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【27】 窓口に現れた謎の女性
それから数日後。
ひとりのある女性が
国民年金課窓口にやって来た。
客女「年金手帳って、本人が亡くなったら返さないといけないんでしたっけ?」
金塚「ええ、まぁ」
その女性はバッグからオレンジ色の年金手帳を取り出し、
金塚に返すとすぐに帰ろうと向きを変えた。
金塚「あのう、」
金塚が女性の背中に向かって言った。
客女「はい」
女性が振り返った。
金塚「ちょっと、待っていただいても大丈夫ですか?」
客女「はい」
金塚「この年金手帳の方が亡くなられたんですか?」
客女「はい」
金塚「ちょっと、年金の状態だけ確認しておきたいのですが、」
客女「はい」
金塚がカウンターにある端末機に年金番号を入力しようと
年金手帳を開いた。
金塚「うむ!」
金塚の顔が変わった。
その年金手帳の持ち主は、
先日亡くなったばかりの穴吹六郎のものだった。
金塚が年金番号を端末に入力すると、
画面に家族構成が表示され、
ひとり世帯であることが判明した。
金塚「うん?」
客女「どうかしましたか?」
金塚「はい」
客女「何か、ありました?」
金塚「お客様が、どうしてこれを?」
客女「知り合いでした」
金塚「知り合いですか? 親戚ではなく?」
客女「はい」
金塚「この方、ボートレースの予想屋さんですよね?」
その瞬間、事務をしていた烏丸千歳と吉川美南が
聞き耳を立て始めた。




