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さいべり日記  作者: さいべり屋


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18/20

永久機関になりたい


どうも、さいべり屋です。

突然ですが、長期連載というものに憧れています。


何百話もある連載を続けられている方って、かっこいいですよね。

ライフワークみたいな長編連載、わたしも持ってみたい。

ということで、とりあえずそのへんのノートを広げて構想を書きなぐってみました。



……ところでここだけの話、わたしはあんまり頭がよくありません。


壮大な世界観、

緻密な伏線、

そういったものを管理できない。

主人公の過去をもったいぶってチラ見せしたりすっとぼけたりしながら、

破綻なく物語を進めていくのはほぼ絶望的。


情報出しすぎたーとか、

出す順番間違えたーとか思っても、

書いて出しの長期連載だと、

公開しちゃった分はなかったことにできないんです。



くそう。

IQがあと20ぐらいあれば。

無駄にノートを10ページぐらい汚したところで、わたしは諦めました。



じゃあ、緻密な管理がいらないスローライフものならどうよ。


人気ジャンルの美味しいとこてんこ盛りにして、

天丼に天丼を重ねていけば、永遠に連載を続ける事が可能じゃない?

めざせ、夢の永久機関。


短編は書きやすい分、2回転後方ひねりみたいなオチを考えては使い捨てにせざるを得ないから、脳の使用CPUに比べてコストパフォーマンスが悪い。

(思いついてるとは言ってない)


その点、エターナル長期連載はエコです。地球にやさしい。



主人公は王道のJKか社畜リーマンにして。

過去のトラウマとか因縁とか宿命とかを背負ったりしていると管理が大変なので、現実世界描写は最小限に。ほのぼの暢気なスローライフを軸に据えて。


異世界転移してー、

冒険してー、

おいしいもの食べてー。

おっぱいの大きいおねえちゃんとモフモフを出してー。



よし。

いけそうだ。


わたしは再びノートを手に取りました。



転移先の暦は。

貨幣価値は。

文明基準は。

自転周期は……?


いやいやいや、あまり作り込みすぎると自分の首が締まる。違和感ない程度に現代風にして。

そんな感じで、とりあえずさわりだけでも書き始めてみようか。


…。

……。

…………。


……面白くない。


あ、「お前の書くものはいつも面白くないだろ」って思った人、あとで職員室ね。

そうじゃなくて、書いてて面白くない。


胸糞もどんでん返しもムーンサルトもない、人の死なないほのぼのスローライフ。

考えてるだけで飽きてきました。

読むのは好きなのに。

人に食わせるために延々と献立考える人生は現実世界だけでお腹いっぱいだわ。


そういえば、楽しくチートグルメものを読んでいるはずなのに、急にもやぁってするときあったわ。

「100人前のみじん切り」

「自分も食ってる最中におかわり殺到」

「積み重ねられた洗い物」

みたいなときに……。

あれはわたしのなかのスタンド、【ザ・主婦】が拒否反応を示していたのか。



なら料理以外でできる異世界チートってなんだ。

建築。

服飾。

医療。


いいね。絶対に面白い。

しかし、異世界でそういうチートを書ける人は、現実世界でそういう知識チートを持っている神なのです。

ぐうたら主婦兼事務員の引き出しの浅さよ。


いっそのこと、異世界人のIQを3にして足し算でも教えるか。



そういえば婚約破棄ざまあとかは既にその方向じゃないですか?

一寸先も見えないようなIQ3王子が婚約破棄してざまあされて破滅する。

国を憂う宰相とかに密かにキュッてされててもおかしくないような盆暗が継承権持ってる。

王子と真実の愛()の斜め下っぷりを楽しむまでが様式美まである。


よし。



……でもそれ、絵面が地獄じゃない?

イケメンも美女もダンディな王様も、みんなIQ3。

建築も裁縫もできないから、おそらく洞穴で腰ミノ巻いて暮らしてる。

IQ3だと昨日の献立も覚えられないから、塩ふっただけで何度でも

「美味しい……! こんなの初めて♥」

って喜んでくれる。


なんなら何度でも

「君、だれ?」

って言ってくれる。


やべー。

主人公のメンタルが死にそう。



お猿の国で人は幸せになれるのか。

健康で文化的な対話の成立し得ないIQ3で腰ミノでおっぱい大きなおねえちゃんとの異世界恋愛は成立するのか。


とんだホラーですね。ほのぼのどこ行った。

(お猿の名誉のために一応言っておくと、ゴリラのIQは90くらいあると言われています)


あ、でも明後日な方向のIQディストピア、

……………………ちょっと面白そう、かも?



もしもさいべり屋が、 お猿の惑星でスローライフ☆ とか書き始めたら、

「やりやがったな!」

とでも思ってください。


懲りない作者の頭の中こそ、残念な永久機関なのかもしれません。

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