第一章 Vol2.13 愛すべき隣人
ゲームの世界の自宅に戻り、洗濯機の暴走で全滅したシャツを買い直しに行くことに。
痛い出費だけど、俺のシャツよりダメージ大きいのは財布の中身だ。
My自転車を駆って、上津の量販店へ。何点か服を買い込んで帰宅するも、心はもうぐったり。
「くぅ……!!」
モヤモヤとイライラの無限ループ。まるで洗濯機の中のシャツ状態。
そんな時の俺の唯一の癒しは……1階の大家、のぶちゃんの「残念劇場」観察。
* * * * * * * *
今日ののぶちゃんは、日曜大工に挑戦中。
身長165cm、麦わら帽子&割烹着という渋コーデで完全に昭和レトロ農婦スタイル。
もう「THE・昭和」って感じのオーラがぷんぷん。
庭のコンクリートブロックを日の字に組み、ホームセンターで買ったコンクリートを洗面器で練る…あたりまえだけど重労働。
そして今日はその上に足場の板を載せる段階。
まずは板と3センチ角の角材に裁縫用の竹定規をあてて寸法測り。
……と思いきや、肝心のペンがどこにもない。
「え?これペン探しゲーム?」と突っ込みたくなるレベルで部屋をよろよろ往復。
油性マジックを持って戻るも、また測った寸法をすっかり忘れてる。
「脳内メモリーがオーバーフローしたのか?」と心配になるほど。
さらにペンを落として、床に転がってるのに気づかないのはもはや神業級の天然。
「ペン、右手のすぐ横で迷子になってんじゃねーよ!」と心の中で叫ぶ俺。
やっとペンを掴んでも、インクはカスカスでカリカリカリ…って、もうそんなに擦ったら紙が穴開くわ!
なのにペンを大事にポケットにしまう意味がわからない。
「お前、それいつ使うんだよ?」と問い詰めたい衝動に駆られる。
次は釘で傷をつける荒技。
「亀の甲より年の功!」とばかりに自信満々。
工具箱から折りたたみノコギリを引っ張り出しギコギコ開始。
「ノコギリが曲がった!?」と思ったらバイィンと音がして、あまりの力加減にノコギリが泣いている。
しばらく戦ってやっと切り終えたものの、切った板がなんだか微妙に長さバラバラ。
「気持ちはわかるけどな!『長さ揃える』って概念、のぶちゃんには難しいのよ」
日の字に組んだレンガの上に角材を置くと、あちこち隙間だらけ。
「これはもうDIYじゃなくてD.I.F(Doing It Fail)だろ!」と心でツッコむ俺。
部屋に戻り、今度は木工用ボンド登場。
しかしそのボンドがまた残念なことに、中身が固まって「のぶちゃん節全開」。
ボンドの出口に力を込めるも、ちょっと押したら「ブピィ!」と爆発的噴射。
「うわ、ホワイトパワー大放出!」って感じで、角材が白いボンドの雪に埋もれている。
のぶちゃん、固まる。
「これはもう電池切れじゃなくて宇宙人襲来か何かだな」とか思う俺。
木くずを拾いながらボンドを無理やり伸ばそうとするけど、固まりすぎてスライムみたい。
仕方なく板にベトっと押し付けるも、「くっつくわけないやろ!」状態。
彼女は「待ってられない女」、乾く前に作業再開。
板に釘を打ち込むけど、まるで「板の針治療」みたい。
「痛そう……でも気合は伝わる!」と遠巻きに応援。
釘打ち音はまさに戦場、バンバンバキガキの連続攻撃。
終わった後は肩で息をし、汗を拭いながら部屋に戻るのぶちゃん。
そこにあったのは……
曲がりまくった釘だらけの「奇跡の残念アート」作品。
上手くいかない日曜大工。
のぶちゃんの電池が切れる前に、俺の腹筋も痙攣して限界突破。
――――もう笑いすぎて腹痛いわ!
のぶちゃん、アンタは間違いなく最高の「残念スター」だ!
モデルとなった人物がリアルで存在します。
この人だけで一本書けそうなきがする。
次話からVol3.00に入り、50000字位で第一章が終わる感じ?になるといいな




