


その瞬間、修正パッチに指を突っ込むカグラ。

ソースがはじけ、世界がふたたび“ジュウッ……”と香ばしく焼かれ始める。


「バグを除去したが、別の何かが壊れた……」

アロマの顔が、魔導ホロに映るジュースまみれのコードを見て凍りつく。


「……あ、これ……うっかり世界のフォントも焼きそば風に変わったかも」

「カグラァァァァァ!!!!」


 


世界は修正された──が、

同時に何かが、確実におかしくなっていた。


世界の修正パッチ──

それは本来、極めて繊細かつ絶対に人間の指など触れてはいけないものだった。


なのに。


「うーん、ソース少なめ……ってか、この辺“マヨ抜き”って書いてあるのがバグじゃね?」

「それはお前の味覚の問題だァ!!!」

セリスティアの絶叫が、世界のコードにこだまする。


 


修正作業が始まって数分。


──もうすでに、世界の挙動は“ちょっとだけ変”になっていた。


 


「……マスター、さきほどからこの部屋に小さな黒猫が混じってますが」

アロマが静かに言った。


「え? ああ、うちのご主人やで」

猫が喋った。


「え、喋った!?」


「にゃー。ていうか、喋るようになったんや。突然や。

しかも最近、味のセンスが悪いにゃって言われると落ち込む性格になった」


「誰が設定したんだそれ!?」


 


「……セリスティアの口調が……」

シオンが眉をひそめた。


「……あっかーん! こらアカンわ!! なんやこの世界、全体的に味付け濃いっちゅーか、ソース多すぎや!!」

セリスティアが突如、流暢な関西弁になっていた。


「えっ!? えっ!? なんで!? 私、なんでエセ関西人になってんの!?」

「いや、むしろめちゃ本格的」


 


「カグラのパンが……」

アロマが呆然と指を差す。


「……浮いてる……しかも、空間を……吸ってる?」


「ちょっ、お前のパン、勝手に異空間生成し始めてるぞ!? なんか裏の空間がパカッて開いたけど!?」


「いや~……ほら、トーストってサクッてなるじゃん? 空間もサクッと開く的な」


「黙れ! 意味わかんなすぎるのにそれっぽいのが腹立つ!!」


 


──結果。


世界の修正は、いったん止まった。

原因:カグラが味見したから。


現在の状況:

•猫が喋る

•セリスティアが関西弁

•空間がパンで圧縮されている

•流れるジュースが熱燗になる温泉が湧き始めた(謎)


「……これ、ホンマに直ったって言えるんかな?」

「なんか、“直った風”って感じだよな……」

「なんならより深刻なバグ生まれてない?」


「……おはようございます、ご主人」

起きたら隣にいたのは、**猫耳メイドの黒猫(人型)**だった。


「いや誰だよお前!!?」


「……まさかとは思ったが、君のパンが具現化した存在かもしれない」

シオンが神妙な顔で言う。


「具現化!? パンが!? しかもなんで猫耳!?」


「深層パン意識の中で君が最も欲していた存在……そういうことでは?」


「やめろ! 勝手に俺の無意識をパン化するな!」


 


その頃、白の庭園では──


「温泉……が……ジュースになってる……」

セリスティアがぽちゃんと足を入れる。


「んあっつ!!」

カグラが足を突っ込んだ瞬間、レモンソーダだったはずが熱燗に変化。


「なぜ!?」


「温泉のアルゴリズムが“ランダム変換式”にバグってる……」

アロマがメガネをクイッとする。

「これは……“しばらくは温泉に期待してはいけない状態”です」


 


そしてついに庭園の空間がパンで圧縮され──

空間が“ふわふわ”になる。


「……歩くたびに跳ねるんだけど」

「重力干渉がバターロールベースになってるね」


「バターロール基準!? なんでパンのふわふわが重力に影響与えるのさ!!」


 


そこに突然──


「ハァ〜〜〜い♡」

ふわふわ空間を突き抜けて現れたのは、王立魔術院の厳格なはずのメルゼス。


……なぜか、女装していた。


「誰がこっちにバグ干渉した!!?」

「観測外です」

アロマが即答。


「観測外で終わらせるな!!」


 


結論:

世界は……たぶん元通り。

少なくとも、焼きそばパンはうまい。


「パンがあれば、世界は救える」

カグラのそんなひとことを、誰も否定しなかった──

(脳が焼きそばパンに支配されつつある)


 


次回!

『“修正済み”って書いてあったのに直ってなかった件』

乞うご期待──!



焼きそばパンがバグを起こし、

焼きそばパンが世界を圧縮し、

そして焼きそばパンが重力を書き換えた──


……どうしてこうなった。


今回は“世界の修正回”だったはずなのに、

気づけば女装、温泉ジュース、関西弁と、

謎の事象がてんこ盛りになっていました。


でもまあ、カグラ的には「なんとかなった」みたいです。

(たぶん、ならないよりマシ)


次回はさらなる“修正済みバグ”と戦うお話……かもしれません。


それでは、次回も焼きたてでお会いしましょう!

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