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【13】 課長の余命
課長「死んでいく者にとって、国民年金保険料を払う払わないなんて、ちっぽけなことなんですよ。どうでも良いことです」
千歳「そうか」
課長「それより、自分の生きた証を誰かに伝えた方が、どれほど有意義か。今、なかなか自分の話をじっくりと真剣に聞いてくれる人なんて居ませんからねぇ」
美南「そうかも。私、友達の話を聞いていて、辛い時があるもん」
千歳「そういう点、市役所の窓口って、お年寄りの良い話し相手なんですよね」
課長「だから、さっき来たお客様は、金塚さんに聞いてほしかったんですよ」
千歳「それで、満足して帰ったわけね」
金塚「課長は『死んでいく者』の気持ちがわかるんですね」
課長「まぁね」
金塚「まさか?」
課長「ははははは」
金塚「まさか、課長も余命宣告を?」
課長「私も、この前医者で、余命を言われましたよ」
そう言って、課長は、右手でパーの形を金塚に見せた。
金塚「5カ月?」
課長は、黙って首を振った。
千歳「5年?」
課長は、また、黙って首を振った。
美南「まさか5時間?」
課長「ははははは」
課長が、今度は笑った。
金塚「正解は?」
課長「50年だそうです」
金塚「心配するんじゃなかった」
美南「仕事しようっと」
千歳「あーっ、聞いて損した」




