仲間同士の睦み合い
ー早朝ー
皆はマグオートへ向かうため
馬に跨っていた。
馬は3頭しかいないため、
トーアとレティアが
誰かの後ろに乗ることになった。
ミラ『レティア。後ろに乗りな。』
ミラはレティアに優しく声をかける。
レティア『ミラったら本当になんでもできるんだから‥‥』
レティアは ぶつくさと呟きながら、
ミラが伸ばす手を取った。
レティア『うわぁっ!すごい揺れるっ!!』
レティアは情けない声を出すと
ミラの腰にがっしりと手を回した。
ミラはその様子を背中で聞いて笑っていた。
トーア『ソフィア。君の後ろに乗っていいかい?』
トーアは満面の笑みで問う。
ソフィアが何かを言いかけた瞬間、
ニゲルが口を開いた。
ニゲル『ソフィア様の後ろはダメだ!!!
俺の後ろに乗れ!!!!』
ニゲルの申し出に、
トーアはあからさまにショックを受けていた。
トーア(ソフィアの後ろが良かったなぁ‥‥)
トーアは心の中で呟く。
ニゲルはトーアの表情を見て不服そうだ。
ニゲル『まさか精霊でありながら、ソフィア様に変な気を起こしていないだろうなぁ!?』
トーアは慌て始める。
トーア『な、な、なんてこと言うんだい!
男二人じゃ、馬に負担がかかるでしょ!
軽い方が楽だと思って言ったんだよ!』
トーアの無理のある言い訳に
レティアとミラは吹き出した。
ミラ『トーアって結構ああいうところあるんだな。』
レティア『ね!分かりやすいわよね。
ソフィアのことだけ呼び捨てだし。』
クスクス、とレティアとミラが笑っていると、
トーアが二人の方を向いた。
トーア『ちょっと二人とも!!聞こえてるから!!』
まったく、と文句を言いながら、
ニゲルの後ろに乗るトーア。
トーア『うわぁっ!!』
トーアは馬が動くたびに落ちそうになる。
ニゲルにきつく抱きついて離れない。
ニゲル『おわぁっ!!むさ苦しい!!』
ニゲルはうっとおしそうにトーアに言い放つ。
トーア『仕方ないでしょ!!じゃあソフィアと乗っていいのかい。』
ニゲル『貴様〜!合法的にソフィア様に抱きつこうったって許さんぞ!!』
ニゲルはそう言いながら
馬を走らせた。
トーアはさらにニゲルに抱きつく腕の力を強め、
ニゲルは嫌そうな顔を浮かべた。
その姿を見て女子達は笑っていた。
マルメロも馬に合わせて走っている。
サバンナのチーターより速いらしいマルメロは
少しも馬に遅れることなく、凛とした姿で足を動かした。
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ー5時間後ー
トーア『あ〜!疲れたな。
ソフィア。あとどれくらいで着くのかい?』
トーアは左腕でニゲルを掴みながら
右腕を上げて伸びをした。
ニゲル『お前〜!俺の後ろに乗ってるだけなのにどうして疲れるのだ!!』
トーア『バランス取るの大変なんだよ!?』
ニゲル『何ぃ〜!?
俺に抱きついているだろう!?!?』
トーア『だから疲れるんだってば〜!』
ミラは堪え切れずに吹き出した。
レティア『お腹痛い‥っ‥‥』
レティアも笑い転げている。
ニゲル『ったく精霊の野郎は文句が多い‥‥!』
ミラは、ニゲルとトーアの掛け合いを見て言った。
ミラ『仲がいいな。』
その言葉を聞いたニゲルとトーアが
ミラを一斉に見つめる中、
ソフィアが口を開いた。
ソフィア『着くのは明日かしらね。』
トーアはそれを聞いて魂が抜けたようだ。
トーア『えええ‥‥‥っ‥‥!!』
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ー夜ー
休憩を挟みながら、1日中馬を走らせた一同は
宿に着いた。
ソフィア『今日はここで休みましょう。』
森の中にある宿だ。
馬とマルメロも外でゆっくり休めるほど
あたりは自然豊かだった。
トーア『ああっ〜!やっと地上だ!!』
トーアはまるで羽が生えたように軽い足取りで
スキップをしながらソフィアの後に着いて行く。
ニゲル『ったく‥‥いけ好かない男だな!』
ニゲルは吐き捨てるように言った。
レティア『トーアってあんなキャラだったっけ。』
ミラ『さあな。』
レティア『明日はミラの後ろに乗せたら?』
レティアの発言にミラは吹き出した。
ミラ『俺はニゲルのように優しくないから、
文句言ったら 地面に叩き落とすぞ。』
ミラは笑顔で言った。
スキップをしていたトーアの足取りが急に重くなる。
トーアはゆっくりと振り向いてミラの方を見た。
ミラはトーアと目が合うとにっこりと笑う。
トーアは肩をビクリと震わせ、
背筋を伸ばしながら歩き始めた。
レティアは再び、お腹を抱えて笑い始めた。
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ー宿ー
ニゲル『なにぃ!?1部屋!?!?』
店主『あいにく、それしか空いておらず‥‥』
ソフィア『仕方ないわ。行きましょう。』
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5人は同じ部屋で寝ることになった。
ニゲル『トーア!お前は1番端っこだからな!!
ソフィア様に邪なことを考えたらいかんからな!!』
トーア『ちょ!!心外だなぁ!
僕はそんなことしないから!!』
ミラ『ソフィア。1番端っこで寝な。』
ソフィアは苦笑いしながら頷いた。
トーア『ソフィアまで‥‥』
しょぼん、とトーアは項垂れる。
ミラ『レティアはソフィアの隣で寝な。』
レティア『ありがとう。
でもここにいるみんなのこと、信頼しているから
私は何も気にしてないわよ。』
すると、不意にトーアが口を開いた。
トーア『ああーっ!
それじゃあニゲルくんがずるいじゃないか!
ミラちゃんの隣ってことでしょ?』
トーアはニゲルを茶化すように言った。
ミラ『何言ってるんだ?トーア。』
ミラはなんのことだかわからないと言う顔をする。
ニゲル『な、な、なんだトーア!!』
あからさまに狼狽えるニゲルの姿に
トーアは味をしめたように口角を上げた。
トーア『なんだい。ニゲルくんだって
ミラちゃんに顔赤くしていたくせに。』
トーアは小声でニゲルに言った。
ニゲルは、その発言に頬を紅に染め、
トーアを追いかけ始める。
ミラ『ったく、何やってんだよ。』
ソフィア『仲がいいのね。』
女子達はニゲルとトーアのじゃれ合いを
不思議そうに見つめた。
レティア『というか、布団、男女で分かれて2列にすれば解決じゃない?』
ソフィア『そうじゃない!
別に縦に5列にしなくてもね!部屋は広いし。』
ミラ『頭いいな、レティア。
じゃあ男共のは 押入れ側に敷いて
俺らは入り口の近くに3枚敷くか。』
男女で完全に分かれて
布団を敷き始める女子達。
ニゲルとトーアは、女子達に決してバレないように
肩を落としたのだった。
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ー翌日の早朝ー
ソフィア『さあ もう一踏ん張りよ。
あと三時間も走れば着くわ。』
ソフィア達は、再び馬に乗った。
マルメロも元気に地面を蹴っている。
あと数時間で、マグオートに着く一行。
ニゲルとトーアは相変わらず
互いに文句を言いながら馬に揺られ、
ソフィア、ミラ、レティアはその姿を見て
笑いながら後に続くのだった。




