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後輩達の目標

「あら、お帰りなさい。カサヲさん」

「こんばんは、ランさん」

「うあ、寝ています。可愛い」

「ありがとうございます」


大切な魔法陣を持って出歩けず、一旦寄宿舎まで戻ってきてエレベーターに乗ろうとしたらランさんがいて、手のひらで丸くなり寝ているエアちゃんを誉めてくれた。うちの()は可愛い。


「ちょうど良かった。フォルテちゃんは今晩は戻って来ないの」


「実家にでも行ったのですか?」


「ええ、先日、空を飛んだ時にスカートの中が見えて新聞に苦情の投稿があったようで、それで長老方に注意を受けています」


「王族の長老には関わりたくはない。でもフォルテってバレたのはなんでだろ」


「みんな気さくな方々ですよ、それでユニゾンの魔導師を見たくて来る人がいるのに、外を飛んだら見られてしまうわ」


「顔バレしてる有名人は可哀想」


エレベーターで別れ、部屋に入ったら慎重にエアちゃんを寝床に移し、預かった魔法陣は机の引き出しに入れた。オニキス社以外の魔法陣もある。1社に統一してれば楽なのに。決めつけてはいけないが、これが悪さの原因かな。


明日で夏休みの最終日だけど今夜は、タイカも泊まりだから二人とも不在か。

所長さんが夏休み明けと新月明けに来いと言ってたけどどちらだろ?浮かれて確認してなかった。目の前だから門の受け付けで聞くか。


隣のリンの部屋から音が聞こえるな。防音の魔道具をかけて無さそう、俺もだが。そういえば二人とも帰ると言っていたよな。

さっきは部屋から追い出したから送ってやるか。


「リン、俺だ、カサヲムだ」

二人ともリンの部屋だ。


「先輩、どうされましたか?」


「お前ら帰ると言ってたのに暗くなってきたから、さっき追い出したお詫びに送ってやるかと思ってさ」


「嬉しいですけど、少し遠いですよ」


「車を出すから大丈夫」


「ゴーレム車ですか?甘えても良いですか?」


「いいよ。すぐ出られるなら玄関に車をまわすぞ」


「はい。お願いします」


「先に行ってるぞ」


「はーい」


暗視はできるが車前方についている光の魔道具を発動させ、車を玄関に寄せると二人が待っている。二人ともお嬢様だからドアを開けてやるか。


「お待たせいたしました。お嬢様方」


「先輩を侍らせる。良いです」


「素敵です。カサヲム様」


「また、様になっていますよ。ボーお嬢様」


「失礼しました、カサヲムさん。でもゴーレムではありませんね」


「兄貴の会社の新製品で明日から販売するやつ。いいから乗って」


「私が横に乗ります」


「じゃあリン、道案内をお願い。さすがに家までは、分からないからな」


「リンもお嬢様をつけて欲しいな」


「今日だけですよリンお嬢様。それでは、お嬢様方。どうぞお乗りください」



「それでは発車致します。ところでリンお嬢様は幼名のままで改名しないのでしょうか?」


「はい。でもリンはあだ名で幼名は内緒です。ただリンはそのまま使いたいです」


「幼名を聞きたい。でも我慢する。ボーお嬢様は?」


「私は意味のある名が欲しいので改名します」


「だったら、白爵位を取らないとね」


「はい。頑張ります。法律検定二級を受かったら誉めてください」


「いいよ。頑張れ。でも二級だと人数が多くなっているから、兵役で後方任務に就けないかもしれないよ」


黒爵位が兵役免除になったら、元々後方任務をやっていた上級学校生がこぞって法律検定特級を取り、後方任務をする人が居なくなってしまった。

必要人数を確保するために法律二級取得者まで下げたら、後方任務者の定員から溢れる者が出そうな為に、あくまで噂だが会計資格持ちが優先されるかもと伝えた。


「はい。魔法医を目指して専門課程は医療科を選択するつもりでいますので、二級取得はおまけのつもりです。でも個室は欲しいから入隊前に爵位は欲しいです」


「魔法医なら白爵位が貰えるね。でも無駄に病人や怪我人が増えそう。俺も病気になったらボー先生に診てもらいたい」


「はい。お任せください」

ボーが接待してくれるお店なら指名で行くぞ。


ボーを先に下ろす。ボーの邸宅が大きい。だけど新邸。旧邸宅は国へ返還して美術館になっているとか。すごい。


すぐリンの家の前まで着いたが、お嬢様は話しがしたいらしい。


「私は上級学校に出来れば行きたい」


「上級?いやいや。あいつらは頭の出来が違い過ぎる。脳の容量には限界があるから、魔法も魔眼も使えないやつは賢過ぎて同じ人間には思えないぞ。まだ、魔法科学研究所付属校を狙った方が良くないか?」


「そんなに違います?」


「周りに魔法を使えない人はいなかったのか?」


「そういえばいなかったかも」


「近所に上級学校へ行った先輩がいたけど、もう別の人種だ。上級学校はそういう人の為の学校だ。前の学校から行ったやつはいないな。魔法使いはいないと思うから俺には無理だし、入れても苦労すると思う」


「そうですか。将来、上級行政官になりたいと思ったので一番の近道かなと思って」


「あー、ごめん。その目標なら確かに近道だわ、でも黒爵は兵役免除になったろ。正確には法曹界に入れば兵役免除のはず。法律が変わったばかりだし、これから上級行政官になる方法も変わると思う。まあ新聞からの受け売りだけど」


「いえ、ありがとうございます。元々は後方任務狙いの考えだったし、そのための勉強もこれから準備しようかな程度でした。今日は送って頂きありがとうございました。また相談に乗ってください。それでは失礼します」


「じゃあ、おやすみ」


「はい。おやすみなさい」


ああ難しいな


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妊娠して徴兵逃れをした女性の復権のために、ベビーブームにより兵数が増えた期間だけ、難度が高い黒爵位のみを兵役免除にしたようです。

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