お義母さん
タイカに問答無用で侯爵ホテルに呼びだされた。
侯爵ホテルの名のホテルは、俺のご先祖さまとは別の侯爵家が起こし、早くに侯爵位を王に返還したけど、ホテル名に侯爵を入れることを許され、爵位を持っていない者が入ることを拒絶する高級ホテル。
このホテルに入るために、ホテル脇の貸し服屋で服を借りて、ボーイに案内されて部屋に入ったとたん俺は固まってしまった。
「お義母さんと呼びなさい」
口を開く前にこれだ。
「はい。お義母さん。ご無沙汰しておりました」
『タイカ助けて』
念話を使わないと決めて、早速このザマだ。
『監督さんの奥さんから連絡が行ったの。それに私も嬉しくて手紙を書いちゃった』
「はい。カサヲムさん。お久しぶりね」
『それは、ここに来る前に欲しい情報。どこまで知ってるの?』
「何をこそこそしているのかしら。二人が仲良くしているのは嬉しいけど、仲間外れにはしないで欲しいの」
「「はい。お義母さん」お母さん」
「本当よ。でも良かったね。タイカ」
「うん」
「カサヲムさん。だいたいの三人の関係は聞き出したわ」
『タイカさん?泣きたい。泣いていいか』
『交際はオープンにすると』
『目的を忘れないで』
「すみません。でもお嬢様のことは本当に好きです」
「そんな当たり前なことは言わないでくださいね」
『なんて言えば良い?』
「お母さんね、わたしはカサヲのことが好き。でも一人では怖くて付き合えなかったから、フォルちゃんに感謝しているの」
「わかっています。それは私達のせいでもあるし、だからタイカがこれ以上傷ついて欲しくないの。今なら良い思い出で終わらせられないかしら」
「絶対嫌。そんなこと言うお母さんは嫌い」
「ごめんなさい。嫌われたくはないわ。でも、そんなに良い男だと思えなくて、だって不誠実でしょ。睨まないで、これ以上は言わないわ、本当に嫌われたくはないから」
「それでカサヲムさん。私にとってこの娘は可愛いくて大切なのは理解してね」
「はい」
「それでもあなたが三年後にどのような決断をしても私はあなたを責めない。あなたを選んだタイカの責任だから。別れた方が幸せになるかもしれないし、あなたと一緒にいると不幸になるかもしれない。ただ、あなたがタイカを幸せにしてくれるのが、一番タイカの涙を見なくてすむの」
「はい」
「でもね、この娘にかかっている魔法が男性を拒むのは知っていて?」
「はい」
「このままだと結婚によっては幸せになれないから、あなたにお願いがあるの。この娘にかかっている魔法陣の写しを持って来たから、魔法を解いてもらえないかしら」
「はい。タイカさんにも頼まれています」
「それは受けてくれるで良いかな?」
「はい。全力を尽くします」
「ありがとうございます。娘をよろしくお願いいたします」
「頭を上げてください。お義母さん」
お義母さんは顔を上げず、下を向いたまま泣いていた。静かに泣いていたけど泣き止むまで時間が必要だった。タイカはお義母さんが泣き止むまで寄り添い横に座っていた。
「ふふ、ごめんなさいね。それで解除鍵はタイカに預けるわ」
「うん、だけどいいの?」
「だって、試さないと分からないでしょ。カサヲムさんには身体を張ってもらいます」
「お母さん、ありがとう」
「まだ、おばあちゃんにはなりたくはないから気を付けてね」
身体を張らなくてはならないのか
読んでおかしい部分があります。
あと少し後ろに主人公なりの解釈が出てきます。




