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【幸せを産む天使】真の悪は、人間か悪魔か、それとも天使かー…。熾天使と悪魔の娘レティアの復讐が始まる  作者: 墨華


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意味深な言葉と終戦

ディセントラとラヴィエの振り上げた剣が

ソフィアの頭上を目掛けて降りてくる。



レティア『くっ‥‥どうにか動かないの‥‥!?』



皆、ディセントラの魔法のせいで、

体が少しも動かせなかった。



トーア『まずい!!!

ソフィアが危ない!!!』



トーアは悲鳴に近い声を上げる。



ミラも必死に動こうとするが

びくとも動かない!



ニゲル『ソフィア様ぁぁ!!!!』



ニゲルはソフィアに向かって叫んだ。



ディセントラとラヴィエは、

狂ったように笑いながらソフィアに迫っている!



カキン!と

鋭い剣の音が鳴り響いた。



全員、音の方へ視線だけを向けた!



見るとソフィアがどこからか剣を取り出し

2人の剣を受け止めていたのだ。



ラヴィエ『何!?!?』



ラヴィエは後ずさる。



ソフィアの剣捌きは

妖術のような、全く予測のできない不思議な動きをしている。

ディセントラとラヴィエは、ソフィアの剣術に惑わされるようで 攻撃がかすりもしない。



ソフィアは不意に口を開いた。



ソフィア『悪いわね。私は魔法攻撃よりも

剣術の方が得意なの。』



ソフィアは得意げにそう言うと、

ディセントラの背後に回り、ドレスを切り裂いた。



ディセントラ『おのれぇっ!!!!!』



ディセントラのドレスは破れ

素肌が露わになる。


ディセントラの目は怒りで血走っていた。

ソフィアは余裕の笑みを浮かべたままだ。



ソフィア『ミラを辱めたお返しよ。』



ソフィアはミラの方を見る。

ミラはフッ‥‥と笑って、ガッツポーズをソフィアに向けた。



ラヴィエ『何故だ!!!お前の魔力は膨大だった。

俺よりも魔力は多かったはず!!


何故剣術まで心得ているのだ!!!』



ラヴィエは額に汗を滲ませている。

もはや抵抗する余裕すらないようだ。



ソフィア『あら、言っていなかったかしら。


私の母は剣術の国、マグオートの第七王女だったのよ。』



ラヴィエ『あの国では、女が剣術をやることは許されていないはずだ!!!男剣士しかいないはず!!!

男尊女卑の国なのだからな!!!』



ソフィア『あら‥‥随分詳しいじゃない。


母は変装していたのよ。

剣術をするために。


ある時 剣術の大会で優勝したわ。

どんな男剣士よりも、母は強かったのよ!!』



ソフィアは力強く言い放った。



ディセントラ『いつお前が!!!

剣術を心得たと言うの!!

まさかカトレアの遺伝とでも言いたいの!!!』



ディセントラも鬼の形相だ。

ソフィアは鼻で笑った。



ソフィア『あら‥‥ 覚えていない?


あなた達、私の母を嵌めるために

国王ちちに泣きついて

私と母を幽閉させたでしょう?

何度もなんども。

気に入らないことがあれば!』



ソフィアは一歩いっぽ

2人に近づいた。

ソフィアの足音が、静まり返るヘレボルスに

響き渡る。

その音が空恐ろしく感じられるのだった。



ディセントラとラヴィエも額を冷や汗でぐっしょりと濡らしている。



ソフィア『そのおかげで母は

誰にもバレないように‥‥

私に剣術を教えてくれたわ。


いつか来る‥‥【この日】のために!!


母は分かっていたのよ。

いつか私が、お前達と対峙する日が来るのを!!


そして‥‥お前達が

私の魔力を封印して!!!

何かをしでかすであろうこともね‥‥!』



ソフィアは殺気のこもった目で

ディセントラとラヴィエを見る。


ゾクリと 2人は背筋が凍った。



ソフィアはしばらく2人のことを舐め回すように眺めると、

不意に国王に向かって話し出した。



ソフィア『お父様。


私がこの2人を‥‥倒してもいい?』



国王は一瞬の間の後に、

目を閉じて大きく頷いた。



ソフィアは剣を構えた。



ソフィア『お母様の恨みを晴らすわ。』



ソフィアは剣を振り上げる。

ディセントラは抵抗もしなかった。


気味の悪い 高笑いを響かせながらも

自分の運命を受け入れているようだ。



ディセントラ『私は‥‥罪人じゃないわ!!

殉教者になるのよ!!


必ずや全世界は【あのお方達】の手に‥‥!!!』



ディセントラは叫ぶ。

ソフィアはディセントラの胸を思いっきり切り裂いた。



ディセントラ『ぐふっ‥‥‥‥っ!!』



ディセントラはその場で仰向けに倒れた。



ソフィアはラヴィエに近づく。

ラヴィエは怯えていた。

ガタガタと震えながら後ずさる。



ラヴィエ『助けてくれ!!許してくれぇ!!

この通りだ!!』



ラヴィエは命乞いを始める。

ソフィアは座り込むラヴィエを見下ろしながらゆっくりと距離を詰める。




ソフィア『誰かを傷つけるのなら‥‥‥

報復される覚悟を持たないとね。



‥‥‥‥私の親友の仇よ!!!!』



ソフィアはラヴィエの肩から腹にかけて切り裂く。

次に背後にまわり、背中を切り裂いた。

最後に剣を背中に突き刺した。



ラヴィエ『ぐはっ‥うぐっ‥‥‥』




ソフィア『お前が私の親友を殺した方法‥‥

そのまま返すわ。』



ソフィアは冷たい瞳をしたままだった。

氷のような表情を浮かべながら

どこか一点を集めていた。



ソフィア『お父様。』



ソフィアは国王に話しかけた。



国王はソフィアの顔を見る。

美しく白い頬には

2人の返り血で染まっていた。



ソフィア『お父様が、操られていたとしても

ヘレボルスの民を‥私の友達を殺した事実は変わらない。


‥‥‥‥あなたをどう裁けば良い。』



ソフィアは国王に問う。

彼女の背中は、どこか影を帯びている。

どんな理由があれ、ヘレボルスが落ちぶれ

多くの民が死に、大切な人たちを殺された事実は変わらないのだ。



国王は 群衆の前で膝を折り、平伏せた。

何も言わずに平伏せた。


国の主にとって、最大限の謝罪だった。



ヘレボルスの民達は静かにその様子を見ていた。

ふいに、『息子を返せ!』『母を返せ!』など

怒声が飛び交い始めた。



国王『王位を、ソフィアに継承する。

たった今から、ソフィアがこの国の女王だ。』



ラインハルトは力無くそう言うと、

トボトボとどこかへ行ってしまった。



ソフィア『お父様、どこへ!』



ソフィアが呼び止める。

ラインハルトは振り向いた。



ラインハルト『ヘレボルスの悪魔等と共に

我も眠る。

命を以って償う。』



ラインハルトは何かの入った瓶を取り出し

その中身を飲み干した。



ラインハルト『本当に悪かった。』



ラインハルトは再び頭を下げる。

そしてまた歩き出した。

その姿は どこか小さく見える。



ミラはラインハルトが飲み干した瓶を拾い、

中身の匂いを嗅いだ。



ミラ『遅発性の毒だ。

‥‥‥数時間後には死んでしまう。』



ソフィアはそれを聞いて

何も言わずにただ涙を流していた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ディセントラとラヴィエの死体は、

罪人達の墓地に埋葬された。



ミラは瓦礫の山から天使の剥製を探すと、

トーアに頼んで精霊の国に置かせてもらえることになった。

これでレティアの復讐に一歩近づけるかもしれない。



ラインハルトは 罪人達の墓地で

死んでいるのが確認された。

ラインハルトもそこに埋葬された。



ソフィア、ニゲル、ヘレボルスの兵士、家来達は

倒壊した城の修復と、国の建て直しのために大忙しで動いていた。



レティアとミラもソフィアの指示のもと、

ヘレボルス復興のために協力していた。



あっという間に数ヶ月が経った。

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