噂になった飛行魔法具
ブックマークが消え筆が止まってしまったのですが、ブックマークが復活したので改めて頑張ろうと思います。登録された方に感謝致します。
今日はタルトの実家がある町まで日帰りで飛ぼうと計画していたが、フォルテの魔法が持たないしスピードも出ないから、フォルテの飛行魔法具を作ってから、川を下って河口付近にある海鮮丼屋で昼食をとり、そこから海岸沿いを南下することになった。
エアちゃんのおやつと水は忘れない。
恋人さん二人はブルマじゃないけど、ショートパンツをはいている。絶景です。
特にフォルテは初めて見せてくれた太もも。俺のためにありがとう。俺なりに頑張って褒め称えました。舞い上がった俺は、フォルテにお礼として飛行魔法具をプレゼントすることにした。
「フォルちゃん。丸太のままじゃなくて、ちゃんと作るよ」
「いえ、腰を掛けたままスピードを出して曲がると、滑って落ちる気がします。だから跨がるのが欲しいです」
「だったら自転車みたいなハンドルとサドルをつけたらどうかな?」
我ながら良いと思う。
「丸太に?フォルちゃん。私に任せてもらって良いかな」
「あまり凝らなくて、遊びに行ける時間でお願いね」
「任せて」
タイカの木工の技能は俺より上。僅か一時間でタイカが作ったそれは丸太を削り、横からはドンコやハゼみたいな頭の大きな魚にも見える形にして、しっぽの方には凹型の座るところがあり、上からだと瓢箪形に見える。
「終わりなのか?」
「まさか。ハンドルの位置と高さを決めるから、フォルちゃん、ここに座って」
「はい」
「ダーリンは魔法陣を組む場所と大きさを教えて」
「了解。フォルテが座っているところと前方には500MMの長さがあれば大丈夫」
「その二ヶ所ね。フォルちゃんはどう?高さはこの辺りで良いかな?」
「はい。その辺りでお願いします」
「私はハンドルを作るから、ダーリンはハンドルの記しに掛からない様に魔法陣をお願い」
「了解」
「私は少し磨いてます」
◇◆◇
「どうかなフォルちゃん」
「飛んでみて良いかな」
「いいよー、エアちゃんはフォルちゃんに乗って、フォルちゃんの言葉を私に伝えて欲しい。それでダーリンは後片付け」
「『「了解しました』」」
◆◇
一気に100M位まで高度を上げて蛇降川に向かう。
少し疲れたけど、空は気持ちが良いな。
『主。首のところに入れて』
「いいよ」
肩にいたエアちゃんが、前に回って服の中から首だけ出した。
『主はタイカの尻に敷かれてる』
「タイカのお尻は可愛いから平気」
『主が良いなら、それで良いよ』
『エアちゃん、そんなことありません。私はダーリンを立ててます』
『私はいつも主さんが好きですよ』
『フォルちゃんずる、私も大好きよ』
『うちも好き』
「ありがとう。川についたけど、下りて川面すれすれで行くか?」
『釣り人がいるから、この高さで海まで行こう』
『はーい、先に行きますよー』
フォルテ、タイカ、俺の順で飛んで行く、時速60KM位だと風が強い。サングラス以外にも、何か対策が必要だな。
『どうかな、フォルちゃん?』
『気持ち良いですよー』
『河口近くの海鮮丼のお店だよ』
「何軒も有るよね?」
『どこも外れは無いから大丈夫だよ』
食後に海岸沿いも高度をとって南下し、甘味処を見つけたので、ところてんを酢醤油と黒蜜の食べ比べをして帰ってきた。尚、二人はクリーム餡蜜を追加している。
新月の夜に飛びたくはない俺を、タイカが尊重してくれ、安心したのは内緒だ。
沖の方に出て海面から2~3Mを浮かびエアちゃんに、水とおやつをあげる。
「お店は別だったけど、二食続けて海鮮丼は二人とも凄いね」
「ウニ丼が言うな」
「でも、そっちは見た目までそっくりでしょ」
「味までそっくりでした」
「えぇぇ、フォルちゃん違うと思う」
「でも美味しかったから良いですよ」
「真実だね」
『主。お風呂に入りたい』
「潮の風で羽がベタついたの?」
『羽がしょっぱい』
「帰ろうか」
「フォルちゃん、今日はカサヲとの時間、私が先で良いかな?」
「いいですよ。主さん、今日はタイカちゃんが先ですよ」
「ダーリンよろしくね」
「了解。飛ぶよ」
『帰りは、タイカと一緒する』
「エアちゃんおいでー」
◇◆◇
俺の部屋の前に人の気配を感じる。タイカの部屋に行くつもりでシャワーを浴びたあと、パジャマに着替えていたが、そのまま扉を開ける。
「カサヲさん、こんばんは」
「こんばんはランさん、バイトお疲れ様でした。それで気の注入ですか?」
「残念ながら依頼よ、着替えて飛行魔法具を持って下に降りて来て」
「説明が足りません」
「飛行魔法具について、フォルテのお兄さんが来ているから急いでね」
着替えのために部屋の中に戻ろうとしたら、ランさんも中に入ってきた。
「これがそうなの?」
ランさんは扉を開けてすぐに立て掛けてある、ボードを指し聞いてきた。
「そうです。今はエアちゃんが寝てるので静かにね」
「はーい。変わった形だけど市販品かしら、それともカサヲさんが作ったの?」
「タイカですよ」
「そうなの、フォルテちゃんのもそう。そうね、流石ハチクのお嬢様。それならタイカちゃんも呼んでくる」
フォルテのお兄さんは、たしか名前はバライさんだったよな。俺とフォルテとの関係は知っているはず、緊張します。
タイカとランさんに合流して行くと、フォルテとバライさんがいて挨拶を交わし、タイカをランさんが紹介する。
「同じハチクか、なるほど。何も言わなくても分かる。それで噂の飛行魔法具を貸してもらいたい」
なるほどの意味が何か聞きたいが、バライさんは俺のボードに乗って、星空に向かって飛んで行った。
部下さんも上空に居たらしくフォルテの飛行魔法具を乗っている。
「ねえ、フォルテちゃん。バライ兄さんにはカサヲさんのことは言ってないの?」
「報告することではないと思いますよ」
「そうね。婚約でもしなければ言わないね」
それを確認したかったみたいで、ランさんはタイカの飛行盾に乗り急上昇して行った。
「でもバライさんは、俺とタイカの関係を勘違いしてないかな」
「兄さんは思い込みが激しいから、たぶんその通りですけど、間違いでも無いし、認識を訂正するには面倒な人なんです」
「警察に居て良い人なのか?」
「兄さんは警察に所属しているわけではありませんよ。兄さんの所属は王室預かりで、警察はバイトです」
「王室預かり? でも銀爵は使える魔眼持ちの公務員だよね」
「はい、そうです。正しくは銀爵会所属の準公務員で、兄さんは警察へ一時出向になっています。でも兄さんは別に税金泥棒になってませんから、安心してください」
「いや、そこは良いけど、警察の仕事で思い込みとかがあったら、怖いなと思っただけ」
「兄さんの魔眼は言えませんが、魔眼の力が有用なのです」
「それって魔眼カメラに写るかな?」
「写るのもありますけど、どのように写るかは分かりません」
「だったら、フォルテからバライさんにカメラを試すように頼んでもらえるかな?」
「はい。頼んでみますね」
3人は乗り物を交換しているから、明日はタルトの実家が有る町へ行く予定だったけど諦めていた。
「ランちゃんが依頼とか言ってたよね」
「自分が欲しくなっただけの、個人購入だと思います」
「だったら、ランちゃん入れて三台かな。ダーリン、いくらが良いかな?」
「俺だったら組合に全て任せる」
「そのほうが良いの?」
「適正価格が出せるし、断るのも簡単だからね」
「なるほどね。副業だから、そのほうが良いか」
◆◇◆
「跨がる方の飛行魔法具を、今度の祭りまでに少なくても二十台を依頼したい」
「二日では物理的に無理です。それに仕事になると組合を通す必要があります」
「警察からの依頼だぞ」
「だったら、ルールは守らないと駄目ですね」
「どこの組合だ?」
「魔工組合で御願いします」
「白爵組合ではないのか?」
「単独依頼ならそれでも良いですが、人手が必要ですから魔工組合に緊急依頼した方が良いです」
「それなら木工組合にも依頼した方が良いと思います」
「面倒だが必要なことなのだな。明朝、迎えを寄越す。タイカ君とカサヲム君は出掛けるなよ」
「了解しました」
「私達は本当ならお休みなのです。その分を考慮して手当ては弾んで欲しいです」
「私が決める訳ではないが適正価格しか出せない。それでも大金になるぞ、必要な金の使い方だ。ランは自分で頼めよ、バイトの分まで今回は無いからな、お友達価格にしてもらえ。それでは、今から上司と相談があるから失礼する。お疲れ様」
「「お疲れ様でした」」
バライさんはフォルテの飛行魔法具を乗って行ってしまった。
あれ?あんたもバイトではないの?
「フォルテ、ちゃんと返してもらえよ」
「ランちゃんが明日の帰りに乗ってきます」
「そうなんだ。フォルテにプレゼントしたのに、持っていかれたから面白くなくて、お兄さんを信用できなくてごめんね」
「いいですよ。分かりますから」
「でも二十台は明日で終わらないよな」
「休みの日なのに」
「逆に仕事を入れていない人が多い、魔法具工房は店を開けても接客だけの人もいるから緊急依頼しやすい、出来る人に来て欲しい」
「休みの日なのに?個人事業主は大変ですね」
「大手は交代で休みを取るか、組合からの割り振りされた仕事だけの人もいる。出来れば後者の人に来て欲しい」
「組合からの仕事だけの人の方が腕が良いの?」
「そう、魔工組合は保証をつけるからね、難易度に合わせて仕事を回しているけど、信頼出来るところが優先される。それに指名依頼は白爵組合からも来る。そんな工房主になりたい」
「目標が研究所では無かったの?」
「元々家業を継ぐつもりだったから、研究所は全く頭に無かった」
「フォルちゃんは目標とか有るの?」
「はい。国や社会の役に立ちます」
「えっ、そのために何をするの?」
「今は栄養を蓄えています。あとは主さんのお手伝いをすれば、自然と世の中のお役に立ちます」
「ダーリンのお手伝いをすれば、世の中の役に立つ。ダーリンの責任が重い」
「違いますよ、軽くするためにお手伝いをすれば良いのです」
「フォルテさん、飛行魔法具を作れば、警察が活躍できるくらいで許して欲しい」
「さんは無しですよ主さん。今回の私は何の役にも立ちませんから許します。でも主さんの役に立てるタイカちゃんがうらやましいので、私は出来ることを増やしていきたい」
「フォルちゃんの分も頑張る」
「タイカちゃん、よろしくお願いします」
「それでカサヲさん、ランはあなたのお友達ですよね」
「はい。誕生会にも来ていただきました」
「カサヲさん、サービスします」
「交渉はタイカにお願いします」
「タイカちゃん、サービスします」
「何をされるの?私」




