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誕生会

「おめでとうございます。乾杯」

「「おめでとうございます」」

「「ありがとうございます」」


唯一取れた竹林の個室でタイカの乾杯の音頭から誕生会が始まった。

客を共通の知人に絞ったら、タイカ、タルト、リン、そしてバイトが有って遅れるランさん。男がいない。寄宿舎に挨拶くらいかわすのはいるが、友人関係までは到っていない。研究所で出来れば良いが年上ばかりだ。教育大隊に入ってからは男子の友達を作るため積極的になる。よし。


「先輩達がしている、お揃いの腕時計がプレゼントですか?」


「そうなの、今日の昼間に(あるじ)さんと選んだの」


「フォルちゃん、私も同じの買ったら駄目かな?」


「良いですよ。仲良しさんですから。でも(あるじ)さんからもらえますよ」


「そうなの?」


「フォルテが言い出した。もう過ぎたけどタイカの誕生日のプレゼントも欲しいと言われてな」


「フォルちゃん。ありがとう」


「どういたしましてー」


「さすがに持って来なかったから、あとで渡すよ。貰って嬉しい渡され方をリンから教えてもらってからになるが」


「リンちゃんのサプライズが楽しみ」


「今、私の名前が聞こえたけど、気のせいです」


「サプライズは無理らしい。ごめん。リンの力不足だ」


「カサヲ、あんまりいじめないであげて」


「本当にひどいです、あとでお詫びの品を要求します」


「この馬刺で良いな、口を開けろ」


「ちゃんと、あーんてして欲しい」


「リン。あーん」


先付けが馬と鰹の刺身?秋だな。

リンからのプレゼントが葡萄の発泡酒、タルトからは米酒、ランさんから赤葡萄酒。タイカは白葡萄酒とフォルテには俺とのお祭りデート権。俺には望みを叶えてくれる権。酒が多いぞ、泥酔したら薬物犯罪なのにチャレンジャー達だ。

季節のサラダに季節をあまり感じないのは俺の感性不足のせいかな。

カボチャのポタージュが酒と合わないのは新発見だ。

サンマの塩焼きは米酒。


「フォルテお姉ちゃん、なんで(あるじ)さんて呼ぶのですか?」


「エアちゃんが(あるじ)と呼ぶからなの。エアちゃんから(あるじ)さんを紹介されたのー」


「先輩、ナンパにエアちゃんを使ったの?」


「フォルテとエアちゃんは、俺より先に出会ったぞ」


「エアちゃんが有能過ぎる」


「リンちゃん、使い魔さんは皆すごいですよ」


「私も使い魔が欲しい。欲しいけど兵役があるから悩むー」


「カサヲムさんは、そうか、個室が貰えるから大丈夫なんだ」


「どうせ着いてくるからね」


「閉じ込められないからね」


「ごめーん、遅くなりました」


◆◇◆


「おめでとう。乾杯」

「「「「「かんぱーい」」」」

「「ありがとー」」


後輩達はフォルテと俺の馴れ初め話に戻したので、食事を進めているふりをして、話しを振られないようにする。

俺の集中力は凄い。何も聞こえないし、何の味もしない。フォルテはランさんまで爆破した。いや聞こえない。しまった味覚が戻ってしまった。

へぇ、ランさんは男の子に興味があったのか。おっと松茸飯と茸汁に集中しないと、


「防音してない」 

現実世界に帰ってきてしまった。


「お帰りなさい、カサヲ。私が掛けといた」


「良かった。確かに掛けてある。被害はこの部屋内で収まった」


「それでも重大な被害になっているわ」


「みんな温かいうちの方が美味しいよ」


「カサヲム様。私は貴方の松茸を所望します」

「だーめ、タルトちゃんは強敵過ぎるの。ごめんね」

「ねえタイカちゃん。私もなかなか手強いと思うわよ」

「私もランちゃんは強敵だと思うけど、今のところはセーフ。結果は出てるわ」

「本気になれば、最後の魔法を掛けてしまうわ」

「本気にならないで下さいね、ランちゃん」

「フォルちゃん。なんかね悲しいの。仲間外れが嫌なの。たまには男子とデートがしたいの。だから私も同盟に入れて」

「だーめ」

「気を覚えたい。だったら良いよね」

「どうしよ、タイカちゃん」

「私達が一緒なら良いと思う。気が扱えると魔法も成長する。だからランちゃんも覚えて欲しい」

「ありがとう、タイカちゃん」

「俺の意見も聞いて欲しい」

「大丈夫よ、無節操に増やすと風紀員から怒られるからね」

「絶対、男に注ぐのは勘弁して欲しい」

「アパレ君が頼んでも?」

「無理、怖い」

「先輩はアパレ先輩に気を注いだのですか?」

「見てみたいです。可愛い系男子とカサヲム様の組み合わせ」

「タルト、本当に無理、思い出したくない。あと様は無しで」

「はい。お兄ちゃん」

「あれ反応が薄いです」

「実の妹がいるから」

「残念です」

「タルトちゃん、それなら呼び捨ての方が良いわよ」

「年上の方を?カサヲム?」

「ヤバい、生意気なお嬢様」

「私もそうする。カサヲム」

「なんでリンは、残念な美少女になるんだ」

「私は残念。残念」

「カサヲもリンちゃんは綺麗だと思っているわ。だからリンちゃんは僕っ()にしたら?」

「僕?」

「リンは僕を禁止。もう少しでレディになれるのに、僕を使ったら遅くなる」

「あと少しでレディ扱いして貰える。分かりました先輩」

「合っていると思うから、少し残念」

「私はカサヲムにはどう見えてるの?」

「タルトちゃん、だーめ。呼び捨て禁止。タイカちゃんが言う通り強敵過ぎる。あなたは可愛い過ぎ」

「待て、誕生日のプレゼントとして要求する」

「今日だけなら」

「そうね。いいわ」

「私はお姉ちゃん達の強敵なのですか?お姉ちゃん達の方が鏡が嫉妬するくらい美人さんで、可愛いくて頼もしいです」

「タルトちゃん、ぎゅうして良いかな?」

「はい、フォルテお姉ちゃん」

「わたしも混ぜてー」「はーいタイカお姉ちゃん」

立つのかよ


「ねえ、リンちゃん。いつからこんなに仲良くなったの?」


「カサヲム先輩と再会してからです」


「私とも仲良くしてね」


「はい、ラン先輩。あとカサヲム先輩も」


「リンとは仲が良いと思っていたが、俺の独りよがりか」


「はい、まだまだです。私は先輩の男の子と遊んだことがないです。すぐに紹介してください」


「そのうちな」


「だーめ。聞こえてるよ」

(あるじ)さん、めっです」


このあとゲームが始まったが俺の関係が無いところで、キスをしたりとかしているのを、物欲しげに眺めていたからなのか、帰りのゴーレム車に乗る前に、リンとタルトはほっぺにキスをプレゼントしてくれた。


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