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【35】 10年以上の年月
金塚「ところでお客様、」
客女「はい?」
金塚「本当は、最初から六さんと結婚したかったんじゃないですか?」
客女「本当にどちらの男性と結婚しようか、迷っていたのよ。隣の予想屋さんの方が全然イケメンだったし、話しも面白かったし、ふふふふふ。でも、やさしさとか、真面目さという点から言ったら格段の差で、六さんの方が比べ物にならないくらい上だったわね。でもそのことに気づいたのは、あの勝負をしてから半年後のことだった。バカよね。こんなことに気づくまで半年もかかるなんて」
金塚「六さんと暮らした15年の間、結婚しようとは思わなかったのですか?」
客女「一度も思わなかったわ。結婚のメリットって、なんだかよくわからなくて」
金塚「でも、一緒に暮らしていたんですよね」
客女「ええ、」
金塚「ずうっと、10年以上、同じ屋根の下で」
客女「ええ、」
後ろで、
千歳「金塚さん『15年』じゃなくて『10年以上』って言ったわよ」
美南「これって寡婦年金の対象じゃないのかしら?」
千歳「寡婦年金の要件って、確か『夫と内縁関係の期間が継続して10年以上』よね」
美南「そうです。間違いありません」
千歳「それを意識して『10年以上』って言ったのね」




