大切な仲間。そして音楽。
彼女に二股されてた。
俺のプレゼントを換金して本命彼氏にプレゼントされてた。そして彼らは俺を嘲笑っていた。
そんな最低でくだらない恋が終わったら俺は‥…。
作者の妄想全開の作品です!
今回は勢いだけです!!
俊介は思い足取りでスタジオに向かった。
瑠璃には助けられた。嬉しい言葉も言ってくれた。「大切な仲間」だって。
でもそう簡単には立ち直れそうにない。
暗い気持ちでスタジオのドアノブに手をかけた。
ドアを開けると激しいギターのノイズと暴れるドラム。低く唸るベース。
しかも‥…リアムがデスボイスで歌ってる。
【リフレインスピカ】の方向性とはまったく違う。
ついに3人がヘッドバンクし始めた。
俊介は思わず吹き出した。特にあの堅物のリアムがデスボイスで歌ってるのにツボった。
俊介に気がつくと瑠璃は手を上げて演奏を止めた。
みんな息を切らしている。
「おい、おい。みんな慣れないメタルなんか演奏するから汗だらだらだぞ」俊介は笑って言った。
瑠璃は「だって俊介ってさ、毎日のようにメタルT着てるじゃん。こういうのも好きでしょ?」
瑠璃はこの前のことを気にして励ましてくれてるのだろうか。
スッとスヨンが立ち上がっていつものようにスティックをクルクル回しながら
「おい!俊介!お前フラれたらしいな!」
瑠璃のやつ仲間に言ったな、と瑠璃を見た。
瑠璃は知らん顔をしている。
スヨンは続けて「ここに2人も美少女がいるんだ!目の保養にはなるぞ!」そして笑った。
スヨンはスヨンなりに励ましてくれてるようだ。
「俊介さん。フ○○キングビッ○のことなんて気にしない気にしない」育ちのいいリアムから信じられない汚いスラングが飛び出した。
リアムなりに最大限に怒ってるようだ。
瑠璃は俊介を見て「ま、みんなこういう仲間だし‥…楽しいじゃん?」
俊介はいつの間にか泣いていた。
「ったくしょうがねーな」とスヨンが寄ってきた。リアムもベースを置いてポケットからハンカチを出して俊介に差し出した。
瑠璃は乱暴に俊介の頭を撫でた。
瑠璃は【夏色オーバードライブ】いくよとメンバーに言った。
「俊介?いける?」
「ああ、もちろん」
スヨンはスティックを回して座った。
リアムも頷く。
ギターが優しいリフを刻む。低くもどこか明るいベースライン。一定のリズムで鳴るドラム。
俊介の得意なハイトーンボイスが合わさる。
サビに入るところで4人は目配せをした。
夏の潮風が吹く砂浜を歩くようなサウンドが響き渡った。
演奏が終わると俊介は「やっぱ音楽っていいな」
そしてわざとらしい大きな声で「お前ら最高!これからもよろしくな!」
瑠璃はピースサインをする、リアムはサムズアップ、スヨンはスティックをクルクルと高く放り投げてキャッチした。
練習が終わると瑠璃は俊介に
「サプライズがあります!」と宣言するように言った。
「なんだよ急に」と俊介は驚いて言った。
「今日の夜、スヨンの家で残念会!」
スヨンの家は小さな韓国料理屋だ。
スヨンは「めっちゃ辛いの用意するから」と笑った。
リアムは「ほどほどにしてください‥…」と小さな声で言った。
「よし、残念会だ!もうどうでもいい!」
俊介はその言葉どおり俊介の固く小さくなっていた心が柔らかくなっていくのを感じた。
「おじゃましまーす」
俊介は店のドアを開けた。
「遅い!料理が冷める!」いつも時間にルーズな俊介に瑠璃は大きな声で言った。
スヨンのお母さんが出てきた。
「俊介くん。残念だったね…。」
続いてスヨンのお父さんが鍋を片手に出てきた。
「俊介!まだ若いんだからさこれからこれから!あ、ただしスヨンと付き合うなら俺の許可が必要だぞ!」
大声で笑った。
俊介はスヨンを横目で見て「お前、家族にまで俺の汚点を言いふらしたな」
スヨンは漫画のキャラクターのように腕を頭の後で組んで口笛を吹く真似をした。
リアムは「このバンドの女性、怖いです」けっこう真顔で言っていた。
ウーロン茶全員分運ばれると瑠璃は
「えーこの度は俊介くんが大変残念なことに‥…」とおじさんが乾杯の音頭をとる真似をして笑わせた。
「うーん!よくわかんないけど乾杯!」瑠璃が威勢よく言った。
料理が運ばれてくると俊介は「やっぱスヨンの店の料理は最高だな」とバクバク食べる。
スヨンは「当たり前でしょ」と誇らしく言った。
俊介の隣に座っている瑠璃が俊介に「この団子ピリ辛で美味しいよ」と言って皿に盛り付けてあげた。
「サンキュ」と言って大口でだんごを放り込んだ。
俊介の顔がみるみるうちに赤くなり咳き込んだ。
「か‥…辛い!瑠璃、てめぇやってくれたな!」
瑠璃は俊介の肩をバシバシ叩いて笑っている。
しばらくしてすべての料理を食べ終えると俊介は真面目な顔をしてメンバーに話しかけた。
「俺さ‥…あんなことがあって最悪な気分だったけど大切なものが分かった気がする」
「なぁ‥…本気で目指さないか?日本一のバンド。この仲間なら絶対にできる気がする」
静かになったテーブル。最初に口を開いたのは瑠璃だった。
「わたしは初めからそのつもり。やるよ」
リアムも「挑戦することはいいことです。僕もやります」
スヨンも「ったりまえ。わたしたちにできないことなんてない」スティックの代わりにおしぼりでテーブルを叩いた。
「よし!ここから【リフレインスピカ】は再始動だ!」
4人の目は未来に向かって力強く輝いていた。
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