【24】 人情のご祝儀と涙の閉幕
六郎はレース観戦から『六さん』のお立ち台へと戻ったが、
台の上には上がらなかった。
そして助手に、
六郎「店を閉めるぞ」
語りかけるように言った。
助手「はい」
残り3レース、選抜戦、優勝戦を残して
六郎は、店を閉めることにした。
予想屋業界では、滅多に見られない光景である。
六郎の予想によって舟券を当てた客が
次々と『六さん』の元へと集まって来た。
客A「2700円もついたよ」
1号艇が2着で2700円は、異例の高配当だった。
それだけ、1号艇の頭で売れたのだ。
客Aが1万円札を六郎の胸ポケットに押し込んだ。
ご祝儀である。
もちろん、ご祝儀は義務ではない。
気分を良くした客の厚意なのである。
客B「今までで、一番突っ込んだよ」
六郎「そうかい?」
客B「ありがとな」
そう言って、ご祝儀5万円を六郎の胸に突っ込んだ。
客Cも黙って千円、六郎の胸ポケットに押し込んだ。
客D「やったね」
そう言って、3千円を六郎の胸ポケットに無理矢理押し込んだ。
客E「六さんと心中した甲斐があったばい」
2万円を六さんの胸ポケットに押し込もうとしたが、
もう胸ポケットは、札でいっぱいだった。
客E「なんだ、胸ポケットはいっぱいかよ」
そう言って、六郎のズボンのポケットに2万円を突っ込んだ。
六郎「チンポは、触るなよ」
客E「そんな元気のねえチンポ、誰が触るかよ」
六郎「ガハハハハ」




