エアちゃんの魔法
『起きて。主。起きて起きて起きて』
エアちゃんに起こされる。
寝坊した俺を起こす以外に、俺が起き出す前に鳴くことはなく、先に起きても静かにご飯を食べている。
それなのに念話で起こされる貴重な経験をしている。
「エアちゃん。おはよう。早いね」
『主。おはよう』
『あるじさん。おはようございます』
『カサヲ。おはよう』
「二人ともおはよう。今日から研究所に行くで合っているか?」
『合っていると思う』
『了解。それじゃ』
『待って。今はエアちゃんに繋いでもらっているから』
『うん。うちからつないでる』
『でも、直接繋がってしまうことあったよね』
『あれから念話について調べて、エアちゃんに繋いでもらえば大丈夫』
『それで私達は念話についてのレポートを作成したから、研究所に提出したいのです』
『私達は魔導師と言ってもカサヲのおまけ。所長さんと話していたのはカサヲだけだった』
『アカデミーと聞いても良く分からなくて、私達も研究所の役に立てる人になりたい。所長さんに認めてもらいたい』
『分かった。俺がレポートを確認する』
『ごめん。二人だけでやりとげたい』
『俺の名前を書くつもりはないけど』
『分かっています。それでもです』
『分かったよ二人に任せる。念話の結論だけ教えくれ』
『人間同士だと危険』
『分かった』
『それで今日の予定だけど、13時に門の受け付け集合。私はホテルからお菓子を準備して直接行くから。二人にはこの前作った魔道具とフォルちゃんにはレポートを持って来て欲しいの』
『ホテルはすぐだよね?』
『確かにホテルからも見えるくらい。時間になれば分かるから、フォルちゃんにはカサヲのことをお願いしたいの。エアちゃんは私と遊んでくれるかな?』
「え?ホテルから見える。遊ぶ?」
『主。行ってきます』
『エアちゃん!タイカ、フォロー。鷹とカラスはぶちのめせ』
『エアちゃんを捕まえられるのは竜人様だけだよ』
「いや、それでも。もう少し。行け、エアちゃん。よし。助かったぁ。あれ、知ってたの?」
『壁抜けなら、エアちゃんがお泊まりした時から』
『篭や壁を自由自在に通り抜けるのを見て、召喚がイメージできましたの』
『知っているなかで、一番凄い魔導師だね』
『あるじさん。朝食でも食べに行きませんか?10分後にお伺いします』
『了解』
うちにお迎えしたばかりのエアちゃんは私が出掛けようとすると篭の中で大暴れ。
ある時、暴れてたら篭の扉が開いて私もエアちゃんもビックリ。戸惑いながら私のところに飛んで来て、可哀想だけどそのまま篭に戻ってもらいました。
それ以降は暴れなくなり、見送るだけになってしまいました。
鳴きながら飛んで来たのも、この時が最初で最後でした。
本当にごめんね
そんなエアちゃんが、もし魔法を使えたらのお話しです。




