本気だからケンカもする!!
彼女に二股されてた。
俺のプレゼントを換金して本命彼氏にプレゼントされてた。そして彼らは俺を嘲笑っていた。
そんな最低でくだらない恋が終わったら俺は‥…。
作者の妄想全開の作品です!
今回は勢いだけです!!
スタジオに籠って5日目。
俊介たちは煮詰まっていた。
「瑠璃!そのギター。ミュート甘いぞ。何年ギターやってんだよ…」
瑠璃は俊介を睨んだ。
「は?俊介はギターなんてロクに弾けないでしょ?できないくせに分かった風な口きかないでよ!」
「そういうことじゃねーよ!!」俊介は瑠璃を怒鳴り付けた。
瑠璃は舌打ちすると部屋を出て行ってしまった。
スヨンが俊介に歩みよる。
「なにカッカしてんだよ。わたしらは家族みたいなもんだけどさ、馴れ合う必要はないと思う。だけどここんとこ、俊介、焦りすぎだぞ。それに言いすぎだ。俊介も瑠璃も」
リアムも「意見をぶつけるのは構いません。しかし先程のやり取りはただの醜い言い合いでした」
俊介は丸椅子にドカッと座って肘をついて下を向いた。
スヨンは「俊介。謝るなら早い方がいいぞ。意地張ってる場合かよ。瑠璃も謝りたいんじゃないか?」
いつもはスティックをくるくる回しておちゃらけてるスヨンだが、この時は成熟した大人のようだった。
「俊介。先に謝ることは負けではありません。」
リアムも語り掛ける。
俊介は顔を上げて2人を見た。
「だよな。こんなんじゃリーダー失格だ。それにスヨンとリアムに正論をぶつけられるなんてな」と笑った。
「なに笑ってんだよ」スヨンは俊介のこめかみを両手でグリグリした。
「いってーな!…でもありがとな」
スヨンも笑って「さっさと行ってこい」俊介の背中を叩いた。
俊介は走って外へ向かった。
スタジオの屋上に着いた。
瑠璃は柵に体を預け下を向いていた。
俊介は静かに歩みよった。
「あのさ…。いい過ぎた。ごめん。俺、曲がうまく纏まらなくて一人でイラついてた。それを瑠璃に八つ当たりだなんて最低だよな…」
瑠璃は顔を上げた。
「わたしもごめん…ごめんなさい。酷いこと言ったよね。わたしもイラついてたのかもしれない」
俊介は柵から下北の灯りを見た。
「瑠璃…あの景色すごかったよな。【Run to Tommrrow】のライブ」
瑠璃が俊介の隣に来た。
「うん。別世界だった…。あの景色。4人で見ようね。絶対にできるから…」
俊介は瑠璃に手を差し出した。
「ごめんなさい。仲直りの握手だ」
瑠璃はその手を掴んだ。
「わたしもごめんなさい。これで仲直りね」
瑠璃は「小学生みたい」と笑った。
スタジオに籠って1週間が過ぎたころ、瑠璃が言った。
「グリーンデイみたいにギターブンブン鳴らすけど爽やかって言ったよね。いっそ、爽やかやめない?
俊介さ、どのバンドもいろんな角度の曲あるっていったじゃん?爽やかって【夏色オーバードライブ】引きずってない?みんなどう思う?」
スヨンはスティックをくるくる回して
「その案、乗った!」
リアムは顎に手を当てて
「僕もいいと思います。もっとダークでもいいです」
瑠璃は俊介を見て「俊介はどう?率直な意見聞きたい」
俊介は瑠璃を真っ直ぐ見て
「それだ…そう、それだよ!なんか分かってきた気がする。今の俺らの気持ちを曲にぶつければいいんだ!俺たちのいまの気持ち【焦燥感】だ!」
それから【リフレインスピカ】の新曲が加速度的に完成に近づいた。
「今のはどうだ?」マイクを握ってみんなを見た。
「うん。いいと思う。こんな荒々しいギターリフ弾いたの久しぶり。気持ちいい」瑠璃は汗を拭った。
「わたしもいいよ!」そう言うとバスドラムを強く叩いた。
「僕もよかったです。跳ねるようなベースラインは新鮮です」
「俺も低い声で歌うのがしっくりくる」俊介も満足気だ。
「俺、佐々木さんに連絡する」俊介はスマホ片手に出て行った。
瑠璃はその後ろ姿を見て心の中で「ホントに音楽バカなんだから。そういう真っ直ぐなとこ…ずるいよ。好きになっちゃうじゃん」と呟いていた。
翌日、佐々木がやって来た。
「俊介くんの言葉どおりなら最高の1曲ができたんだね?聴かせて」そういうと佐々木はコントロールルームに入った。
瑠璃の荒々しいリフから空かさずスヨンのパワフルなドラムが入る。同時にリアムの暴れるようなベースラインが加わる。俊介はスタンドマイクに抱きつくようにハスキーボイスで歌う。
演奏が終わるとみな汗だくで息を切らせていた。
佐々木がコントロールルームから出てきた。
皆を見ると拍手をした。
「これだよ。僕はこういう【リフレインスピカ】を見たかった。どう?本気で音楽と向かった気持ちは?」
俊介は「苦しかったです…でも充実してました!」
「うん。いいね」佐々木は頷いた。
「で、新曲の名前は?」
【Restless】です。
俺たちのいまの気持ちをぶつけました。
「うん。最高だよ」佐々木は笑顔になった。
「これ、ラジオ番組のナイトジャパンに流すように手配する。こういうとき、うちの事務所は強いんだよ。多少の力業も通用する」悪だくみするような顔で笑った。
YouTube配信の冒頭。
スヨンが「今日はナイトジャパンにわたしたちの新曲が流れます!近くにラジオある人は聴いて!」
コメントが読めないほど高速で流れる。
『え!新曲!?』『たのしみ!』
『瑠璃のギターに期待!』
4人は練習スタジオのラジオを囲んでいた。
「ドキドキする…」瑠璃は胸に手を当てた。
『はい!始まりましたー!ナイトジャパン!先ず一発目は人気急上昇、注目のバンド【リフレインスピカ】。夏の【Run to Tomorrow】の蟻ヶ崎スタジアムでのゲスト出演も記憶に新しいですね!今日は彼らの新曲!今までとはイメージを覆すような曲です!わたしは大好きです!では聴いてもらいましょう。
【Restless】』
ダークなギターロックがスピーカーを揺らす。
配信のコメントがさらに加速して流れる。
『すげええええ!』『カッコいい!』『瑠璃のギターやば!』
ラジオ放送が終わると配信の視聴者に聞いた。
「俺たちの新曲どお?」
感想は俊介たちの予想を上回る好評だった。
あの放送から1ヶ月がすぎるころ、佐々木が小走りに練習スタジオに入ってきた。
「朗報!朗報!ていうか大チャンスが舞い込んで来たよ」
いつにない佐々木のテンションの高さに俊介たちの心もざわついた。
佐々木は一呼吸おいて「映画の主題歌に選ばれたよ!それも京極廉と一ノ瀬遥のW主演!」
俊介は「京極廉と一ノ瀬遥!!これヤバイやつじゃん!俺たちの曲を音楽に興味ない人にまで聴かせられる!」
佐々木は落ち着きを取り戻して
「そう。そういうこと。映画の主題歌、ドラマの主題歌を切っ掛けにスターになったバンドは過去にもたくさんいる。これはいけるね。完全な追い風だ」
よし!俊介はガッツポーズをした。
そして「それにしても一ノ瀬遥ってめちゃくちゃかわいいよな~」腕を組んで頷いた。
「会えたりして…」
それを聞いていた瑠璃は俊介の足をふんずけた。
「痛っ!なんだよ急に…」
瑠璃はちょっと赤い顔で俊介に
「バカ」とぶっきらぼうに言った。
【リフレインスピカ】新曲完成。
映画の主題歌に採用。
鈍感な男、約1名。
焼きもちをやく女の子約1名。
通常運転中。
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