【14】 機構からの督促電話
数日後。
六郎の所に、日本年金機構から電話がかかってきた。
機構「国民年金保険料を払っていただけないでしょうか?」
六郎「余命数カ月でも払わないといけないのかね?」
機構「その理由は、私どもには関係ないことです。私どもは、保険料をすべて徴収することが業務ですから」
六郎「でも、保険料を払っても、俺は国民年金をもらうことが出来ないんだよ」
機構「それも、私どもには関係ないことです。60歳前に亡くなる方も当然いらっしゃいます。だからと言って見逃すわけにはいきません」
六郎「『見逃さない』って?」
機構「『差し押さえ』します」
六郎「そうかね。で、いつ『差し押さえ』するんだね?」
機構「今、順番にやっております」
六郎「順番ねぇ。俺の順番は?」
機構「そんなことわかりませんよ!」
六郎「わからないのかぁ」
機構「とにかく、今すぐ払ってくださいよ」
六郎「払うの、辞めた」
機構「『差し押さえ』しますよ」
六郎「どうぞ」
機構「穴吹六郎様ですね。必ず『差し押さえ』しますからね」
電話が切れた。
穴吹六郎にとって、気分の良い電話ではなかった。
日本年金機構の職員が言うのもわからないわけではないが、思いやりが無いと思った。
その勢いで穴吹六郎は、市役所国民年金課に電話した。
六郎「先日そちらに伺った予想屋だが、そのときの職員さんはおるかね?」
美南「今、代わります」
金塚「はい、私ですが」
六郎「今、日本年金機構から、支払いの催促の電話があったよ」
六郎は、電話のやり取りをすべて話した。
金塚「それは、嫌な思いをさせてしまいましたね。すみませんでした」
六郎「いや、あんたが謝る必要はないんだ。むしろ俺のつまらない話を聞いてくれて感謝しているんだよ」
金塚「そうおっしゃっていただき、ありがとうございます」




