少なくなる甘い時間
グランドを借りたのは午前中だけで、そこで帰るはずだった後輩二人を連れて、タイカは屋上に上がって行った。
別れ際にタイカがキスをしてきたことで驚き、少し気恥ずかしくなって俺たちをオーラで包みこんだ。年下の女の子だからなのかな?前の学校の奴らに俺はタイカを自慢したかったのか、見せびらかしてたよな。
でもタイカも変わったな、以前は二人でいるところをクラスメイトに見られただけで恥ずかしがっていたのに大胆になった。
それに当てられたのか、部屋に入るなりフォルテがキスをしてきた。休みに入ってからはおやすみのキスだけだったからこれも意外だった。
フォルテは可愛いし、やっぱり綺麗だ。お姉ちゃんと呼ばれて嬉しい気持ちがこちらにも伝わる。タルトに感謝しないとな。
先にシャワーを浴びベッドで横になってた俺の腕を枕にフォルテが潜り込んできた。
「ねぇ、あるじさん。ごめんなさい」
「何を謝ってるの?俺からは、いつもありがとうだよ」
「タイカちゃんが、あるじさんが拗ねてるって言って、このまま私が独占しちゃうよって言ってた」
「なるほどね。俺は拗ねていたんだ。フォルテの勉強を邪魔したらいけないと頭では思っていた。ここでフォルテに頑張ってもらわないと俺達は一緒に研究所にいられないと思って」
「うん。私も焦りがあったと思う。あるじさんやタイカちゃんに追い付かないといけないと思ったの」
「それでも俺は研究者のレベルではないんだよね、アカデミー入りの記念講演も無し、セレモニーも無しで魔眼による発見の功績だけの扱い。俺一人だったら王立研究所には呼ばれていない。二人の魔道師魔法とセットで呼ばれたと思う。だから三人なら出来ることを探して行こう。まずはレポートが完成したら魔眼写真機を完成させないと、半年は意外と時間が少ない。だから三人で頑張ろう。でも、たまには遊びに行こうよ」
「はい、あるじさん。私に出来ることを、二人に役立つことを、研究所の役立つことを、社会に役立つ、国に役立つことを探していきます」
「国や社会は教育隊から戻ってからにしない? 時間も少ないからね」
「時には大きな視点からも見る必要もありますよ、あるじさん」
「とりあえず俺は目の前の物を片付けて行くよ」
「はい。それで少し教えて欲しいところがあるのです」
「了解しました、分かれば良いけどね」




