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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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天界に出た刺客は‥‥‥

ミラは倒れたニゲルに近づき、呼吸を確認した。



ソフィア『ニゲルは無事!?!?』



ソフィアはすごい剣幕でミラに問いただした。



ミラ『大丈夫だ。死んでない。

気絶してるだけだ。』



ソフィアはそれを聞いて、ホッと胸を撫で下ろした。



ミラ『ただ、かなり深く眠らされている。

目覚めるのは時間がかかりそうだ。』



ソフィアは再び、表情を歪めた。

そして、ダリアを鋭く睨む。



ダリア『あらあら。眉間に皺寄せちゃって。』



ダリアは挑発的な口調でソフィアに言い放つと

軽い足取りでソフィアに近づいた。



ダリア『ここに、深〜いシワが、

できちゃうわよ?』



ダリアはソフィアの眉間を指差し、

高笑いする。


ソフィアは剣を握りしめ、ダリアに襲いかかった!


カキン!と剣がぶつかり合う音が響いた。



ダリア『わあ!すごい読みにくい剣捌きね〜!』



ダリアはおかしそうに喋っている。



ダリア『たしか‥‥こんな剣捌きしてる人間がいたわね‥‥


あー‥‥いつだったかしら。



男尊女卑の国の標的ターゲット

殺した時だったわね!』



ソフィアは恐ろしい形相を浮かべる。



ソフィア『絶対に許さないわ!!!』



逆上して我を失っているソフィアに、

トーアは声をかけた。



トーア『ソフィア!!!落ち着いて!!

相手の挑発に乗ってはいけないよ!!』



ソフィアはトーアの言葉を聞き、

ギリッと強く口を噛む。



ダリア『ふふ‥‥!冗談じゃない。

誰も殺しちゃいないわよ。』



ダリアは鼻で笑った。


その様が、ソフィアには酷く癇に触る。

軽口を叩く余裕があるからだ。

暗殺者には全く見えないが、

男のニゲルを 一撃で眠らせたのだから、

相当な腕前なのだろう。



すると、今までうずくまっていたレティアが

頭を抑えながら立ち上がった。



レティア『うう‥‥‥っ‥‥』



ヨロヨロと歩き出し、ダリアへ近づいた。



ダリア『ん?』



ダリアはレティアを興味深く見つめる。



ダリア『なんでそんなに痛がってるの?』



レティアは、はぁ、はぁ、と

息を乱しながら口を開いた。



レティア『あなた達は‥‥

あの時の‥‥刺客に‥‥そっくり‥‥‥

あなたは一体‥‥』



レティアの言葉に、ダリアの表情が一瞬曇った。



ダリア『あの時の刺客‥‥?』



レティアは顔を顰めながら何度か頷く。

割れるような頭の痛みが続いていた。



ダリア『おかしいわ。

もしもアタシら暗殺団に出会っているのなら、

あなたが生きているはずないもの。』



ダリアの余裕の表情は、いつの間にかどこかへ消えていた。



レティア『思い出したの‥‥

‥‥黒いマントに‥‥‥

不思議な紋章が‥‥ついていたっ‥‥!

あの時の‥‥5人の刺客にも‥‥!』



レティアは声を絞り出した。



ダリアたちの黒装束にも、

不思議な紋章がついていた。


その紋章は、天界に出た刺客の、

黒いマントにも同じものが付いていたのだ。



ダリア『なんですって?』



ダリアは低い声を出した。

恐ろしく冷たい瞳をして、レティアへ近づく。



ダリア『あんたは何者?

なぜ生きているの。


どこでこの紋章の入った暗殺団を見たの!!』



ダリアは叫んだ。

その表情には焦りすら感じられる。



レティア『‥‥天界よ!!!!

なぜ普通の人間のあなた達が

天界に行けたの!!!』



レティアはダリア以上に声を張り上げた。

あの刺客がいなければ、

ソニアとサンダーを人間界に置いて行くことはなかった。

今頃、2人はレティアの前で元気に笑っていたかもしれないのだ。



ダリアは目を見開く。



ダリア『な?!

そんなはず!!!!

天使だって言いたいの?!』



ダリアは声を上げる。



レティア『ええ、私は天使だった。


誰に頼まれて

なんの目的で、あなた達は

天界に行ったの?


なぜ人間が、天界に行けるの?


天界に行く方法は!?!?』



レティアは凄む。

いつの間にか、頭の痛みはおさまっていた。



ダリアは、懇願するような表情で

レティアを見つめた。



ダリア『天使様‥‥だと言うの。』



ソフィアが徐に、口を開く。



ソフィア『あなた、魔力を使えるようね。

足音が聞こえなかったのも、魔力を使っていたから。


見てみなさい。魔力を込めて、

レティアの手首を。』



ダリアはレティアの手首を掴んだ。



ダリア『なっ‥‥‥!!!!!

熾天使の子供の証‥‥!?』



ダリアは後ずさる。



ダリアは武器を投げ捨てる。

そしてその場で地面に正座し

レティアに頭を下げた。



ダリア『助けて‥‥。お願い‥‥‥。


天界に行くために、アタシは‥‥

暗殺者として 生きていたの‥‥‥。』



ダリアの言葉に、一同 息を呑んだ。



ミラ『意味がわからない。


トーア。ヘレボルスの戦いの前に、

精霊の国が滅びたら天界に行く術がなくなると、言っていたよな。


なぜ暗殺者になれば、天界に行けるんだ。

矛盾しているぞ。しかもこの暗殺団は普通の人間なんだろう?』



ミラはダリアを警戒しながら、トーアに聞く。



トーア『うん。本来なら、人間界からは

精霊の国以外は天界に行けるはずないけど‥‥。


どうして暗殺者になれば

天界に行けるんだい?』



ダリアは一呼吸おいて、

話し始めた。



ダリア『この紋章を持つアタシたちは‥‥

ティルケ国で育成された暗殺団。』



ダリアは歩き出した。

ニゲルの前まで来ると、

針のようなものを取り出し、

ニゲルの背中に向かって振り上げた!


ソフィアは咄嗟に叫ぶ。



ソフィア『何をするつもり!!!!』



ダリアは振り向かずに言った。



ダリア『目覚めさせる。』



その声に、先程までの威勢は無かった。



ダリアがニゲルの背に、針を突き刺すと、

ニゲルの体がピクリと動き出す。



ニゲル『うう‥‥っ!!』



ミラ『何!?!?相当深く眠らされていたはずなのに‥!!!』



ミラはダリアを見た。

ダリアはどこか寂しそうな顔を浮かべている。



ダリア『ティラ王子が、天使の技を持っている。


天使を殺して奪った秘技を‥‥。』



レティアは目を見開いた。



レティア『どういうことなのっ!!!!』



レティアはダリアにつかみかかった。



ダリア『詳しくはわからない。

だけど、その天使の秘技は、

不思議な羽の生えた生き物を呼ぶことができるの。』



トーア『なんだって‥‥!?』



トーアはワナワナと震えている。


ダリアは続けた。



ダリア『伝説のような‥‥

その羽の生えた生き物を呼んで、

暗殺者達が天界に送り込まれた。


多分、天使様あなた刺客アサシンに出会ったのはその時‥‥。

ちょうど5人だったもの。


私は、その中には 入れなかった。

だから天界に行ったことはないの。』



ダリアはか細い声で言った。



レティア『なんのためにっ!!!!

なんのために暗殺者達が天界に送り込まれたの!?』



レティアは叫ぶ。

悲しさと怒りに満ちた表情で

ダリアを睨める。



ダリア『依頼されたと聞いた。

誰に依頼されたかはわからない。


だけど‥‥‥』



ダリアは、一筋の涙を流した。



ダリア『依頼者は、人間じゃない。』



レティア『はっ‥‥‥!』



レティアは一瞬、時が止まった。

ミラもソフィアもトーアも、

一斉に目を見開いた。





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