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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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暗殺女子ダリア

黒装束の者達は、

足音、気配ひとつ立てずに、

ミラ達を包囲していたのだ。



ミラ『どうなっている‥‥‥!!

足音一つ聞こえなかった。


気配すら‥‥‥。


こんな奴ら、生きていて初めてだ。』



いつも堂々としているミラが

珍しく額に汗を滲ませていた。



ニゲル『ヘレボルスの戦の時‥‥

10人の男達を、あっという間に1人で倒したお前でも‥‥

こいつら、やばいと思うか?』



ニゲルはミラに投げかける。

いつも、少しも動じないミラが

焦りの表情を浮かべているのだ。



ミラは一瞬の間を置いた後、口を開いた。



ミラ『‥‥ああ。

気持ち悪い感覚だ。』



野生児だったミラの発言を聞いて、

ニゲルも、ソフィアも、無意識のうちに

少しずつお互いの背を向けて後ずさっていた。



レティアとトーアは

ミラ達の声を聞いて、馬車から出てきた。



レティア『ミラ!?!?』



レティアは外に出ると、黒装束の者達に

包囲されているのを目の当たりにした。



レティア『な‥‥!?』



レティアは声を上げると同時に、

急に記憶を思い出す。


我が子達が殺される前、天界に現れた刺客ー‥

【黒いマントを被った、謎の5人】



レティア『うっ‥‥』



レティアは頭を抱えてその場にうずくまる。

鈍器で頭を殴られ、割れそうになる痛みが襲いかかる。



トーア『レティアちゃん!!!!』



トーアはレティアに近づく。



トーア『大丈夫かい?レティアちゃん!!!』



トーアはレティアの目を見つめる。



トーア『だめだ‥‥やっぱり僕の浄化じゃ‥‥!』



ミラは振り向いてレティアの様子を見た。

トーアがレティアの近くにいるのを確認する。



ミラ『トーア!!レティアを頼むぞ。』



言い放った瞬間、ミラは黒装束の者達に短剣を持って襲いかかった!



カキン、と剣の音が鳴り響く。



マルメロも走り出した!

目にも止まらぬ速さで1人に狙いを定める。

鋭い牙で噛みつき、その場に押し倒した。



黒装束A『うわぁぁっ!!!!!

なんだこの狼は!!!

なぜ狼が人間に懐いているのだ!!』



マルメロ『ヴヴヴヴヴ‥‥ッ!!』



マルメロは低い声で唸ると、

そのまま喉に喰らい付いた。



黒装束A『がはっ‥‥‥!!!!』



ミラはマルメロの様子を見て、

強張っていた表情を緩めた。



ミラ『さすがだな、マルメロ!』



ミラがマルメロを褒めると、

マルメロは一瞬、ミラの顔を見た。


その後 再び大地を蹴って、

敵の元へと走り出す。



ソフィア『ニゲル!!弟の馬車を守って!!』



ソフィアはニゲルにアレヌスを守るよう命令すると、

敵の前に躍り出た。



ソフィア『あまりここで体力を使いたくない。


ある程度、武器で攻撃をして

相手の体力を削いだ後、

魔法攻撃で一気にカタを付けるわ。』



ソフィアの言葉にミラは頷いた。



アレヌス『ねえ!みんな!何が起きているの?!』



アレヌスはパニックを起こしたように

外に向かって叫んでいる。



ミラ『心配するな。今は出てこないでくれ。』



まだ幼い、王族として生きてきたアレヌスには

ぶっきらぼうに聞こえなくもないが、

これでもミラなりの最大限の優しい言葉遣いだった。



アレヌスはしばらく騒いでいたが

やがて、大人しくなった。



レティアはずっと頭を押さえてうずくまっている。



トーア『ちょっと、レティアちゃん。

待っててね。』



トーアは優しく声をかけると、敵の前に躍り出た。



天体のような、美しい薄青と薄紫の瞳が

黒装束の敵達の目を覗き込む。



チャンスと言わんばかりに

トーアを襲おうとする敵達がいたが、

マルメロとミラ、そして剣を握ったソフィアがそれを阻止した。



トーア『レティアちゃん!!彼らは人間だよ。


暗殺者アサシンだ。』



ミラ『アサシン‥‥‥』



トーア『だから気配も足音も立てない。

標的ターゲットを殺すのが仕事だからね。


天使や悪魔みたいな特別な力はないよ。

暗殺者として鍛え上げられた能力さ。』



トーアは透視をした。



トーア『依頼者は‥‥


ティルケ国!!!』



トーアの発言に、一同が声を上げた。



ソフィア『なんですって!?!?!?』



ミラ『なっ‥‥‥』



ミラの顔も真っ青になった。



トーア『ティラ王子が、

目の前の暗殺者達アサシン

依頼している。』



ニゲル『何のために!!!!』



トーア『理由まではわからない。


多分聞いていないんだよ。


彼らは、報酬を貰えればそれでいいんだ。

理由なんかいらないのさ。』



トーアの発言に、ソフィアは激怒した。



ソフィア『生きて帰さないわ!!!!!』



ソフィアは攻撃魔法を唱えた!



うわぁぁぁぁ、と絶叫が響き渡る。



黒装束の敵達は、ほとんどその場に倒れた。

‥‥たった1人を除いて。



ソフィア『な!?

私の攻撃魔法が効かないというの?!』



ソフィアは後ずさる。



『魔法攻撃に耐えられる修行をしているのは

アタシだけだからね。』



暗殺少女アサシンガールは、黒装束を脱いで地面に放り投げた。



赤髪を、高い位置で結いている。

つり目で強そうな女の子だった。



『まあこの9人は偽物ダミーの暗殺者ね。

ちょっと腕に自信があって、

治安の悪い場所で生き残ってきた奴ら?』



暗殺少女は得意げに言い放つと、

ミラに近づいた。



『ああ、アンタ!すごいよ!!

暗殺者じゃないんでしょ?!


足音もほとんど聞こえないし、無駄な動きもない。


どんな訓練したら、普通の人間が 

そんな技 身につけるわけ?!』



余裕の表情でミラを褒める。


ミラは何も言わなかった。



トーア『あ、言い忘れた。

彼女の名前はダリア、らしいよ。』



ダリア『アンタ、変な技持ってんのね〜!

たしか精霊?だっけ!


ヘレボルスには精霊の国があるとか、依頼者が言ってたわ〜!

アンタが精霊だったとはね!

確かに、人間離れした美青年だわ。』



ダリアは口数が減らない。



ニゲル『減らず口め!!!!!!』



ニゲルはダリアに凄む。

ニゲルの怒声などまるで効きもしないかのように、

ダリアは鼻でフッ‥と笑った。



ダリア『あのねえ、オッサン。

女だからと舐められちゃあ困るわよッ!!』



ダリアは高く飛び上がった。


地面に着地した頃には、ニゲルはその場に倒れていた。



全員は目を見開いた。



ミラ『何!?!?』



ソフィア『ニゲル!!!!!』



ダリアはニヤリと口角を上げた。



ダリア『さ、次は誰が

アタシに殺されたい?』



ソフィア、ミラ、トーア、マルメロは

額に汗を滲ませ

ダリアと対峙するのだった。




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